かなりのご無沙汰、Rhymester「KING OF STAGE」(Vol.14)。
30周年ということで最新 → 旧作という流れのベストヒット・セトリなんだけどMCで言ってる通り、なんどもクライマックス(となる曲)がある!ひとつひとつの強度がもの凄い!!
まさに「ライムスター・ミュージアム」と名付けられた通り、彼らが長いキャリアの中で作り上げてきて、そのキャリアを決定づけた有名曲・代表曲を惜しげもなく披露。
宇多丸の「何回もデススターが爆発する」は言い得て妙w
《30周年の感謝を込めて、今度のツアーは「47都道府県がキングのステージ」。ライムスターのツアーでも好評を重ねる、至近距離の迫力が魅力の通称【小箱セット】。ライブハウスに特化するライブチューンをとことん選びぬいて挑む、初の47都道府県一挙踏破ツアー開催中!》 (公式HPより)
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ステージには黒地に白で「RHYMESTER 47都道府県TOUR」と書かれたフラッグ、2ターンテーブル、そして2マイク。
季節ごとに選曲された高橋芳朗のMIXを聴きながら開演の時間。
おなじみのJIN-TROで三人は登場。
Rhymesterは全員180cm超え、ライブハウスでも見やすい(直球)。
衣装は
宇多丸:ベージュのロングコート 縦縞
Mummy-D:白シャツに黒いベスト
DJ JIN:黒づくめ(ジャケット?)
というフォーマル感と日常性を兼ね備えたセレクト、上の世代となってきた現在に見合うチョイスなのでは。
そうそう、今年の1月にチケ買ってるので(11ヶ月前←) 整理番号は22番。自然と前方へ。そして上手サイド、50cm先の目の前に愛しの士郎くん=宇多丸がっ!
宇多丸の盛り上げはもちろん、時代背景などの説明も含めたステージ上のコンダクト(指揮)は見事なもの。そして力強いラップ!ファンはみなご存じの滴る汗とこめかみの血管!
すべての進行を取り仕切るゆえ、彼のトークスキルは(ラジオだけでなく)ライヴでも力を発揮する。
「入れたり抜いたり、みたいな(笑)」
「うなぎパイは "事後" に食べても意味がない」
「いつまでもあると思うなグッズ!」
「あなた(観客) 他の人に恨まれるかもよ?」
笑
Mummy-D、衰え知らずのラップ巧者っぷり。
そして部分的に「ビートの後ろに乗る」のが巧みでカッコいい!(ぴあアプリの連載でも言ってたなぁ/ ツアーなので変化を)
40代~50代でも「ラップは上手くなる」ということを身を以て証明する姿勢はやはり不世出のラッパーだな、と。
まさにその証 →
特にこの日は「Dのダンス」もまた見ものだった(?)
カクカク(本人談 / つまりあえて滑らかではない)としながらもアガリきった感情を表現、元ダンサーとしての血がうずいたか?と見紛うほどフロアを夢中にさせるムーブ。積極的に声を上げ観客を先導する宇多丸とはまた別ベクトルの魅せ方だ。
音を「抜いてる」時のDJ JINの "エクスタシー顔" が素敵すぎて!笑(うっとり)
登場時のJIN-TROから欠かせない見栄の切り方や、ルーティン/スクラッチetcをライブ中に必ず見られるのはRhymesterならではの、他にない魅力。
「無法地帯」と呼ばれているらしいJINのトークコーナーは羅列なのに盛り上がったな~ 浜松のレコ屋に蕎麦屋にサウナ…
客層について。
そう、女性が多いの!客層も一般的 、言ってみれば「市井の人々」なんだけどとんでもない盛り上がり、ライムのカブセが完璧ww!
「Rhymesterの曲は全てメッセージソング」
と士郎くん(宇多丸)が言うとおり、それぞれの曲はみんなの日常に寄り添い、鳴り続けているんだな、って。
50代を迎えあるいは目前に控え、三人のしたたるような色気も人間味も楽曲の味わいを増す。
「(自然災害など)色んなことがあった翌日でも歌える曲を目指して」というMCのあとに披露された「It’s A New Day」が、特に心に響いた。
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私が久しくライムスのライブから遠ざかっていた頃に定番化した「肉体関係Part.2」の「放置プレイ」もやっと体験することができ感無量(笑)
「逃走のファンク」は私が彼らを知ったのち初めてリリースされた新曲のうちの一つであり、歓喜の声を上げた。ひねくれと、「酷いことを言いたい時期だった」(メンバー談)この頃の楽曲。2年の活動休止期間のものだが今でもリアルに響く。
さらに歴史を遡り、本編最後の曲「耳ヲ貸スベキ」。
かつての記念碑的な武道館公演でも意義深く響いた「歴史的なこの記念日」という箇所も、「ひとつとして同じセトリがない」本ツアーで特別な意味を持つのだろう。そう感じた。
アンコール、なんども不人気曲と紹介された「ザ・サウナ」(笑) この曲の存在をほぼ忘れていたけど、生でしか体験できない腹に響く低音とある種ヤケクソな客席のおかげで楽しめた。なんと言ってもレア!
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終演後、毎度のごとく可能な限り観客と手を触れ握手するキャリア30年の三人。Dは客席にまで降りてきてなんかグルグル(?)してたぞ(笑)
余裕と強度と責任感が増すと同時に、(ヒップホップだけにとどまらず) 外の世界で勝負しようという姿勢が心強い。
話してた「大型のコラボ」ってなんだろう?これもまた楽しみ。
「最近はCreepy Nutsのヤツらがよく口に出してくれるおかげで客が増えているかも」
「ヤツらも侮れない」
……と冗談まじりに話していたが、なにより過去の遺産や功績ではなく「いま現在のライヴ」や「新曲」で後輩や新しいファンを夢中にさせる力があるからこそRhymesterは慕われ愛されているのであろう。
ラッパーは、ヒップホップは生涯を捧げるに足る職業だ ーー その証明を彼らはきっと、してくれるであろう。
……… なんか重たすぎる着地になっちゃった(笑)
とにかく日本語ラップ黎明期からサヴァイヴし続ける練習大好き、だけどお茶目なライムスターは今も変わらず最高だな!!と強く思ったのです♪
ライブまた行こ☺️
宇多丸師匠の手は大きく、そしてひんやりしていた。。
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2019年12月7日(土)RHYMESTER「KING OF STAGE VOL.14 47都道府県TOUR 2019」浜松窓枠 セットリスト | 日刊セットリスト
1.JIN-TRO
2.待ってろ今から本気出す
3.Future Is Born
4.Back & Forth
5.Still Changing
6.The Choice Is Yours
7.It’s A New Day
8.Walk This Way
9.ONCE AGAIN
10.オイ!
11.逃走のファンク
12.ザ・グレート・アマチュアリズム
13.ライムスターイズインザハウス[Live]
14.肉体関係 Part2(RHYMESTER 逆featuring CRAZY KEN BAND)
15.ウワサの真相
16.ロイヤル・ストレート・フラッシュ
17.B-BOYイズム
18.耳ヲ貸スベキ
アンコール
19.ザ・サウナ
20.カミング・スーン