かつてはSF映画のワンシーンでしかなかった、人間とロボットの共存が目に見えるものになってきた。
産業用ロボットとともに働くエンジニアはそれを実感しているだろうし、あるいはソフトバンクのPepper(ペッパー)のようにコミュニケーションすることができるヒューマノイドロボットをテレビや店頭で見かける機会も多くなってきただろう。
このようなロボットは高価なイメージがあるが、わずか49.99ドルのロボットはいかがだろうか。それがスマートフォンやタブレットとつなげることで無限の楽しみを広げてくれる、知育ロボットの『Ozobot』だ。
最小クラスのロボットトイ
大きさは高さ、幅ともに1インチ(約2.54センチメートル)で、普及型のロボットとしては最小クラスに属する。
ローラーが付いた背面には色を読み取るセンサーがが内蔵されている。これがスマートフォンやタブレットといったデジタルデバイスや、ペンで描かれた線や地図を読み取り、精密に動く。動力源はリチウムポリマーバッテリーで、USBから充電する仕組みだ。
複数人でも遊べるレースゲームやパズルゲームも用意され、LEDライトが明滅しながら踊るようにキビキビ動くさまは爽快だ。
この手のトイは使用用途が限られがちだが、iOSやAndroid用のゲームアプリも開発されており、遊び方の新たなる提案は継続的になされるだろう
知育玩具としての可能性
次世代型の知育玩具として期待できる点は、簡単なプログラミングが学べる点だ。
ロボットを動かすための基礎言語を学習できるカリキュラムが用意されており、“線をたどる”といった単純なものから、“ジャンプする”というアクションまで500の移動プログラムを記録する。
遊びを通じて、幼い頃からモノを創造する体験することで、クリエイティブな思考を得るための練習にもなるだろう。また、(時期的にはズレるものの)夏休みの宿題として取り組ませるのも良い経験になるかもしれない。1台49.99ドルという価格設定も、将来の投資と思えば決して高くはないだろう。
身近な環境でロボットとふれあうことによって、子どもだけでなく大人も“ロボットと共生する未来”を考える機会になるのではないだろうか。
人間の労働力を奪うのか、あるいはクリエイティブな領域を広げるのか。空想上の机上にしか上がらなかった議題は、もうすでに我々のテーブルには置かれているのだ。