ケン太「先生、さっそく始めようよ」
諏訪「そうだな。 今回は、『織田家と木瓜紋』というテーマでやろう」
神崎「お願いします」
…
諏訪「さて、織田家の家紋についてだが…」
神崎「えぇっと… 織田家の家紋は確か『木瓜紋』以外にも、『永楽銭』や『揚羽蝶』などが代表的ですよね?」
諏訪「代表的も何も… 信長以前の織田家は『木瓜紋』しか使ってない」
神崎「そもそもの織田の家紋は、『木瓜紋』のみなんですね」
ケン太「ボク、知ってるよ! 確か織田家の『木瓜紋』って、朝倉家から娘が嫁いできた際に、家紋も貰ったんだよね?」
諏訪「バーカバーカバーカバーカ! まだそんな寝言信じてる奴がいたのか。 だからお前はダメなんだよ」
ケン太「………グスッ」
神崎「ちょっと先生! 言い過ぎですよ!」
諏訪「いや、最近ちょっと調子に乗ってるから…」
神崎「それにしても可哀想です! …なんですか子供相手に!!」
諏訪「………グスッ」
ケン太「や~い、怒られた! バーカバーカバーカバーカ!」
神崎「なんですかケン太君も!!」
……
諏訪「ちょっと最近、ネタに走り過ぎてるな」
ケン太「無駄な紙面使わずに、さっさと行こうよ」
神崎「えっと、…先生はケン太君の言ってた『木瓜紋は朝倉から貰った』説を否定してましたが…」
ケン太「何か根拠はあるの?」
諏訪「うん、実は織田家の氏神を祀る【織田劒神社】の神紋が『木瓜紋』なんだ」
神崎「神紋?」
諏訪「神紋とは、神社の家紋の事だよ」
ケン太「織田家は、氏神を祀る神社から『木瓜紋』を貰ったの?」
諏訪「そう。 家紋とはこのように、氏神を祀る神社の神紋から貰うケースもあったんだ」
神崎「なるほど。 朝倉から貰ったという話は、『木瓜紋』という家紋の種類が同じである事をいい事に、後の時代の因縁から逆算した作り話だと…」
諏訪「ま、そういう事だ」
諏訪「さて…織田剱神社では『素盞鳴大神』を祀って…」
ケン太「え? 今、誰を祀って…って言った?」
諏訪「『須佐乃男命』だ」
神崎「さっきと字が違いますよ!」
諏訪「要は『スサノオノミコト』だ」
ケン太「最初からそう言ってよ」
諏訪「話を続ける。 実はスサノオを祀っている神社では、多くが『木瓜紋』を神紋としているという共通点がある」
神崎「は~、そうなんですか」
諏訪「うん。 例えば太田牛一の『信長公記』でも、信長が小さい頃に那古屋城から勉強に通っていた天王坊という寺は…」
ケン太「先生、寺の話じゃないでしょ。 今は神社の話」
諏訪「この寺は、神仏習合の寺で『那古野神社』という神社でもあるんだ」
神崎「そんな神社があるんですね」
諏訪「ちなみに、JR名古屋駅の近くに『那古野町』という町があるんだが…」
神崎「うん?」
諏訪「この町は【なごのちょう】と読む為、名古屋に住んでいる人は、タクシーの運ちゃんすら『那古野神社』を【なごのじんじゃ】と誤読する」
ケン太「へ~…」
諏訪「その為、『名古屋市史』という官製本では、難しい読み方にしかルビを振っていないのに、『那古野神社』にもきっちり【なごやじんじゃ】と振っていたりもするんだ」
神崎「あの…話が脇道に…」
諏訪「そうだったな。 実はこの那古野神社もスサノオを祀っていて、やはり神紋は『木瓜紋』だったりする」
ケン太「へ~、信長絡みでもそんなにあるんだ」
諏訪「まだある。 信長の祖父の代に治め始めた津島にも、尾張津島社(津島神社)が存在していて…」
神崎「そこも、スサノオを祀っているんですか?」
諏訪「津島社は、牛頭天王信仰の中心地でね。 中世では直にスサノオを祀っておらず、スサノオの化身とされる牛頭天王を祀っていた」
ケン太「…津島社の神紋は?」
諏訪「もちろん、木瓜紋だ」
神崎「…なんでスサノオを祀ってる神社が、『木瓜紋』を神紋としているんですか?」
諏訪「それは、次回以降の話としよう。 今回はここまで」
2人「ありがとうございました~」
~続~
諏訪「そうだな。 今回は、『織田家と木瓜紋』というテーマでやろう」
神崎「お願いします」
…
諏訪「さて、織田家の家紋についてだが…」
神崎「えぇっと… 織田家の家紋は確か『木瓜紋』以外にも、『永楽銭』や『揚羽蝶』などが代表的ですよね?」
諏訪「代表的も何も… 信長以前の織田家は『木瓜紋』しか使ってない」
神崎「そもそもの織田の家紋は、『木瓜紋』のみなんですね」
ケン太「ボク、知ってるよ! 確か織田家の『木瓜紋』って、朝倉家から娘が嫁いできた際に、家紋も貰ったんだよね?」
諏訪「バーカバーカバーカバーカ! まだそんな寝言信じてる奴がいたのか。 だからお前はダメなんだよ」
ケン太「………グスッ」
神崎「ちょっと先生! 言い過ぎですよ!」
諏訪「いや、最近ちょっと調子に乗ってるから…」
神崎「それにしても可哀想です! …なんですか子供相手に!!」
諏訪「………グスッ」
ケン太「や~い、怒られた! バーカバーカバーカバーカ!」
神崎「なんですかケン太君も!!」
……
諏訪「ちょっと最近、ネタに走り過ぎてるな」
ケン太「無駄な紙面使わずに、さっさと行こうよ」
神崎「えっと、…先生はケン太君の言ってた『木瓜紋は朝倉から貰った』説を否定してましたが…」
ケン太「何か根拠はあるの?」
諏訪「うん、実は織田家の氏神を祀る【織田劒神社】の神紋が『木瓜紋』なんだ」
神崎「神紋?」
諏訪「神紋とは、神社の家紋の事だよ」
ケン太「織田家は、氏神を祀る神社から『木瓜紋』を貰ったの?」
諏訪「そう。 家紋とはこのように、氏神を祀る神社の神紋から貰うケースもあったんだ」
神崎「なるほど。 朝倉から貰ったという話は、『木瓜紋』という家紋の種類が同じである事をいい事に、後の時代の因縁から逆算した作り話だと…」
諏訪「ま、そういう事だ」
諏訪「さて…織田剱神社では『素盞鳴大神』を祀って…」
ケン太「え? 今、誰を祀って…って言った?」
諏訪「『須佐乃男命』だ」
神崎「さっきと字が違いますよ!」
諏訪「要は『スサノオノミコト』だ」
ケン太「最初からそう言ってよ」
諏訪「話を続ける。 実はスサノオを祀っている神社では、多くが『木瓜紋』を神紋としているという共通点がある」
神崎「は~、そうなんですか」
諏訪「うん。 例えば太田牛一の『信長公記』でも、信長が小さい頃に那古屋城から勉強に通っていた天王坊という寺は…」
ケン太「先生、寺の話じゃないでしょ。 今は神社の話」
諏訪「この寺は、神仏習合の寺で『那古野神社』という神社でもあるんだ」
神崎「そんな神社があるんですね」
諏訪「ちなみに、JR名古屋駅の近くに『那古野町』という町があるんだが…」
神崎「うん?」
諏訪「この町は【なごのちょう】と読む為、名古屋に住んでいる人は、タクシーの運ちゃんすら『那古野神社』を【なごのじんじゃ】と誤読する」
ケン太「へ~…」
諏訪「その為、『名古屋市史』という官製本では、難しい読み方にしかルビを振っていないのに、『那古野神社』にもきっちり【なごやじんじゃ】と振っていたりもするんだ」
神崎「あの…話が脇道に…」
諏訪「そうだったな。 実はこの那古野神社もスサノオを祀っていて、やはり神紋は『木瓜紋』だったりする」
ケン太「へ~、信長絡みでもそんなにあるんだ」
諏訪「まだある。 信長の祖父の代に治め始めた津島にも、尾張津島社(津島神社)が存在していて…」
神崎「そこも、スサノオを祀っているんですか?」
諏訪「津島社は、牛頭天王信仰の中心地でね。 中世では直にスサノオを祀っておらず、スサノオの化身とされる牛頭天王を祀っていた」
ケン太「…津島社の神紋は?」
諏訪「もちろん、木瓜紋だ」
神崎「…なんでスサノオを祀ってる神社が、『木瓜紋』を神紋としているんですか?」
諏訪「それは、次回以降の話としよう。 今回はここまで」
2人「ありがとうございました~」
~続~