ユノから話を聞いただけじゃない。
近所なだけにその現場に出くわしたこともあった。
ユノが告白された相手に、付き合えないと言うと、泣いて去っていったのだ。
「まずいとこ、みられちゃったな。」
「また、泣かしたんですか?」
「でも、好きじゃないのに、付き合う方が失礼だろう?他に好きな人がいるのに。」
と、僕をみた。
反則だ。
そんなふうに見たら、誰だって勘違いする。
その勘違いはすぐに誤解だとわかる。
二週間後、、、。
「チャンミン、俺、人生初の恋人ができた!」
そう言われたとき、僕の初恋は、告白する前に終演を迎えた。
「えっ?」
「聞きたくないか?」
聞きたいわけがない!鈍感!
「聞きたくない。」
「そう言うなよ。クラスメートで、大人しくて、目立たない子なんだけど、気配りができて、優しい子なんだ。」
「そうですか。」素っ気なく相づちを打つ。
「チャンミンを女の子にしたいみたいな子なんだよ。」
最高な誉め言葉で、最低に傷つく言葉。
「僕は女じゃないです。」
「わかってるよ。おまえは立派な男だって。おまえが女なら、とっくに告白してるって。」
世界一鈍感な男は、僕の心にたくさんの傷をつけていく。
「女じゃなくて、よかった!」
世界一強がりな僕はこう答えるしかなかった。