サービスとホスピタリティの違い【高野登さん取材ノート】 | NO INTERVIEW, NO LIFE.

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(インタビュアー早川洋平の取材ノート)

サービスとホスピタリティ。

接客業に携わる人はもちろん、そうでない人も聞くであろうこれらの言葉。

意味が分かっているようなそうでもないような……
恥ずかしながら僕はそんな思いを抱いていた。

だから、彼へのインタビュー が決まったとき、
僕は真っ先にこの質問が思い浮かんだ。

「サービスとホスピタリティの違いは何ですか?」

9月末。キクタスの収録ブースに足を運んでくれた彼に、
僕は実際にその質問をぶつけていた。

「彼」とは、
ベストセラー『リッツ・カールトンが大切にする サービスを超える瞬間』 の著者、
高野登さん(人とホスピタリティ研究所代表)。


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常に人気ホテルランキング上位に顔を出し、
顧客の満足度も高いといわれるホテル「リッツ・カールトン」の
日本支社長を務めた、まさに「おもてなし」のプロフェッショナルだ。

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高野さんからどんな答えが返ってくるのか、
僕は胸の高鳴りを抑え切れなかった。

彼は柔和なほほえみとともに答えてくれた。

「何をするかがサービス、どう伝えるかがホスピタリティ。そう思っています」

たとえば……と高野さんはこんな具体例を挙げてくれた。

 
「早川さんが講演者だとします。演台にはたいてい、
ペットボトルとグラスが用意されていますよね。

そして早川さんは演台に上がる前に近くの椅子に座っている。

そんなとき、ホテルマンに

『ペットボトルのふたは取っておいた方がよろしいですか?』
『水は半分グラスに注いでおいた方がよろしいですか?』

こう聞かれたら、うれしくないですか?」


この状況で、「ペットボトルを用意するのがサービス」。
「それをどう相手にに届けるかがホスピタリティ」

と高野さんは語る。

「講演者自らが水を注いでいる姿は
あまりいいものではないな…と想像して提案する、
これがホスピタリティだと思うんです」

さすがは「ホテルマン生活の3分の2をリッツ・カールトンで送った」
という高野さん。実にわかりやすいエピソードだった。

このお話を聞いて、僕は宅配サービスを思い出した。

日頃みなさんも仕事やプライベートでさまざまな宅配サービスを
利用すると思うが僕は次の3社とかかわることが多い。

A社……言葉遣いがていねいで、服装・みだしなみも清潔。
      いつも宅配物をていねいに届けてくれる。
      コミュニケーションをはかるだけで気持ちがいい。
      料金は一番高い。

B社……宅配物はきちん届けてくれるがそれ以上でも以下でもない。
      料金も真ん中。

C社……時間通りに届かないことも珍しくない。
      言葉遣いも宅配物の扱いも乱暴。
      宅配物がたばこ臭かったことも……料金は安い。


残念ながら、自分に送られてくる宅配物のすべての
サービス業者を指定することはできない。

でも、あなたが「受け取る」としたらどの社の宅配便がいいだろうか?


僕は受け取るのはもちろん、送るのも迷わずA社を選ぶ。

どんなにC社が安くても、相手が嫌な思いをしてしまったら論外だからだ。

だからA社が高くてもA社を選ぶ。
相手のことを大切に思うなら、A社を選ぶ人は多いのではないだろうか。


人は安さや商品そのものだけでいつも選ぶわけじゃない。
大切なのはその「届け方」。そこにどれだけ魂を込められるか。

そんな当たり前だけど、忘れがちなことを
改めて痛感させられた。


高野さん、そして高野さんとのご縁を紡いでくださった
スターブランドの村尾隆介さん。本当にありがとうございました。
 
  ■前回の取材ノート(本田健さん)を読む


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聞聴道(もんちょうどう)~著者インタビューとポッドキャスト配信の職人 キクタス早川洋平のブログ~



今月のゲストは、上の記事でご登場いただいた高野登さん。

高野さんが定義するホスピタリティとは何か?

ホテルマンではなくても、私たちが感性を高めることの大切さを
わかりやすく丁寧にお話いただきました。

心にすっと響く言葉の数々は、毎日の生活の中で取り入れたいものばかりです。 

このインタビューがみなさんの「人生を変える」きっかけになれば幸いです。

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■インタビューとあわせて最新刊も一読することをおすすめします
 『リッツ・カールトン 一瞬で心が通う「言葉がけ」の習慣』

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