どうして、ユノはこんなにも鈍感なのだろう。
デートの内容まで僕に報告してくるなんて。
「付き合ってどれくらいたったら、手を繋いだらいいと思う?」
「さあ。」
「相変わらずつれないな~。お前に恋人ができたときは絶対に応援してやるからさ。」
「僕にできるはすが、、、。」
「何言ってるんだよ!おまえなら、いくらだってできるさ!」
はあ~、わかってないな。
「好きなやついるのか?」
「えっ!」
「あ!赤くなった!答えろよ。」
ユノはそばにあるベッドの上に僕を押し倒し、両手を押さえ馬乗りになる。
「離せ!」
「誰だよ。言うまで離さないぞ!」
わかってない奴。
「言えるわけないだろう!」だって、好きなのはユノなんだから!
「何だよ。俺達、幼馴染みを越えた親友だろう?」
永遠に平行線な恋。
「じゃあ、言うから離せ!」
「本当?」
やっと、ユノが僕から降りる。
「教えて!誰々?」
「自分。」
「は?」
「僕は自分が一番好きなの!」
「何だよ、それ。ナルシストかよ。」
ユノは声をだして笑った。
僕も笑った。
精一杯、無理して笑ったのだ。