神田昌典さん「生きる」というシナリオ | NO INTERVIEW, NO LIFE.

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Interviewr Yohei hayakawa's Blog
(インタビュアー早川洋平の取材ノート)

インタビューの醍醐味は、相手の本音を引き出すことにある。
そして、心の内を明かしてくれた相手の人生にも、
リスナーや読者の人生にも、
少しでもプラスになったなら、
そんな思いからインタビュアーを続けてきた。

超大物と言われる人、気むずかしい人、口が重い人……
1000人もインタビューしていると本当にさまざまな相手がいる。
でも、そうした「手強い」人が本音を語ってくれたときほど、うれしいことはない。
そんな時、いつも僕は思わず心の中でガッツボーズをしてしまう。


けれど心の内をさらけだしてもらっても、どうしてもガッツボーズが出ないこともある。
今回は、まさにそんなインタビューだった。


「人生を変える一冊」112人目のゲストで登場いただいたのは、
経営コンサルタントで株式会社ALMACREATIONS代表取締役の
神田昌典さん。(http://www.kandamasanori.com/
『全脳思考』『口コミ伝染病』など累計200万部超の著書を持つ人気著者でもある。
本メルマガ読者の多くもきっとご存じのことだと思う。
聞聴道(もんちょうどう)~著者インタビューとポッドキャスト配信の職人 キクタス早川洋平のブログ~


そんな神田さんを前にした僕は、いつものようにワクワクとドキドキが混在するなか、
インタビュー開始。
最初の数分こそぎこちないやりとりが続いたが、
神田さんのリードもあって収録は円滑に進行していった。
彼の講演CDなどは数多く聴いてきたが、
そのよどみなく、魅力的な話はやはり健在だった。


収録から30分が経過した頃だっただろうか。
僕は「勝負」に出た。
インタビュアーである以上、取材相手が「まだ他メディアに語っていないこと」を引き出す「勝負」だ。


僕はキラークエスチョンをぶつけた。
「人生で一番辛かったことはどんなことでしたか?」

次の瞬間、それまで饒舌だった神田さんの口が少し重くなったように感じた。

想定外の答えを期待しつつも、
彼がこれまで著書で明かしてきた様々な経験を語ってくれるものと想定していた。

神田さんが口を開くまでのわずか1,2秒、僕はそんなことを考えていた。

次の瞬間、彼の口から出てきたのは、想定外の答えだった。

「それは僕にとっては痛い質問だね。でも正直に言います。
僕にとって辛いことは『現在進行中』なんです」

彼は昨年末、ある病であることを宣告された。
詳しくは、5月14日(土)配信の第2回インタビューに譲るが、
だれもが「死を意識」する病だ。

「『人生だれもが死ぬんだから、死ぬときは潔くいこう』と悟っていたつもりだった。
でもそう言えるのは健康だったからなんです。
いざ病におかされるとそんなことは言えなかった。
怖くなった。生きていたいと思った」


 突然の告白に、僕は声を失った。
「どこにも出ていない情報を引き出した!」と、
ガッツボーズが出るはずもない。

あ然とする僕を前に、彼は続けた。
「本当に辛いことがあったとき、直面するよりは、扉を閉めてしまった方が楽だとも思った」

でも神田さんは、闘病経験がある彼の恩師が、
『I will live.』という言葉で、困難を乗り越えたことを知った。
彼も「生きる気力」を持った。
「みなさんの応援もあって、僕はい苦境を乗り越えつつある」
と笑顔で神田さんは言った。

「僕がみなさんに伝えたいのは、どんな辛い状況でも『生きる』というシナリオは、
自分で書けるということ」

彼の力強い言葉に、僕は8年前うつだった自分を思い出した。
あの時、はじめて「死にたい」という人の気持ちが分かった。
街を歩いていると地面に心臓がくっつきそうで、
わけもなく涙があふれて止まらなかった。

どんなに休養しても、病院通いを続けても状況は改善されなかった。
でもある時、気づいた。この状況は医者や他の何かが改善してくれるわけじゃない。
自分で何とかするしかないと。
そこから何かにとりつかれるように続けてきたインタビュアー人生。
僕は完璧に病を乗り越えていた。

神田さんに比べたら、当時の僕なんて全然たいしたことはないだろう。
けれど、辛いからといって人生をあきらめるか。
それとも生きることを選択するか。
「決めるのは自分」という神田さんのメッセージには深い共感を覚えた。

そして「生きる」ための何かがあれば、人は生きられるということも。
僕にとってはそれがインタビュー。

神田さん。尊い、本当に尊いレッスンをありがとうございました。


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