先日、仕事帰りの地下鉄の中でのこと
若いお母さんの怒鳴り声がしました
『ちゃんと座れって言ってんだろ』
そのすぐそばで
小さな男の子のぐずった声が・・・
『やだ~』
するとまたお母さんが
『ちゃんと座れや』
地下鉄の中は仕事帰りの人たちでけっこう混み合っていて
その怒鳴り声は車内に響き渡っています
『いうこと聞かない子は次の駅で降りろ』
ますます男の子は
『やだ~』と泣いています
そのうちに
『もうこんな子いらない、捨てる』
『いやだ~捨てたらいやだ~』
と泣いています
私(えぇ~っ、捨てるだなんて、そこまで言っちゃう・・・?)
もう地下鉄の中はシ~ンと静まり返り
緊迫してしまいました
混んでいたので、お母さんと子どもの姿は見えなくて
ただひたすら怒鳴り声だけが聞こえてきます
私は
(お母さん、ちょっとだけその子をだっこしてあげようよ
その子はきっとお母さんに甘えたいだけなんだよ)
そんな風に心の中で思いながらも
子どもに
『こんな子いらないから捨てる!』って言っちゃうのってひどくない??
なんて怒りもこみあげてきました
そうこうしているうちに
私が降りる駅になってしまいました
降り際にちらっとどんなお母さんなのか見てやろう!
そう思い、ドアが閉まる前に振り返ってその親子を見ました
若いお母さんでした
3歳くらいの男の子の横にベビーカーがあったので
その子の下に赤ちゃんもいたんですね
そのお母さんはとても疲れた顔をしていました
私が想像していた鬼のようなお母さんではなく
とっても疲れた顔をした若いお母さんでした
私はそのお母さんを責める気持ちはもうなくなっていました
『1時間だけお子さんを見ていますから
どうぞゆっくりお茶でも飲んできてください』
歩きながら、なぜかそんな言葉をかけている自分を妄想していました
こんな世の中で私があのお母さんにそんなことを言ったなら
絶対に不審者扱いされるだろうな・・・
私はとても恵まれていて
母が近くにいたから子育ても協力してもらえて
育児ノイローゼとか無縁だったけど
世の中には孤独に子育てをしていたり
辛い環境で子育てをしなくてはいけないお母さんたちが
まだまだいっぱいいるんだろうな~
そう思うと、あのお母さんに同情してしまいました
でも、『捨てる』だなんて2度と言わないでね
男の子はお母さんに甘えたいだけなんだよ
夜、眠る頃には
お母さんにギュッとしてもらえているといいな