彼と彼の梅雨明け・5 | 黒チョコの嵐さんと大宮さん妄想書庫

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苦手な方はお気を付けください

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「会社は行けそうですか?」

 

 

ベッドの一点を見つめている大野さんに聞いてみる 

 

 

「…行かない」

 

 

予想通りの答えが返ってくる

 

 

「どうしても?」

 

「…仕事したくない」

 

 

会社に行きたくないと言う時は、いつも嬉しそうで楽しそうだったのに…

 

 

どうしても仕事をしなくてはならない、とは思わない

 

心と身体の片方、もしくは両方が不調の時は、無理をするべきではない

 

でもここは背を押さないと駄目だと思った

 

この大野さんを俺が受け入れてしまったら駄目になる

 

 

「ここで大野さんが抜けたらチームのみんなが困っちゃいますよ?」

 

「みんななんてどうでもいい」

 

「そんなこと言ったらダメです」

 

「ニノを一番に想えなくなるくらいなら全部いらない」

 

「俺はいつでも一番に想ってもらってます」

 

「だったら誕生日を忘れたりしない」

 

「ありますって、一番でもうっかりはあります」

 

「でもニノは俺の誕生日を忘れたりしない」

 

「分かんないですよー?俺だって大野さんみたいなレベルの大役を任されたら頭ぱんぱんになっていっぱいうっかりしちゃうに決まってます」

 

「でも…」

 

「一回、切り替えましょう、ね、とりあえず会社に行って、それでどうしてもダメだったら帰ってきましょう」

 

「……」

 

「智」

 

「…はい」

 

「仕事です、行けますか?」

 

「…ニノは」

 

「もちろん行きます、一緒に行きましょうか」

 

「…うん」

 

「よしっ、着替えますよっ」

 

 

家を出れば環境が変わる

 

仕事をすれば気分が変わる

 

いつもの空気がいつもの大野さんに戻してくれるなんて、甘く考えていたわけじゃないけど、大野さんが抱える仕事の量も質も落ち込みながら出来るほど簡単なものじゃない

 

帰宅する頃には少しでも元気になってるといいな

 

そう思っていた

 

 

でも、その日の帰宅後も

 

 

「ごめんね…」

 

「気にしなくて大丈夫です、今日も早く寝ちゃいましょう」

 

 

その翌朝も

 

 

「ほんとにごめんね…」

 

「大丈夫ですっ ご飯食べましょうっ」

 

 

三日経っても

 

 

「仕事行きたくない…」

 

「そんなこと言わないで、ね?俺も一緒に行きますからっ」

 

 

一週間経っても

 

 

「俺ってダメだ…」

 

「大野さんは素敵な人です!」

 

 

なんとか出社はしていたけど、復活する兆しは見えてこなかった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

つづく