前エントリ(”フルオンライン”がもたらす行動様式の変容)に、とっても興味深いコメントをいただきました!
そこで、思い出したことがあったので、また書いてみようと思います。
オンラインとオフラインって、全然性質が違うし、さらにいえばオンラインであってもzoom的な双方向がベースの会議ツールとYoutubeのような一方向の配信のツールでは、似ているようで違う、というのも、常々実感するところ。
(このへんは、ピラティスやりながら考えたこの記事を参照)
んで、ロジカルな情報交換とは違う、クリエイティブな場づくりも、デジタルの恩恵をうけて進化を遂げつつあると思います。
ぱっと私の周りでやってみた例をリストアップしてみると・・・
◆一緒の画面をみながら、参加者みんなでチャットでわいわい
ネットごしだと人間関係を作りにくいというのは書きましたが、逆にデジタルだからこその一体感の作り方もあるねーと実感したのがこれ。
YouTubeでライブストリーミング開催された、マリンバ奏者の 嶋崎雄斗 さんのおうちコンサート。
普通にしゃべってるときはきさくなお兄さんなのに、演奏が始まったらすごい!神!スティックが速すぎて見えない!!
・・・という感動を、見てる人みんなで、コメント欄で分かち合えます(笑)
特にクライマックスのコメント欄の流れる速さ!
時々、ちゃりん!と入る投げ銭とか。いいね!いいね!
昔あった(今でもある?)ニコニコ動画の進化版みたいな雰囲気ですね!
んでもって、これ、会議ツールを使うと、一般の研修やプレゼンテーションなどでも簡単に再現できるんですよ。
すんません、今手元でちゃかちゃかっと絵をつくったので伝わりにくいんですけど・・・
プレゼンターがプレゼンテーションしてるところに、
参加者が、気づいたことをチャットでわいわいがやがやコメント入れていくんですよ(心の目で見て!
これで、単なる会議もニコニコ動画に早変わりです。
Zoomとかだと、どうしても一度に1人しかしゃべらないのですが、チャットを使うと全員がフル参戦できるんですよね。
あと、わいがやコメントだけでなく、いたって真面目な使い道もあり。
研修関係だと、プレゼンテーション画面で講義、チャット画面で質問対応、というのが割とスタンダードですね。
受講生にとっても、声をあげるよりは、講義が流れている横でチャットで打ち込むほうが、抵抗感なくやりやすいですしね。
チャットだとセッション中は残るので見返せるし、ほかの受講生にもシェアされますし。
◆画像や動画、検索エンジンとの連携
リアル会議室で、ホワイトボードを前にアイディアをとりまとめるようなイメージで、最近は、クラウド型のホワイトボードも出てきてますね。
グループでアイディアを出し合ってまとめるには、こういうものがあるといいですね。
例えば、こんな感じです
ふせんをぺたぺたはったり、スタイラスペンで書き込んだりと、物理ホワイトボードのような使い方もできるほか、Googleの画像検索とも連携しているので、ネットからイメージを引っ張ってくる、という使い方もできる。
実は、ふせんをみんなで貼っていくだけなら、クラウド版のスライドアプリを使うと似たようなことはできるんですが(そして性能もずっと高い)、一番キモなのは、オブジェクト貼り付けがGoogle画像検索と紐づいているところなんじゃないかと思っています。
たとえば↑うえで使ってるイメージはこんな感じで引っ張ってきました。
Google画像検索から、「コンビニ」で検索し、上がってきたイメージから一枚えらんでペタっと貼り付け。
↑の絵は、Googleに入ってるJamboardでさらさらっと書きましたが、さらに高性能なクラウドホワイトボードもありますね。
Miroだと、タイマーが使えたり、オブジェクト間にリンクをはって直接飛ばすということまでできるので、さらに高度な思考拡散ツールとして使えるようになってきます。
ネットとの連携によって、アナログとは全く違うツールが誕生した瞬間です。
生身の人間が頭を寄せ合ってアイディア出しあうのと、どちらが優れているという話ではないです。
アナログにしかできないこと、デジタルにしかできないこと。
どっちもあって、使い分けが重要。
そして、今は奇跡的に、全世界的に、半ば強制的に、オンラインツールのブートキャンプ大開催中 ではありませんか!
こういうコミュニケーションツールは、関係者みんなが使いこなせてナンボですが、全方面の人々が否応なく練度を上げていってる真っ最中。
単純に手持ちの武器が増えたと思って、私は割とポジティブにとらえています。
◆とはいえ、あくまで言語とロジックに比重
いかんせんデジタルの強みで、ネットとつながっているし、ネット経由なら無制限に何百人でも何万人ともつながれるので、自分にないアイディアや意見、自分には書けないイラストなんかとも一瞬でつながれる。
絶対にアナログなコミュニケーションでは生まれない広がりがありますね。
ただ、拡散にも使えるとはいえ、一つのテーマから一気に広げていくことは得意だけど、まったく無関係なところには不思議と話が飛んでいかないんですよ。
やっぱり、オフラインの場は、言語だけじゃない、身振り手振りや口調声色、態度など、五感を駆使してコミュニケーションをしていて、言語以外の要素も含めて五感総動員で場を揺さぶっているのだなー
オンラインだと、言語以外の要素が大幅にそぎ落とされて、逆に言語で表現される中身にフォーカスされやすくなるんだなと実感します。
----------------
<おまけ:脳みその隙間をどう埋めるのか?>
ちょっと拡散型クリエイティブというテーマから、オンラインでの学習に戻ってしまいますが。
オンラインだと情報がそぎ落とされるという点から、別の問題もあって、特に研修をやってる身としてわりと切実なのは、オンラインだと伝わる情報が少ない分、逆に人間の認知に隙間が空いてしまうといいますか・・・
入ってくる情報が少なすぎて、逆に脳みそに余裕が出すぎて気が散るという面もあるように思っています。
というのも、人間のしゃべるスピードってだいたい1分間に100~150語だけど、理解のスピードって200~300語分くらいあるらしいんです。
単純に、インプットされる量と実際に処理できる量が、1.5倍から2倍近く違う。
実際、Youtubeを見るときは、わたくし1.7~2倍くらいで回すのがちょうど心地いいですもん(ただしエクササイズを除く!)
等倍だと、逆にまだるっこしくないですか?
で、
まだるっこしいと内職したくなってくる
これ、配信型であれば早回しすればすむんですけど、Zoomとかの会議型だと、どうしても人間のしゃべるスピードを超えられない。
例えばテレビなんかは別に早回ししてないわけですが、それじゃーこれまでどうしてたんだろう?と最近じっくり観察して気づいたんですが、テレビってかなり言語以外の情報が多いのね。
テロップが代表的ですが、それ以外にも効果音とかゲストのリアクションとか、いちいちちゃんと入ってて、1のコンテンツを5とか10くらいの情報量に膨らましてるのね。
あーだから、見てる最中によそに気が散らなかったのかー
よくできてるなー
これについては、まだ効果的なソリューションを持っているわけではないですが、「入ってくる情報と実際の脳みそのキャパの差=内職したくなりやすさ」なのであれば、
1)届ける情報量を、言語以外の要素も動員してキャパを埋める(テレビ型)
2)インプット以外のことも同時並行でやらせてキャパを埋める(聞きながらなにかする)
・・・という両面から、集中力を引き出すソリューションが考えられると思っています。
まだ1)については映像の作りこみを伴うのでわたくし個人の技術が追い付いてないんですが、たとえば2)のほうであれば、最初に書いた、”スピーカーの話を聞きながらチャットルームでアウトプットする”、というのがまさに典型的だと思います。
学生の授業だったら、動画の解説を聞きながらノートをとる、問題を解く、というのもそれに該当するでしょう。
、「聞きながら何かをしてもらう」ことで、100%の集中を引き出す、というほうがとっかかりとしてはやりやすそうなので、そこは意識して設計してみたいと思いますね。
またなんか思いついたら書きます!