これは夢だろうか……
ブラウニーが人間と形として戻ってきて、そして、俺はそのチャンミンを愛してしまった。
しかも、それは期限付き。
残された時間はわずか。
俺はどうすればいい?
入院しなければ、その時間は減ってしまう。
だが、入院したら、たとえ時間が増えたとしても、二人でいる時間は確実になくなる。
下手すれば、最期をみとれない。
いや、それは家にいてもだ。
仕事にいってる間にだったら?
静かに一人で逝くことになるんだぞ。
俺は、どちらを選択していいのか選べなくなっていた。
あまりに悩みすぎて、胃が悲鳴をあげてる。
それを気がついたチャンミンは、俺の背中をさする。
「ごめん。二度も苦しめることになったね。」
「チャンミン……選べない。だって、俺はおまえに生きていてほしい。
ずっとそばにいてほしい。」
「そばにいるよ。いや、ずっとあなたのそばにいたよ。」
「俺のこと見守ってくれていたんだね。」
「うん。」
ごめん。日々の忙しさであんなに悲しんだことも薄れていき、やがて忘れていた。
「いいんだよ、忘れて。」
「えっ?」心の声が聞こえるの?
「聞こえる。忘れていいんだよ。ずっと悲しむことは誰も望んでない。なにかのきっかけにたまに思い出して、笑ってくれたらそれでいい。」
「笑って?」
「そう、笑ってほしいんだ。僕がいて、楽しかったときを懐かしんで、笑ってほしい。
でも、それができないのなら、忘れてくれた方がいい。あなたの生きる足かせにはなりたくないんだ。」
「足かせなんて……。」
「また、つらい思いをさせてしまうことを、本当にすまないと思ってる。
それでも、どうしても会いたかった。
会って、愛してるって言いたかった。
ユノ、ずっと、ずっと……好き。
どこにいても、形がなくても、ずっと、愛してるよ。」
チャンミンを抱き締める。
涙が止まらなくて……こんなにも……俺を思っていてくれたなんて。
そして、俺は決心した。