「『仲良く分けて』は無責任!口頭だけの遺言で姉妹が一触即発に」 | 『闘う税理士の笑顔経営・笑顔相続・笑顔承継ブログ』

『闘う税理士の笑顔経営・笑顔相続・笑顔承継ブログ』

東京日本橋人形町の税理士のブログです。
 
『私の使命』
・中小企業の人とお金の問題を解決し中小企業を笑顔に!
・争族を無くし家族を笑顔に!

人生理念
『楽・優・厳』
・人生何事も楽しく!
・他人に優しく!
・仕事と自分には厳しく!

こんにちは、笑顔相続チャンネルです!
まだまだコロナの影響が続きますが、
今年こそは穏やかな一年になるように祈るばかりです。



 

 


さて、2021年1つ目の動画は対談!
2020年12月に発売された書籍
「これだけはやっちゃダメ! 相続対策の「御法度」事例集」にて
執筆いただいた相続診断士・吉田 史織さんをお迎えして、
実際にあった相続事例をご紹介していきたいと思います。

 

 


テーマは「『仲良く分けて』は無責任!口頭だけの遺言で姉妹が一触即発に」。
ヒヤッとするテーマですよね。早速確認していきましょう。


■口頭だけの遺言は後が大変!?




今回のケースは、「口頭だけの遺言」で
遺された家族が揉めてしまいそうになったという事例です。


亡くなったのは、姉妹の母親。父親はすでに亡くなっています。
相続人にあたるのが長女と次女。双方家庭を持っていました。
ここで浮かび上がる問題点がいくつかあります。



①母は「姉妹で仲良く分けて」が口癖。遺言書は無し。
②生前の介護等の面倒(金銭面含む)は次女が看ていた。
③長女は離れた所に住んでいて、母に会うのは年に1度ほど。
④生前、母は長女に「貯金をあげる」と話していた。
⑤姉妹それぞれに「貴金属はあげるから、好きなものを持っていきなさい」と言っていた。

ご覧の通り、前提としてあるのが「仲良く分けて」という部分。
もちろん亡くなった母親は心からそう思って話していたのでしょうが、
遺言書がなく口頭遺言であったがために、
円満な分配が難しいケースになってしまいました。



ここで姉妹それぞれの主張のなかで、差異があった部分を取りまとめてみます。



 

長女は
・「貯金をあげる」といっていたくらいだったので、
 それなりに現金をもっていたのでは?次女は恩恵を受けたんじゃないか?

次女は
・介護も大変だったし、母親の貯金だけでは足らなかったために
 自分の貯金からサポートしていた。


この部分の食い違いが主でした。
また、貴金属に関してはお互いがサファイアのブローチが欲しいと主張。
この状態で遺された財産を「仲良く分けて」というには無理がありますよね。



■大切なのは「伝える」こと





そこでとった方法が以下の3つです。
①お金の流れが分かる一覧表を作成
②不足・次女が負担した部分を可視化
③話し合いに参加、お互いの意見や想いを汲み取る
です。


たまたま次女さんはマメな性格で、今までかかった領収書等や
負担した部分をしっかり管理されていました。
そのおかげで、①と②を正確に作成、それをもとに長女と話し合うことができたのです。

話し合いの結果、以下の配分に決まりました。




この配分の仕方になった大きな理由は、長女が
「次女がこれだけ頑張ってくれていたんだ」という部分を理解してくれたことです。

集計の結果、次女が生前100万円ほど金銭のサポートをしていたことが判明。
また、自宅不動産を転売する際に手数料が50万円かかることがあらかじめ
分かっていたため、現金は150万円ずつ配分することになりました。
当初は「現金は全額長女へ」という話でしたので、長女側が次女の負担を理解し
思いやりを持って配分したことでこのような結果になりました。

さて、もう一つは「サファイアのブローチ」です。
当初は双方が欲しいといっていたこのブローチ、
どうして長女の手に渡ることになったのでしょうか?


それは相続にあたり、お仏壇を整理していた時に
亡くなった父親が母親に宛てた手紙が発見されたことがきっかけでした。
そこに書かれていた内容によると、
このブローチは長女を妊娠した母親に、父親が送ったものでした。

この手紙を発見したことによって事態は急展開。
ブローチは長女が持つべきだ、と次女も納得したのです。

それに、見つかった手紙はもう一つありました。
この手紙も、父親から母親に宛てたもの。
そこには、産まれてから身体の弱かった次女を心配した父親が
手彫りの仏像を彫っていた、と記されていました。
次女はブローチの代わりに、この仏像を持つことで納得。
今回のケースは、無事に相続を終わらせることができました。



■「仲良く分けて」は無責任




今回のケースは非常に稀な事例。
遺言書のない、介護や現金の負担があった場合の相続では
やはり大概のご家庭が揉める「争族」に発展してしまうことがほとんどです。

今回は、父親と母親の「考え方・在り方」が手紙を通じて姉妹に伝わったことで
無事に相続を終えることができました。

やはり、必要なのは「伝える」こと。
遺言書があれば、もっとスムーズに姉妹仲良く分けることができたのではないでしょうか?
遺言書を遺すことが難しいのであれば、エンディングノートを用意し
想いを書き残しておくことも非常に有効です。
何にせよ、「仲良く分けて」だけでは不十分。
「後のことは知りません」と言ってしまっているようなもの。
大切な家族が争う姿は見たくないですよね。


「これだけはやっちゃダメ! 相続対策の「御法度」事例集」では、
本当にあった相続トラブルや事例を事細かにご紹介。
一度手に取って、ぜひご覧くださいね。

 

 

 


笑顔相続チャンネルでも取り扱っていく予定ですので、
チャンネル登録もよろしくお願いいたします!