「悪童シュトラール」
神の樹にひざまずく、
生憎にも祈る言葉を持たない無学、
憐れもうにも自らは、
無知を承知で許しを乞う、
永遠の孤独にも似た日々を、
過去を影と引きずりながらも、
正対する死を闇とも思えずに、
美しい女がいる、今日はその女の誕生日、
せめての想いでこの悪童、
安い葡萄酒、コルクを飛ばす、
明日があるならいずれ会いもしようかと、
独自性に唾を吐く、
そんなのどこにもありゃしないって、
口笛吹いて闇タバコに火を点ける、
紳士にはなれもせず、
悪党みたいなふりだけで、
どうにか今日をやり過ごす、
美しい水のない街、
どこかで踊り子たちを囃す声が聞こえてる、
夜が来て、このままなら明日がくる、
くだらない日々が俺たちを待つってわけだ、
神の樹に火を点ける、
不快だと舌を出す、手にしたナイフを手首にあてがい、
この命を弄ぶ、
逆賊みたいな気分で明日を睨む、
闇夜に浮かぶ小船を奪う、
太陽を撃ち落とす、
月もやはり撃ち落とす、
望むところと嘘ぶいた、
望むところと挑む視線、
<bustard?>
⇒泣きまねジーニー
⇒アンドロイドとコヨーテの夜
⇒地球儀とアウトサイダー
あの夏、ぼくらは流れ星になにを願ったんだろう……
流星ツアー(表題作を含む短編小説集)
あの人への想いに綴るうた