仕事柄、何気ない会話で使う表現でも、すごく気になると、しばらく頭から離れなくなります。
最近は、「さすがに」が気になるようになりました。
「さすがに」は、様々な使い方がありますが、例えばこういう言い方です。
「・・・さすがにそれは無理だろう」
・・この「さすがに」を別の言葉で言いかえると何になるだろう?
「さすがに、ってどんな意味?」と聞かれたら、なんと説明すればよいだろう・・・?
翻訳では、こういう何気なく使っている言葉を訳すのが意外に難しかったりします。
そこで、この機会に少しまとめてみることにしました。
もしあなたが気になっているなら、少しお付き合いください(^^)
「さすがに」の辞書での意味
『広辞苑』には、「さすがに」について、次のようなことが書かれています。
・そうは思うもののやはり
・それとは違うものがあったり、反対の気持ちが残ったりすること
・そうではあるが
『広辞苑(第4版)』岩波書店
「Goo辞書」では、次のように書かれています。
あることを認めはするが、特定の条件下では、それと相反する感情を抱くさま。そうは言うものの。それはそうだが、やはり。
出典「Goo辞書」
「さすがに」の使用例
・味は良いが、これだけ多いとさすがに飽きる
・非はこちらにあるが、一方的に責められるとさすがに腹が立つ
出典「Goo辞書」
ほかにもこういう表現もできます。
・合格を祈るが、ほとんど勉強していないので、さすがに難しいだろう。
・改善してほしいとは思うが、さすがにそこまでは言えない。
・・・このように、「さすがに」は、「~だが」という逆接の意味の表現の後に続くことが多いです。
「さすがに」の英語表現
ここで述べている「さすがに」に近い例文を紹介します。
私は彼の切手が欲しくてたまらなかったが、さすがに、「くれ」とは言えなかった
Though I wanted his stamps badly, still I was not bold enough to ask him to give them to me.
出典:「Goo辞書」
"though~"は「~だが」、"still"は「それでもなお」といった意味です。
ちなみに、「さすがに」には、上に書いた意味とは別に「期待していたとおり」「やっぱり」「なるほど」といった意味でも使われます。
例) さすがに訓練していただけのことはある。
この場合は、as expected(思ったとおり、期待したとおり)などの英訳のほうが合っていると思われます。
このような「さすがに」については、また別の機会に検討したいと思います。
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