びっくり箱みたいな旦那 No.8 | バリ島でオリジナルシルバーを作る、感じる。

バリ島でオリジナルシルバーを作る、感じる。

バリ島で暮らしています。
日々暮らして行く中、自然を見ていて感じるインスピレーションを
デザインし、オリジナルシルバーを制作しています。
そんな毎日に感じる事を綴ってゆきます。

村は森の中にあるので、人間にとって歓迎しかねる動物もやってくる。

ある日、旦那が村の中を歩いていると
10mぐらいも向こうに大きな縄が落ちている....ん?縄???
よく見ると、それはサッカー選手の太ももぐらいはある蛇だった。

「!!!!!!!(蛇に気がつかれ無いように驚きマークも半角英数で。笑)」

そこから近くの民家までは、20mぐらいは離れているが
これは住民に教えておいたほうが良いぞ、と思い
村の人に言いに行った。

村の人は「ほぉ、蛇かね」ってな感じで
ドヒャーーッとは成っていなかった。

そりゃそうだよね。こんな深い森の中に住んでいるんだから
日常茶飯事だよね。でも、危ないものは危ないでしょ?

って思っていると、男はよいしょと立ち上がり
「他に行ってもらおう」と家を出て行った。
旦那も他に行ってもらう様子を見に、一緒について行った。

さぁて、どんな方法で他に行ってもらうのかなーーーって思っていると
「しっ!しっ!」と鶏でも追い払うような簡単なものだった。
でも、その距離が近すぎる。
おじさんそれ、噛まれたらやばくね?って思うが
おじさんは蛇の頭のほうに近づいて、しっ!しっ!ってやっているんだよね。

何にも持た無いで。汗

と、蛇は「あれ?ここ駄目じゃん!」とでも思ったのか
鎌首持ち上げて一瞬おじさんを見たかと思うと、さっさと森の深いほうに
行ってしまった。

「通り道間違えたんだな.....」とおじさんはブツブツ言いながら
旦那のほうに来ると、「さぁ、用は済んだから帰ろう」と。


なんかさー、俺の田舎と全然違うんだよね。
俺の田舎で蛇が出たら、みんな大騒ぎで捕まえて、殺しちゃう。
俺はそれが子供の頃から嫌で嫌で.....


と、旦那は子供の頃からの思いが湧いてきたのか。笑


ここバリ島でも、2ヶ月ぐらい前、我が家の近所に蛇が出た。
友人が近くに住んでいるので、「今度見つけても殺さ無いでね。
日本人にとっては蛇を殺すのは、ここの人が猫殺すのを恐ろしがるぐらいに
やっては駄目な事なんだからね!」と釘を刺した事がある。
私がジャワ島に住んでいた時も、気がついたら大騒ぎになっていて
気がついたら蛇は殺されていた事があって
それをやった連中に大怒りした事がある。


このダヤック族の人たちのように、代々生きてきたのなら
そのあたりの森の生物もめったやたらに、人間が敵にはなら無い事を知っているから
家のそばでオランウータンがくつろいでいたりするんだろうな。
彼らのほうが敏感だから(いや、この当時のダヤック族も同じぐらい敏感だけど)
人間に敵愾心があるかないか何て事は、とうに見抜いているはずだものな。




この写真の子は、スマトラのオランウータンです。



日本で問題になっている、熊と人間の関係とか
そういう事を考えちゃうよね。



森が太古の森のように豊かなままであったなら
動物たちの食べ物は豊富だっただろう。
人間のように、必要以上のものを搾取し無い彼らも
森の中に食べ物がなくなったら、当然人間界の領域にも入ってくる。
それを、人間を襲ったからといって殺していても、何の解決にもなら無い。
ましてや、その森を奪っているのは人間界の輩がしている事だ。



人間界の愚かさを考えるたびに動物(自然界)と人間の共存こそは
これからの時代に必要な事だと思う。
いや、この人たちのように昔は出来ていたのだろう。
自然を畏怖する時代には、そう言う事が出来無いと生きていけなかったのだから。
では、自然との共存を考えなくても生きている私たちは
素晴らしい生き方をしているのだろうか?
必要のないものをどんどん作り出し、それを食べ、昔にはなかったような病になり
自分で自分の首を絞めるような、愚かな事をしている人間たちを見て


森の動物たちはどう思っているのだろう。
神々はどう思っているのだろう。




続く