第11話「生明のチョットHな大冒険」その3 | にゃんすけのオモチャ箱

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T地区にN国の無人機モビルスーツ…正確にはガンビットというらしい…が、現れたという情報を元に、我々諜報部員も現場へ急行することになった。


「しかしよー、最近アイツらクドくね?あのガンビット、そこまで強くねぇし、いつもオレサマにやられてんじゃん」


コイツ…田原シン(偽名)は、何だかウルトラマンみたいなヒーローに変身することができる。


先日、初めて巨大化して倒したことで、ヤツは更なる成果を挙げた。

ただ、EPSには変身出来る事は秘密にしているので、名を挙げているわけではない。


しかし、本人は成果を目的にはしていないから別にいい、とのことだった。


「いくらあのガンビット達を倒したからと言って、気を抜くなよ。お前の事、研究する為とか何か仕組んでるかもしれないしさ」


「それでも、オレは守りたいものを守らなきゃいけねーからな。オレのチカラは無限大になるぜ」


「なにそれ、根拠あんの?」

思わず苦笑して訪ねてしまった。


どんな時も、脳天気な程に前向きだからだ。

またいつものが出た、という感じだ。


「崖っぷちに立たされたら、みんな火事場のクソ力、出るじゃん?!お前もいつもさ、命に代えてでも守りたいものがあるって、いつも言ってんじゃん?それが何か知らんけど」


「あ、あぁ…」


「その時、自分のチカラ、信じられねーの?んなことねぇっしょ!ガハハ」と笑った。


「オレは…お前ともっと早く知り合いたかったよ…」


「あ?急にどした?」


「お前は何気ない会話で、色んなことを気づかせてくれる。オレはその度、なんでこんなことしてるんだろ?って思うよ…」


「真面目か!てか、そのマイナス思考、やめれ」


「…」


オレは思わず黙ってしまった。

シンはそのまま言葉を続けた。


「おめーの命かけてまで守りたいとまで思わせたそれ、そういうのがあるのは幸せだと思うぜ?人それぞれ、何にそう思えるものが違ってもいいじゃん。オレに早く会えたとしても、おめーの人生にそんな大きな影響、与えねーよ。ウケケ」


「そうかな、そんなもんかね」


「まぁ、誰にも正解なんざ、分りゃしねーかんな。お、もうそろそろ現場到着ぅ〜…ま、頑張ってくらぁ」


シンは何かを空に向けてかざし、ヒーローへと変身したのだった…


(その4につづく)