雲の上の世界 | 花の兎 雪の兎~オリジナルと2次元 2.5次元BL~

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日々のあれこれ、気ままに創作、なんでもありのブログかな?

 

「なに空ばかり見てるんだよ。どうせ雨で天の川は見えないのに」

 

 

窓のそばでゆっくりと佇んでいるマオに声をかけながら 俺はその隣に腰を下ろした。

 

今年の天候は最悪だ。

 

天の川が見れるところなんてあまりないだろう。

 

マオは ことん、と俺の肩に頭を乗せて それでも空を見上げている。

 

俺も視線を合わせて空を見るが 夜の上にどんよりとした雲。

 

隙間から月の光も見えない。

 

いったいなにを見ているのだろうと思っていると やっとマオは口を開いた。

 

 

「いまごろ織姫と彦星は年に一度のデートをしてるのかなって思って」

 

「なに言ってんだよ。雨だし」

 

 

「大ちゃんこそなにを言ってるんだよ。地上からは雲で空は見えなくても その雲の上には雲なんてないんだよ」

 

「・・・・・・だな」

 

 

「だから・・・デートしてるかな、と思ってさ」

 

「マオって想像力豊かだな」

 

 

俺もマオの頭に自分の頭をくっつける。

 

同じシャンプーの香りでも マオの髪の毛の香りは心が落ち着くのだ。

 

 

「でも 僕だったら一年に一回しか会えないのはムリ」

 

「・・・・・俺も・・・」

 

 

「仕事を休んで大ちゃんを取って ほとんど毎日一緒にいられる。これってすごく幸せだよねぇ・・・」

 

「そうだな」

 

 

ずっと雨が降り続けようと いつかは雲はなくなる。

 

そして 雲の向こうには 青空が広がり 夜空に星は輝く。

 

そんな「希望」に気づかせてくれるマオが愛しい。

 

 

「大ちゃん、みんなを笑顔にしてあげてね」

 

「なんだよ、それ・・・」

 

 

「舞台もブログも頑張ること。それがみんなの幸せになるんだよ」

 

「じゃあ、マオは俺を笑顔にしてくれる?」

 

 

そう聞くと「僕も大ちゃんといたらいつでも笑顔だよ」と マオは太陽のような笑顔になった。

 

 

早く皆様のもとに「日常」が戻りますように・・・

「There is always light behind the clouds.」

by ルイーザ・メイ・オルコット

 

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