「チャンミン!チャンミン!」
「どうしたの?」
「よかった。夢か……。」
あの日以来、嫌な夢ばかりみる。
チャンミンが遠くへ行ってしまう夢だ。
最近は残業もあまりせず、飲み会も断り、まっすぐに家に帰るようになった。
戻ったとき、チャンミンがいないと、探しにでるほど、不安でたまらない。
「大丈夫だよ。」
そんなとき、こいつは、包み込むように俺を抱き締めるけど、不安は拭えなかった。
チャンミンが嫌がるのも聞かず、病院にも連れていく。
最近寝込むことが多くなったからだ。
そして、悪い予感は的中する。
「すぐに、入院させてください。」
世界が暗闇になってしまうくらいの衝撃だった。
医師の話だと、入院して治療を受けても助かる可能性が厳しいという。
それでも、わずかの可能性にかけてチャンミンを入院させたかったが、答えはNOだった。
入院はしないというのだ。
「ユノ……話がある。」
その晩、チャンミンを何としてでも、説得しようと思っていた。
「俺もだ。」
チャンミンからの話を先に聞いたのは間違いだった。
それは、俺には想像しがたい内容だったから。
「僕……ユノに看取られたい。」