スタッフDrのMです。SGIM紀、前編です。
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2015年4月にカナダのトロントで開催されてSGIMへ行ってまいりました。
※SGIM; Society of General Internal Medicine(米国総合内科学会)
日本で言うと、プライマリケア連合学会みたいな感じでしょうか。
そうすると、SHM(Society of Hospital Medicine)は病院総合診療医学会とか・・・。
一
度海外学会で発表をしてみたいと思っておりましたが、今年は、SHMが3月-4月をまたぐ(日本人の常勤医にとっては)困難な日程でしたので、SGIMへ
の参加を決めました。飯塚病院総合診療科では海外発表のための恵まれた環境が揃っていることが背中を押してくれました。
・海外発表を何度も経験したスタッフが居る
・病院に常勤しているネイティブの英語教師が複数名いる
・日本でも指折りのPeer Reviewerが居る(通称、文献ソムリエ)
・病院が結構お金を出してくれる
特に、英語教師は非常にありがたかったです。
日常会話レベルもままならない自分でしたが、簡単なディスカッションなら何とかなるレベルにまで、半年で引き上げてもらいました。
常勤の英語教師は二人いますが、一人は"Mr. Grammer"とあだ名される、文章添削などの経験豊富な英国の方です。もう一人は、日本語を含めた多くの言語を扱う、言語教師歴のあるフランクな米国の方で、楽しげな英語教室を開催してくれています。
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宿泊したホテルの前です。ダウンタウンですが、治安も良く非常に便利な街でした。会場までここから歩いて10分程度。
反対側。近くにイートンセンターという大きなショッピングモールのような施設があります。
その中に"Canadian Naturalist"というお土産屋がお勧めです。
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今回我々がポスターを出したのは、”Clinical Vignettes"と言う、簡単に言えば症例報告のセッションでした。
色々意見交換していた所、おおむね採択率は50%程度、症例報告は最近少し厳しくなってきているかもしれないとのことでした。
見て回って思いましたが、採用される症例は、
・決して稀で難解な症例が選ばれるわけではない
・Teaching Point(ここでは"Learning Objectives")が明確であることが必須
・いわゆる"Uncommon in Common"や"Common in Uncommon"な症例
であるものが多かった印象です。つまりは、
・「へー、珍しいね」で終わる症例はPoor
・「これ知らなかった。ぜひ誰かに教えたい」という症例がGood
・見た人が「お、それ頂き!」「明日から気をつけよう」と思うようなものがBest
地域の症例検討会や他流試合などで披露するような症例がマッチするのでは、と思います。
投稿に関しては、通常の学会のようにOnline投稿です。
全部英語で面倒だし、見落として間違うことも多くて泣きそうになります。
しかも、登録料で60ドルほど取られます(学会参加費はもちろん別で、その10倍・・・)。
登録無料、リジェクト皆無、参加費激安の国内学会とは違いますね・・・。
投稿のコツですが、
・投稿のためのTIPsは"SGIM vignette tips"とgoogleするとTIPsのPDFが転がっています。
・模範的な抄録は"SGIM vignette award finalist"とgoogleするとPDFが転がっています。
この二つは非常に参考になります。
とにかく推敲に推敲を重ね、複数名の人にチェックをしてもらうこと、他科の先生などへ見てもらっても意味が通じるかなどをすると良いと思います。
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会場のホテルの目の前にあった市庁舎(旧?)です。
良い趣でした。
会場からチャイナタウンへ向かう道すがら。
大都市のチャイナタウンの信頼感は甚だしいですね。
今回、Swatow Restaurantというお店に行きました。大当たり。
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トロント、いい街でした。物価が高い気がしましたが、日本がデフレなのかもしれません。
次回、発表などについてお話します。