後ろに乗り込んだ私は気を使い、寝たふりをする。
ときおり薄目で様子をみていたが。
チ「夕飯は何にするの?」
ユ「うん、それなんだけどね。」
チ「やっぱり、バーベキュー?肉、肉、肉ぅ!
あ!魚介もいいね。
あと、スモークでチーズとか焼くのもいいな。とろっーととろけた所を、フランスパンでばくっといくのもいいな。」
ユ「ま、まあ、楽しみにしてて。」
チ「ああ、お腹すいてきた。」
せっかく、二人の空間にしてあげようと寝たふりしてあげてるのに、食べ物話ばかっり。
色気ないな。
チ「そう言えば、バックパック、僕のと色違いだよね。」
ユ「うん。チャンミンが買ったやつ写メ送ってみせてくれただろう?」
チ「まねたの?」
ユ「違うのにしようと思ってたけど、他のみてもどうも今一つで、結局同じのになっちゃってさ。」
本当は、お揃いにしたかったくせに。
チ「だろう?だって、これ決める前にネットでいろいろ調べて、一番評価が高かったから、店に行く前に決めちゃってたもん。」
ユ「うん、そうらしいね。お店の人も一番人気っていってたよ。」
チ「でもさ、、、何で、あんなにパンパンなの?荷物多くない?いつもは僕の方が多いのに今日はユノの方が多いよ。」
ユ「いろいろ考えてたら、面倒になっちゃって、とりあえず、全部入れちゃえって。」
やな、予感。
チ「いらないものたくさんありそうですね。」
うんうん。
ユ「そんなことないよ。きっと感動するって。」
感動?
キャンプの荷物で感動するのってなんだ?
嫌な予感しかしない。
そんな私達の不安を知ってから知らずか、キャンプの歌を作って歌い始める。
チ「ねえ、ねえ、こっちで道あってる?」
おい、少しはその歌に触れてやれよ。
でも、話しかけつつ、腕にそっと触れたな。
やるなー。女の私でもなかなか使えない上等な技をさらっと使いやがって。
ユ「ナビ使ってるから大丈夫だよ。」
チ「まだ、まだ、かかる?」
ユ「うん。どうした?」
チ「機内で飲み過ぎたみたい。」
ユ「気分悪い?」
チ「ううん。トイレに、、、。」
あんだけ、ズバズバ言ってたチャンミンが、久しぶりにあったユノにはトイレに行くって言うのも恥ずかしいのか?
完全に乙女だな。
ユ「オッケー。あの先に見えるレストランで少し休憩しようか?」
チ「幸田さん寝てるのに、いいのかな。」
ユ「大丈夫だよ。パフェでも食べますか?って聞いたらすぐ起きるって。」
おい!食べ物につられるアホ扱いするのやめ!
チ「まあ、本当に寝てるかも怪しいもんね。」
チッ!ばれてるか。