家族の実話を基に、子が脚本を書いて演出し、実父も出演するという、とんでもない舞台作品「姿」で初めて出会った、ゆうめいという団体。
「姿」は、リアルと創りものの世界の行き来みたいなものが、スリリングだし、心地良くもあり、とても惹き付けられる舞台でした。
その時の衝撃的な観劇体験が忘れられなくて、今回の「ハートランド」は、実話を基にした物語ではなく“フィクション”ということだったけれど、どんな作品なのだろうと興味を持ち、見に行ってきました。
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「ハートランド」は、「姿」とは全然雰囲気の違う、抽象的な世界観の舞台でした。
観客の心にいろんな謎の種を植え付けて、そっと走り去っていくような後味。
途中、なんだか分からないけど生命力に溢れ、ぐっと心が震えるシーンもあり、
人間の危うさと誠実さを感じる不思議な作品でした。
劇中のあれって、どういう意味だったのだろう??
ロビーで販売されていた、池田さんが作られたという蛇口の指輪はあれ一体なに!?
一緒に観劇した知人と、劇場を出てから、長い時間かけて感想を話し合いました。
とても有意義な観劇でした。
問いが残り、対話が生まれ、見終わったあともずっと気になり続ける舞台。
アフタートークで、作者の池田亮さん、俳優の田中祐希さん、ゲストの玉田慎也さんのお話を聞けたのも良かったです。
また次の作品も見に行きたいです。