☆鍵っ子☆  | ほんま...ノイローゼになるわ。



 うちの両親は共稼ぎだったので、当然小学生のころから俺たち兄弟(姉・妹)3人は、

いわゆる鍵っ子であった。

しかし、まぁ普段の生活の中では、皆がそれぞれ学校や習い事に追われてバタバタ忙しく

していたので、鍵っ子だからと言ってさみしいだとか、不便に思うだとか、そういう事は

たいして感じる事もなく毎日暮らしていた。

しかし、夏休みや冬休み、春休みなどの長期の休みになると、朝早くに両親だけが仕事に

出かけ、その後は「子供だけの世界」になるのである。

3歳上の姉は小学校時代からがっつり バレーボールをやっていて夏休みなんかも

ほとんど練習に行ってて家におらず、結局、家で留守番しているのは いつも1歳下の妹と

俺の2人である事が多かった。



2人とも、その頃小学校低学年・・・・・

最初は、いつもうるさくガミガミ言う親がいない解放感から、2人ともテンションが上がり

普段やったら怒られるような事を、あえてやるのである。

最初はテレビを見ながら飯を食うぐらいの事なのだが、だんだんエスカレートしてきて

テレビのある部屋で、じゅうたんの上に母親が用意していった昼飯を地べたに全部並べて、

ピクニック気分
で食ってみたり、


テーブルでは食うものの椅子には座らず、立食パーティ風にウロウロしながら食ったり、 

(普段、親の前でやったらブッ飛ばされるのである)



サザエさんの波平に憧れて
わざわざ風呂にお湯をため、浮かべた木のお盆の上に

冷たいお茶とご飯を置いて食べたりと、結構、エンジョイしていたのである。


しかし、楽しい事ばかりではない。

掃除、洗濯物の取り込みやたたみ、洗い物、それに宿題、夕方からは習い事・・・・・

結構 忙しいのである。





ところで皆さんは、夏休みの正午くらいにテレビでやっていた


「あなたの知らない世界」


 


という番組を覚えてますか?   ウィキペディア 「あなたの知らない世界」



視聴者の霊体験を再現フイルムで紹介したり、心霊写真を紹介したりする番組である。


当時、妹とふざけて、カーテンを閉めて部屋を暗くして見ていたのだが、

思いのほか怖すぎて、2人で恐れおののくのである。

その日から一人で風呂に入る事も寝る事も、地獄のように怖くなるのである。

風呂で頭を洗いシャンプーを流している時に、目の前に亡霊がいてるような気がして

死にそうに怖いのである。

そう思った俺は、妹が一人で風呂に入ってシャンプーを流してるタイミングで・・・

そっと扉を少し開け・・・



手を伸ばして、妹の肩を 「トントン!」












「ぎゃあ~~~~~~
  ~~~~~~!!」
 



それを見て、俺は「うひゃひゃひゃひゃ~~~(泣)」 と、腹を抱えて笑っていた。



そして自分が風呂に入る時は、死ぬほど怖いので、ラジカセを扉のすぐ外に置いて

お気に入りの歌謡曲をかけて「怖くない怖くない!」と、自分に言い聞かせながらそそくさと

入るのである。

しかしどういう訳か、音楽が急に止まり、風呂の外の洗面所の電気が消えている。

俺は扉を少し開け、すぐ外に置いてあるラジカセに手を伸ばした瞬間、



「バッ!」
と妹が暗がりから出てきて俺の手をつかむのである。












「ぎゃあ~~~~~~
 ~~~~~!!(泣)」





もう気絶しそうなくらい恐れおののいた俺を見ながら、

まだ小学1年生くらいの普段、純粋無垢で天使のような妹が、ほくそ笑みながら

足早に去っていく後ろ姿を見て、


その後 俺の方から 「お互いビビらせるのはやめよう。」 


と話を持ちかけたのである。うぅぅ・・・




そんなある日の出来事である・・・・



当時、俺は暇さえあれば

木の柱にもたれて立ち
 




じわじわ足を前にずらしていき、





 いずれ前に勢いよく滑り、尻もちをド~ンと つく。
 

・・・・・というあんぽんたん丸出しのなぞの行動をよく行っていた。

いかにも、小学2~3年が喜んでするような行動であるのだが、


ある日、風呂上がりの俺は、パンツ1丁のカッコで この遊びを繰り返していた。

・・・・・と、その時である。




「ぎゃあ~~~~~~~!!(泣)」

俺の尋常ではない悲鳴が妹と二人きりの家に響き渡った。



 
 


急いで駆け寄ってきた妹は、「なんなん???」 っていう感じで のたうちまわる俺を見ていた。





実は、この時 木の柱が一部、結構大きめにささくれていたのである。
 
 そのささくれは、俺の背中に突き刺さり出て入って出て、恐ろしい状態になったのである。



それを小一の妹は、目の当たりにして



 
 
 「ぎゃあ~~~~~~
  ~~~~~~!!」







俺も、痛いし背中に何が起こったのか解らず、


「ぎゃあ~~~~~~
  ~~~~~~!!」

「ぎゃあ~~~~~~
  ~~~~~~!!」

「ぎゃあ~~~~~~
  ~~~~~~!!」

「ぎゃあ~~~~~~
  ~~~~~~!!」

「ぎゃあ~~~~~~
  ~~~~~~!!」

やがて、母親が帰って来て、「なにしてんねん!!アホ!!
と、怒鳴りながら 俺の背中に突き刺さった長さ40センチほどのささくれを引き抜き
傷口に赤チンを塗って、この事件は幕を閉じたのである。
幸いささくれの入る角度が浅かったので表面を縫ったように刺さったが、
ヘタしたら内臓いってたかもしれないのである。
・・・・・・・・・・・・っていうか、今考えたら 
普通病院に連れて行かんか?って思うのである。
お、おそらく母親も、忙しかったのであろう。 うぅぅ・・・
今でもその傷跡は俺の背中にのこって・・・・・・・・・・・・・・・ない。
きれいに治ったのである。

妹は、未だに 当時の光景が脳裏に焼き付いているのである。

俺は、自分の背中なので、見れないので 脳裏に焼き付いていないのである。




俺の脳裏に焼き付いているのは、俺をおどろかし、ほくそ笑んで足早に去っていく

当時の妹の後姿である。

結構 恐ろしい性格なのである。