びっくり箱みたいな旦那 No.5 | バリ島でオリジナルシルバーを作る、感じる。

バリ島でオリジナルシルバーを作る、感じる。

バリ島で暮らしています。
日々暮らして行く中、自然を見ていて感じるインスピレーションを
デザインし、オリジナルシルバーを制作しています。
そんな毎日に感じる事を綴ってゆきます。

さて、この話をここまで聞いた時、私は旦那に質問をしました。

それは、カリマンタンのどこに居たのか?という事と
どの位の期間滞在していたのか?という事。

なんと答えは「西の方」という事と
「分からない。3.4ヶ月?4.5ヶ月?
カレンダーなんて見ていなかったから、分からないよ。
あ、でも満月は4回ぐらい見たから、4ヶ月?5ヶ月???」という事。

(  ゚ ▽ ゚ ;)

なんてアバウトな.........
わたしゃ、今日が何日で何曜日だったか知らない、分からない
という状況は、生まれてからこの方、この2.3年ぐらいなもんだ。
(この2.3年そういう状況にいるって、結構幸せだけど
旦那は17歳ですでにそういう世界に居たんだな、と改めて驚く)


で、4.5ヶ月もの間、何をしていたの?


という質問は、どんな人からでも出てくるだろうね。


1日は、夜明け前から始まり、暗くなると眠るという生活だったらしい。
何せ、電気はないからね。今は知らないよ、旦那が行ってから30年経ってるから。
朝夜が明ける前に鶏が鳴くでしょ?その時間にもぞもぞと起き出し
まずは、川に水浴びに行くらしい。

川までは、「水牛」に乗って20分ぐらい。笑
水牛だよ、水牛。
彼らは一家に何匹かの水牛を持っていて、どこに行くにもこれに乗って行く。
水牛達も、朝と午後も4時頃には川に行く事を知っているので
一々手綱なんて取らなくとも、背中に乗れば、自動的に川に向かうらしい。
途中、道端で草を食べながら、てくてくのんびりと川に向かう。

旦那は、歓迎の会の日には、水浴びの時間外に行ったので誰も川には居なかったが
その時は丁度、皆が水浴びの時間だったので、沢山の人がそこにいた。

で、見ると...............女も子供もお爺さんもお婆さんもお父さんもお母さんも
全員がスッポンポンで一緒に水浴びをしていた.................
そして水牛も..................笑

石けんは使わず、軽石のようなもので体を擦っている。
水牛も水浴びの事をわかっているようで、飼い主がタワシの様なものを持つと
水の中に体を沈め、洗いやすい様に座るのだ。
終わると水から出て行き、近くの草の生えているところで
飼い主の水浴びが終わるのを待っている。
飼い主が水牛の背中に登ると、家に向かうのだ。

旦那は皆の様子をひとしきり見た後、自分も裸になって川に入った。

すると、ご近所の人が近寄ってきて、背中流してくれない?と。
あのーー、あなたは女の人で、俺は男なんですが?って思ったが
あまりにも嫌らしい感じがなく、あっけらかんとしたもので
旦那はその人の背中を軽石の様なもので、ゴシゴシしてあげた。
今度は私がやってあげる、と、その女性も旦那の背中を流してくれる。

誰も女と男が裸で水浴びをしていることを意識していない、様だ。

他の人も背中を流しあいながら、世間話をして和やかなものだった。
聞くと、レイプなんてものは一切起こったことが無いし
そんな単語もなかった。
ここでは、カップルがお互いに愛を感じたら結婚なんだそうだ。
なので、愛するのは慎重に...では無いが、
カップルとして付き合うのも、慎重なのだそうだ。



その日は、とりあえず来たばかりで様子もわからないだろうから
村で自由に好きなことをしていなさい、と
家主に言われたので、村の様子を見るために1日村でうろうろしていた。

子供達に案内されて、森の中にも入った。

そこここに、オランウータンがウロウロしていて、
そのことも当たり前な世界な様で、別にみんな気にもしていなかった。
見たこともない果物のなっている木から、熟れた実をもいで食べた。

少し大きくなった子供は、女の子は母親の手伝いをし
男の子は父親について行き、どこかに出かけて行った。
学校と言うものは無いようだった。
時々、長老が子供たちを家に呼び、生きる上での大切な教えを教え
子供達が持つその子の輝く素質を見出し、伝えた。


狩りをする男たちは、子供達を時々連れて行き
動物が自ら命を差し出すことを見せた。


これ、重要だよね。


信じようと信じまいと、旦那は目の前でその時の光景を見て
それは命を差し出す、としか言えない光景だった、と言う。


旦那がこの村に着いて何日か経った時、近所の男たちが
森に狩りに行くので着いてこいと言われた。
そうして、森に入った。


男たちは槍を手にしていたが、野生のイノシシを見つけても
何もしなかった。


旦那はそれを不思議に思いながら見ていた。
なぜ、槍を使わないのか?









カリマンタン、ダヤック族のオリジナルギター。
オシャレだよね~



続く