「そういえば相葉くん最近リップ持ち歩いてないよな?」
ロケの休憩中、折り畳み式の簡易椅子に各々腰かけつつ、紙コップから湯気が立つコーヒーにふ~っふ~っと息を吹きかけていたら唐突に言われた。
「え?」
「そういえば。相葉くんっていえばリップだったのに・・・・」
小峠さんに続き、澤部も言った。
「あ・・・ああ・・・そういえばそうかも?」
他愛ない話。
淡々と会話がすすむ。
「つけなくなったんすか?」
「相葉くんって唇荒れやすいんだったよね? 体質変わったとか?」
「・・・・・体質は変わってない」
花粉症だってなかなか治らない。唇が荒れやすいのだって別にかわってな・・・い・・・?
そういえば最近そんなの気にしてないかも・・・。
「体質変わったんじゃないの? 自分で気がつかないだけで」
「なんで?」
「だって相葉くん唇荒れてないじゃん」
まぁ、そうかも。
今、言われるまで気がつかなかった。
「それどころかプルプルしてる。まさしく、キスしたくなるような唇じゃん」
小峠さん、ふざけてるのかと思いきや口調や表情は真面目なので、思わず身を引いた。
「キ、キモイ・・・言い方・・・・」
「ははっ、言いすぎか? いや言い過ぎってことはないと思うぞ」
そういうコマーシャルのオファーないの?と小峠さんが聞いてくる。
どんなコマーシャルだ、一体。
「・・・・・つけてはいるから。だからじゃないかな?」
そんなに掘り下げる話題でもないのに、とは思うけれど、とりあえず事実を述べてみる。
「な~んだ、手入ればっちりなんだ。まぁアイドルだもんな、ぬかりはないだろうよ」
相葉くんは見られてなんぼだもんなぁ、と笑う。
「けど常備リップしなくなったのは事実っすよね? なんかいいアイテムでも見つけたとか?」
澤部が不思議そうに聞いてきた。
「・・・・・・・・・・・まぁ・・・・」
最初は気にも留めていなかった会話の内容。
ここまで話が膨らんでくると、自分でも原因に思い当たる節を見つけていた。
「俺も荒れる時あるんだよな。相葉くんが今までの習慣をかえられるくらいなんじゃ相当なもん使ってんだろ、教えてよ?」
小峠さんは興味津々。
普段からいろんなことを喋っていると、こだわる人って感じの人だから気になるんだろうけど・・・・。
さすがにこれは・・・・。
「・・・・・・秘密」
「ええ~~~~~」
ふたりがなぜかブーイング。
もったいつけているわけじゃないんだけどな。
「使いこなせない」
事実を言う。
「なんじゃそりゃ」
「相性が何より大事なもんで」
これまた事実。
「なに、合わんと拒絶反応でも出るわけ?」
上手いこと言うな。たしかにそうとも言えるかも。
「・・・・・俺は一択だったからわかんないけど。合えば天国合わなきゃ地獄かな?」
そもそも俺にしか合わないもんだし。
「・・・・・・なんかブランドもんだろ、かなりお高い。 あ・・・・」
「なに?」
「櫻井くんあたりじゃない?」
「え?」
急に出た名前に心臓が跳ねる。
「そういうこだわり勧めるの」
「そういうのは松潤さんじゃないっすかね?」
澤部が言う。
まぁ、二人とも興味どころは違うけどこだわりは強い方だよな。
「想像に任せるよ。当たらずとも遠からずだし」
「敷居高そう・・・・」
2人して遠くを見ている。
うちのメンバーどう見えるというんだ。
同じアイドルな俺だけど、同じ線上にはいなそうだな・・・と思わず笑いそうになってしまった。
「俺と同じもの使ってみたい?」
試しに聞いてみる。同じものを使わせる気もないけど。そして相手の答えも予想済み。
「いや・・・・なんか気後れしそう、やめとく」
これだけただの俺のマイリップの話題を引き延ばしておいて、勝手に落ち込んでいる小峠さんがなんだか可愛い。
「英二さんには英二さん専用があるから、心配しないで」
小声で声援を送ってみた。
「なんか言ったか?」
「なんにも」
タイミングよくロケ再開のお呼びがかかった。
いつの間にか冷めてしまったコーヒーを飲み干す。
あと少し頑張りますか。
その日の夜。
「翔ちゃんのせいだ」
夜は満たされるべき時間。
たっぷり補充して、次のために蓄える。
心地いい疲労感とぬくもりや熱さからくる眠気を感じながら肌を寄せ合った。
「はぁ?」
「俺も無意識だったんだよね。気にならなくなったから持ち歩かなくなってたんだよ」
そういえばどこにしまったかな?
それさえもすぐには思い出せない。
以前はどこかに置きっぱなしにしてなくすこともあったからストックもあったのに。
「何の話だよ?」
俺の言葉に怪訝そうな顔が返ってきた。
「俺の全部をああしたのもこうしたのも翔ちゃんってこと」
「なんなん、お前さん? よくわからんけど、お前、骨の髄まで俺のもんだろ?」
話の全貌を掴んでいないのに、ちゃんと的を得た返事が返ってきた。さすがだなぁ。
「そのせいで、これが原因って1つに絞れないけど俺がぷるんぷるんらしいよ?」
ぷるんぷるんなんて脈絡もなく言っても余計混乱するかなと思ったのに、予想を超えた返事が返ってきた。しかも自信満々。
「な~んだ。当たり前だろ? それこそ吐く息でさえ愛してるんだから」
「えぇ? 俺からさよならするもんまで?」
翔ちゃんの言いように噴き出す。
「だからだろ? どこまでも雅紀が潤ってんのは」
「かもね?」
他人には扱えない。
他人じゃ満たされない。
俺しか潤わない。
俺、専用。
嘘みたいな、だけど本当のこと。
だってさ
魂ごと愛されているんだから。
「翔ちゃん、コーヒー飲もっか?」
カフェインレスのコーヒーで温まってから暖かい布団と大好きな恋人のぬくもりで眠れば睡眠の質さえ倍増して、またそれもぷるんぷるんの要因になるかもね?
FIN
画力があるのなら漫画にしたい内容です。
ふざけたお話でごめんね。題名からしてふざけすぎ。
出来たら深く考えず、気楽に読んでください。
なんか軽めの楽しいもの・・・で、ちょっとおバカな感じの平和なのが書きたかった。
設定:相葉マナブロケ中
出演:ロケ先→雅紀くん・小峠さん・澤部くん 夜→翔ちゃん・雅紀くん
皆様お元気ですか?
わたしはいろいろありまして・・・・
春ごろからまた異動・・・しかも特殊な感じで
すこし仕事慣れてきたのにな・・・
異動して約1年でまた異動って
先日、上司に呼び出されて打診され・・・・
3日間落ち込みまくった。
はぁ・・・・。
しかもちょっと複雑な環境になる・・・・
今から憂鬱です。
あと。
うちの王子くん。
なんとか高校生になれそうで・・・・よかった。
お金かかるけど仕方ない。
そこはわたくし働きます。頑張る。
とりあえず今週末入学手続き。
今日、めっちゃ現金おろしてきました(笑)
と、なんとも中途半端な報告でして・・・すいません。
明日もいい日でありますように。
おやすみなさい。
るぅ。