「イタタタ・・」
尻もちをついてしまった真緒を見て初音は慌てて彼女に駆け寄った。
「だ、だいじょうぶですか、」
「ちょ、ちょっと滑って。なんかこの辺がグキって音して・・」
足首をさすった。
「捻挫かな・・。 病院に行きましょう。今タクシーを拾って、」
「だ、だいじょうぶです。ちょっと捻っただけで・・」
何とかガードレールに捕まって立ち上がったが、足をつくと鈍痛が走る。
「い・・」
「ダメです。もし骨折でもしてたら。 ちょっと待っていて下さい、」
初音はタクシーを拾いに行ってしまった。
もー
いったい何のためにスノーブーツ履いてきたのよ・・
真緒はもう当たり目に祟り目のような気持だった。
初音が拾ってきたタクシーに彼女を乗せる時に自分の上着を脱いでシートに広げた。
「この上に座って下さい。コートが汚れてしまって、」
「え!いいです。コート脱ぎますから。」
「寒いです。もし骨折でもしていたら寒気もしてくるかもしれないですから。早く、」
やや無理やり彼女を乗せた。
「い、痛い痛い!」
思わず捻った左足をついてしまう。
「す、すみません。」
初音は慌てて謝った。
「大丈夫、です。 なんか・・すみません、ホント・・」
「あの。この時間でも診てもらえる整形外科があったら。お願いしたいんですが。仕事でこちらに来ていて不案内で、」
初音は運転手にそう声掛けをした。
「整形外科・・。 ああ、ここから10分くらいの所に総合病院がありますよ。ええとまだ4時前ですから大丈夫でしょう。評判もいい病院ですから大丈夫ですよ。」
「ありがとうございます、」
タクシーはゆっくりと出発した。
「・・ごめんなさい、」
真緒は小さな声で謝った。
「いいえ。ぼくのせいです。先にどんどん行ってしまって。」
「それは。昨日・・あたしが初音さんを怒らせてしまったから、」
真緒はうつむいた。
初音は一瞬唇を噛み締めて
「怒って、ないです。ぼくが悪い、」
真緒を見やった。
「あんなこと言ったあたしが悪いんです・・。初音さんが気を悪くするの当たり前、」
足の痛みもあって全く元気なくそう言った。
「そんなこと・・」
初音はそう言ったあとは言葉が続けられなかった。
まだ雪がしんしんと降っていた。
真緒は転んでケガをしてしまいます。初音は猛烈に反省し・・
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