「どこが・・・」
「俺は マオには純粋無垢でいてもらいたかった。俺が知らない「恋」や「愛」を知って そのときにその人間にすべてを捧げれるように守っていた。俺みたいに汚れて欲しくなかったんだ。それが 俺の生きる「希望」であり「意味」だったからな」
「・・・・俺もだ。アキラには・・・」
「それはもういいだろうが。アキラはお前が好きだ。一目瞭然」
「・・・・・・っっ」
「マオは当時好きな奴はいなかった。アキラはいる。お前に恋するあまり お前と同じところまで落ちようとしている。俺たちみたいに・・・人を殺してもなにも感じない人間にしたいのか?」
「・・・・・・・・・」
綾人の言葉に 蒼夜は「正論だな・・・」と呟いた。
人をたくさん殺してきたが なんとも思わない。
そういうふうに教育されてきた。
だが 綾人がマオを守っていたように自分もアキラを守れば 少しは正常な人間になれるのだろうか、とも心の奥にはあった。