びっくり箱みたいな旦那 No.3 | バリ島でオリジナルシルバーを作る、感じる。

バリ島でオリジナルシルバーを作る、感じる。

バリ島で暮らしています。
日々暮らして行く中、自然を見ていて感じるインスピレーションを
デザインし、オリジナルシルバーを制作しています。
そんな毎日に感じる事を綴ってゆきます。

ダヤック族の伝統衣装を身につけた旦那は、どんな姿なのか?
鏡を見てみたいと思ったが、鏡なんてものは、果たしてあるのだろうか?
という考えに至り、黙っている事にした。

服を着る前に、水牛に乗せられ川に行き水浴びをさせられたし
森の中には、直射日光は木の開けている場所にしか射さないので気分が良い。
直射日光での日焼けがないから、ここの女性たちは、色が白いのであろうか。
男性たちは、普段はどこか別な場所に行き、食料を探してでもいるのか
普通に日焼けしていたが、女性は旦那に言わせると、日本人みたいな肌だという事。

水浴びの後、長老の家の前に戻ると、男たちは車座になって座っていた。

これから、スペシャルなウパチャラ用の食べ物を作るから
もう少し待て、という事でその様子を眺める事にした。
見ていると、大きな蟻のお尻部分をつまんで、そうっと引っ張っている。
すると、お尻の部分はスポンと剥け、蟻はまた放されるのだ。
放された蟻を見ると、お尻を取られてしまったのに死にもしないで
元気に歩いて行った。

その作業をしている人を注意深く見ていると
蟻は自分からやってきて、まるで「どうぞ」と言っているように
黙って捕まえられてお尻を取られているのだ.....

「?????」

1.5cm位のこの蟻は、お尻を取られても死なない......の???














何という蟻か聞いたら、Semut(蟻)Rangrangという名前だそうだ。


いや、アリンコたち自分から「どうぞっ!」ってやって来てないかい???
どうぞってやって来た蟻も、お尻の小さい子は何もされないで放される。

その様子に驚いているのは、どうやら旦那だけな様なので
旦那はとりあえず、黙って見ている事にした。

その蟻のお尻を木をくりぬいたお椀に集めると、女性たちはそれを持って
スペシャル料理を作りに行ってしまった。

「うーむ。あれを食べるのか.....」とは思ったが、もう鯉になって生きるしかない。汗

とそこで、車座になっている男たちにこちらに来い、と呼ばれた。

その輪に加わり、一緒に車座になって座ると
座った旦那に、これまた木をくりぬいたお椀が渡された。
中を見ると、赤い液体が入っている。
その赤い液体に、隣の男が何やら細かく砕かれた、香辛料のようなものを
振りかけてくれた。

長老は、「さぁ、飲みなさい。これは歓迎の飲み物だ。」

旦那は一瞬躊躇した。

こんな森の中に、シロップがある訳ないよなーーーって
こいつはもしかしたら?????



と大いなる疑問が湧いたが「いや、俺は《鯉》なんだから」と思い込み
ゴクリと唾を飲み込んだ後、息をしないように一気に飲み干した。



見ていた周りの男たちは、やんややんやと喜びを表現し
次々と、お椀に入った赤い液体に香辛料を入れ飲み出した。
長老も嬉しそうに飲んでいる。

「さぁ、これでもう君は我が村の住民だ。
好きな家に住めば良いが、ここでの掟は、一つの家には
2人、4人、6人、と言う様に偶数で住むことになっている。
家は私が後で選んであげよう」と言いだした。


「え”っ???住民?????」
旦那は「住民」という単語に反応したが、まぁ、後で落ち着いたら
ちょっとの間、カリマンタンを見て歩くだけだ、と説明しよう。

それから、村の人たちはくつろぎ始め、歓迎のダンスが始まった。





この写真もお借りしましたが、旦那が見たのもこういう感じで
ちゃんとした儀式の踊りで、住民、という単語を耳にした旦那は
いよいよ、「どうなっちゃうんだ!?」の世界に突入したのです。


続く