家族に尽くした1年 その19 助けて~!事件 | hachiのブログ…from time to time

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その日は 

15時からのケアマネさんの面談に実家に行く前に

診療所にリハビリ入院のための紹介状をもらいに行き

靴の件で デイサービスに行く予定で

13時にバイトさんに来てもらい出発しました。

 

ケアマネさんは もしリハビリ入院がダメだった場合に備えて 今後のこともあるし

一度ショートステイとの面談をしておきましょうと ショートステイの方も一緒に来てくださるとの連絡をもらっていました。

 

店から実家までは車で15分ほど。デイサービスと診療所も実家の近くにあります。

まず 薬局に寄って 母に頼まれた軟膏と絆創膏を買って

次は デイサービスに行こうと車を走らせていたら

リハビリ病院の理学療法士さんから電話が鳴りました。

 

これは 長引く話になると思い 車を路肩に停めて 電話に出ました。

 

「院長や担当医 地域連携室とも何度も協議を重ね

診療所の先生にも ご協力を頂いたのですが やはりお母さまは急性期ではないので

今の紹介状の内容では 入院条件を満たすことはできません。

それと今 満床でして その調整も必要なのでお待ちいただくことになります。

今 お母さまの状況は リハビリが必要で 入院の必要性や効果も十分理解していて

それが最良の選択であることも理解していまして なんとか出来ないものかと 協議をしていますので もう少しお時間ください。」とのことでした。

 

どう書き直したら良いのかアドバイスを頂き ちょうど今から行くので良かったと思い

診療所に連絡し まずは デイサービスに向かってアクセルを踏んだとたんに

母から電話が鳴りました。

 

 慌ててブレーキをかけて出ると

hachi 助けて!!」との母の叫び声

 

「お母さん どうしたの?」と言っても 母は返事をせず

hachi 助けて~!、hachi 助けて~!、hachi 助けて~!、hachi 助けて~!、

hachi 助けて~!、hachi 助けて~!、」と連呼します。

 

私は怖くなって 何度も 「どうしたの?ちょっと黙って話を聞いて どうしたの?」と言いますが 

hachi 助けて~!、hachi 助けて~!、hachi 助けて~!、hachi 助けて~!、

hachi 助けて~!、hachi 助けて~!、」と叫び続けます。

 

パニックを起こしていて 聞く耳が持てないのだとわかったので

「今 すぐ近所に居てて 家まで10分で行けるから 心配しないで待ってて」と言ったのですが 

hachi 助けて~!、hachi 助けて~!、hachi 助けて~!、hachi 助けて~!、

hachi 助けて~!、hachi 助けて~!、」しか返ってきません。

 

この叫び声を聞きながら運転すると事故を起こしそうなので

「お母さん あと10分で行けるからね 運転するから切るよ」と言って電話を切り

アクセルを踏みましたが

すぐ電話がなり

hachi 助けて~!、hachi 助けて~!、hachi 助けて~!、hachi 助けて~!、

hachi 助けて~!、hachi 助けて~!、

 

怖くなって 訪問看護さんも駆けつけてもらわなくてはと思うのですが

それよりまず 行く方が早いし 看護師さんに電話したくて切っても

母が間髪入れずに掛けてきて

hachi 助けて~!、hachi 助けて~!、hachi 助けて~!、hachi 助けて~!、

hachi 助けて~!、hachi 助けて~!、

どうしようもありません。

 

切っても掛かってくるので

(こっちの話は聞いてないのに 切ったらわかるようで すぐに掛かってくる)

出ないとまた不安になると諦めて 事故をしないように気を付けながらも

hachi 助けて~!、hachi 助けて~!、hachi 助けて~!、hachi 助けて~!、

hachi 助けて~!、hachi 助けて~!、」をBGMにして 実家まで運転しました。

 

実家につくまでの10分くらい 母は

hachi 助けて~!」2語を叫び続けました。

実家に着くと 玄関は施錠されていました。

いつもは 玄関の横の台所にいるのに 居ません。

どこにいるかと思ったら 一番奥の寝室のドアが閉まっていて そこから叫び声が聞こえました。

 

慌てて開けると 中は真っ暗でムっとする暑さでした。

見るとベッドの横の床にへたり込んでいました。

 

電気をつけて 母を抱き上げると 全身汗でびっしょりになっていました。

ベットに座らせて 置いてあったお茶を飲ませて落ち着かせて見ると

特に体には異常はなさそうで 聞くと

「ケアマネさんが来る前に ちょっとお昼寝しようと寝室に来たのよ。

ドアを閉めたら真っ暗になって びっくりして転んでしまったのよ。

電話を首から下げてたから 電話したの」と

 

その日の午前中はヘルパーさんの日で

ヘルパーさんは 毎回寝室の雨戸を開けて換気をして掃除を掛けてくれます。

そのあと雨戸を閉めるのですが 母の寝室の照明は 常に真っ暗にならないように豆電球がつくようにしてあるのですが その日に限って それが消えてました。

 

母は ドアを閉めて豆電球の明かりで ベッドまで進むのですが

消えていたので 閉めたとたんに真っ暗になったことで驚いてしまったとのことでした。

 

「それは怖かったよね。もう大丈夫だからね。でもどうして私の声を聞かないの?

何度も もうすぐ着くから大丈夫って言ってたでしょ?」

「だってあなたの声は聞こえないのよ」というので どうやら 携帯を耳に当てるという行為を忘れていたようでした。

 

「いつも電話でしゃべってるでしょ?ほら」と母の携帯を鳴らすと

普通に着信のボタンを押して

「もしもし~」っと耳に当てたました。

 

その様子が 「ほら 私は出来るわよ」と得意げな顔をするので

あまりにも心配した反動で 無事であることが分かった瞬間

いつもみたいにとぼけた様に話す母に腹が立ち始め 私の怒りが爆発してしまいました。

 

「なんで電話してきたのに こっちの話を聞かないのよ!

 私は何度もすぐ着くから落ち着いてって言ってたでしょう!!

 怖かったのはわかるけど この部屋の温度は30度超えてるよ!お母さん 叫び続けたから汗だくになってるし 私がもう少し来るのが遅れたら 熱中症になってるよ!!

今日はここに向かってたから10分で来れたけどね、もし仕事で大阪市内に居たら どんなに急いでも1時間はかかるし そうだったらお母さん あんなに叫んだら 死んでたよ!」と

憔悴しきってる母に向かって 罵倒してしまいました。

 

心配したし 怖かったし でも腹が立ったしで 私も泣きながら母を罵倒していて

そんな自分が情けないし 悲しくなりました。

 

母は「ごめんね ごめんね」というし

怖かったのは母なのに 謝らせてる娘ってどうなんだと 自己嫌悪。

 

その時 インターフォンが鳴りました。

ケアマネさんと ショートステイの方で

玄関に出て 思わずケアマネさんに 今の出来事をまくしたててしまいました。

 

ケアマネさんは いつものように冷静に落ち着いて

「それは大変でしたね、でM子さんは?」と奥に入っていかれて

母に「M子さん びっくりしたわねえ~怖かったわね 大丈夫?」

と優しく話しかけてくれて リビングの母の椅子に座らせてくれました。

 

そして母が落ち着くまで待って

「ここのところずっと大変ですよね。

お父さんお亡くなりになってから ずっと頑張られてますものね。

でもね ちょっと休憩もしないとね。今日はショートステイの方も一緒に来てますから

お話ししましょうね」と ショートステイの方を紹介してくださいました。

 

とりあえず契約しておくと 必要になった時に いつでも入所できることを聞いて

契約をすることになりました。

 

契約を済ませ 母が落ち着いたのを確認して 仕事に戻りました。

この事件があったので 

障がい者の母が 一人で暮らすのは おそらくもう限界なんだろうと考えるようになりました。

 

母も限界だし 私も限界

 

その週末 まだリハビリ病院からの返事は来ませんでしたが

ケアマネさんが 母の様子を見に行ってくれて 

「M子さん 弱っておられたので 『リハビリ病院が決まるまで

しばらくショートステイで ゆっくりしませんか?』とお話したら 「そうしたい」とお返事いただいきました。

ショートの方で調整しましたので 週明けに入所できます。いいかがでしょうか?」と連絡がありました。

 

なかなか娘の立場では 「もう無理だからショートに行こう」とは言い出せなかったので

ケアマネさんの配慮がとても有難かったです。

 

ケアマネさんは すぐにヘルパーさんに連絡を取り

ショートの入所の持ち物の準備を母と一緒にするように手配してくれて

あっという間に 母のショート入所が決定しました。

 

入所の前夜 母の荷物の確認を兼ねて 仕事の後 実家に行き

母と夕食を食べながら話をしました。

 

母には申し訳なくて

「ごめんね 私がもっと一緒に居てあげられたら 家に居ることが出来たのに」というと

母は

「あなたはまだまだ現役だからね。会社もあるのだから 仕事しなくちゃね。

私は ちょっと疲れたから しばらくショートでゆっくりさせてもらうね。

そのあと元気になったらリハビリを頑張るからね。あなたはエリカ(娘)のことと仕事をちゃんとやりなさいね」と言ってくれました。

 

その時の母は 脳出血になる前の しっかりしていて優しい母の顔をしていました。

 

翌朝 ショートの方がお迎えに来てくれて

母は家の中から車いすに乗って 車いすごと スタッフさんに抱えられて

ショートに出発していきました。

 

お仏壇の父に 母の面倒を見続けることが出来なかったことを謝り

でも 出来る限りのことはやるからねと約束して 誰も居なくなった家の鍵を閉めて

店に出勤しました。

 

その20

家族に尽くした1年 その20 どこでリハビリするか | hachiのブログ…from time to time (ameblo.jp)

に続きます。