ありがとうマサムネ そしてさようなら~ | 新生館 男女数人四季物語

新生館 男女数人四季物語

名古屋市守山区の
有料老人ホーム『新生館』のブログです♪

 こちら久々にブログを更新いたします。機械にうとくて、更新がままならないのであります。


さて、新生館はあいも変わらず、愉快で平和な生活ですが、

昨年の冬に、茶色のアメリカンショートヘアのような模様の猫が一匹迷い込んできました。


もう立派に成人していて毛並みも美しく、人にもそれなりに慣れている感じの猫でしたが、

何故さまよい歩いているのか、よくわかりません。


私も大の猫好きですので、お腹をすかして、寒い外でみゃーみゃー泣いている猫を見過ごせません。

スタッフの中にも猫好きと猫嫌いがいて、暗黙の攻防戦になりました。

社長は賢い猫が自動扉を自由に入ってくることに腹をたてて、センサーをガムテープでおおいかぶせ

なんと、人間も出入りできないように、してしまったのです。しかし、賢い猫だけが、ガムテープの隙間の

センサーの場所を心得ていて,堂々と入室してきていました。

 そして、怪我をして一部の看護師たちが処置した辺りから、憐れさを臭わせ、賢さにも根負けして、入室と事務所で寝る事を許される猫となり、なんと立派な「マサムネ」という名前までもらったのです。本当はヒデヨシと名付けた方がぴったりかもしれません。


茶色の渦巻き模様に真白い胸とお腹、口元、手足の先に特に可愛さがあります。嬉しい時にブルブルいえずウーウー唸って、かみついてくる所が、飼い主に何らかの理由で捨てられて、お門違いにも、その恨みを晴らしているようでした。甘えたいのに、素直に甘えられず、という複雑なマサムネの心境をあらわしていました。


そんなマサムネも堂々と新生館のスタッフのようにふるまって、猫好きのおじいさんの部屋へ訪問して、エサを頂き、おじいさんのベッドで堂々と眠って、可愛さをふりまき笑顔をもたらすという、アニマルセラピーを実行していました。賢いマサムネは何故か自然に生きる道が分かっているようでした。


そんな姿に入居者の方々も、可愛くて可愛くて、なぜては噛まれそうになったりしながらも、愛していました。仏頂面のおじいさんも、さすがに笑顔をみせていました。


マサムネも少しづつ自覚をもって、ムカデをとったり、静かになぜられたり、病院へ行く時は外でお出迎いをしたりして、頑張っていました。エサも私の自腹で、缶詰とカリカリのf結構いい物を食べて、自由に夜勤者のベッドで上向いて眠って、すくすく成長していました。


サカリの季節、一匹のメス猫がふらふらと現れ、マサムネは一目ぼれ。人間的な美的感覚でいうと決して美人と呼べないメス猫はなんと朝青竜にそっくりでした。朝青竜に一目ぼれしたマサムネは一生懸命プロポーズしてましたが、いつみても断られて、かみつかれて逃げるばかり。


そんな時、謎のハンサムボーイが現れ、朝青竜とカップルになってしまいました。かわいそうなマサムネでした。いくら人間には愛されても、同類に愛されなきゃね~。


そんなマサムネを社長もいつしか賢い奴として認め、猫ドアを付けるほどに感化させ、元気に平和にくらしていました。


しかし、マサムネは次なる楽しみを見つけていたのです。それは、大通りのバス停まで、スタッフをお見送りして、バス待ちの人にコロコロ真白いお腹を見せて、喜ばせて、人気を得ていたのです。片側3車線の大通りはもちろん交通量もすごくて、危ない所です。


スタッフもさっそうとバス停まで一緒に歩くマサムネを可愛くもあり、不安もあったので、何度も行きつ戻りつしながら、バスに乗っていたそうです。マサムネはとにかく褒められることが、大好きですので、バスを待つ人達が、わあ~かわいい猫ですね~といえば言うほど、白いお腹を見せてロックンロールしてみせるのです。バカたれです。


そして、とうとうその日が来てしまったのです。スタッフが心配ながらもバスに乗った後は、歩道橋を帰るのではなく、車道を直線的に横断していたようで、片側3車線、あわせて6車線の道のちょうど真ん中で、ひかれて死んでしまったのです。美しい猫だったので、通りすがりの親切な方が、中央分離帯に乗せてくれて、美しいままにあの世に旅立っていきました。


おちゃめで憎めないマサムネが突然新生館から消えてしまったので、みんなものすごく悲しみました。

最初は敵だった社長もかなり落ち込んだようです。


短い猫生だったけど、マサムネは本当に可愛くていい奴でした。新生館の役にも立ってくれて感謝しています。お調子者だったのがマサムネの運のつきでした。

しかし、マサムネはさすがです。

なんと、あの朝青竜に自分の子供を身ごもらせて、マサムネが旅立つ少し前に、生まれていたのです。

茶色と白でそっくりな模様なので、みんなマサムネの子供だと大喜びです。マサムネジュニアです。


マサムネは凄い猫です。ちゃんと悲しみの中にも希望を残してくれました。今は毎日マサムネジュニアが大きくなって走り回る姿を、入居者達は楽しみにしています。ありがとうマサムネ!!天国でもみんなに可愛がられるよきっとマサムネなら。