注意 当、二次創作小説(シナリオ)を初めて読まれる方は先にこちらをごらんください。
あなたと始める物語は。20
〜 next stage ~
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《ダーリンは芸能人》二次創作
チーフさんに連れられて来た駐車場には、いつも彼らが仕事へ行く際に乗るワンボックスカーが停まっていた。
その手前にはいつもチーフさんが乗っている赤い車も停まっていて、彼女はその後部座席のドアを開け、私に乗るように促す。
「このまま送るわ。 どこまで送ればいい?」
チーフさんにそう聞かれてふと考える。
もともと予定は立ててなかった。
来たバスが海浜公園行きで、その端の一角に大きなショッピングモールがあってウインドウショッピングをしたり気儘にお散歩をするつもりだったから。
でも、何だか一気に疲れてしまった。
さらに大泣きしてしまったからメイクも縒れてるはず。
「…今日はもう帰ろうかと思うので、家までお願いできますか?」
「分かったわ。
……ごめんなさいね、嫌なことを思い出させてしまって」
「いえ…」
半ば強引にやらされたとしても最終的に受けたのは私だし、謝られてもといった感じだ。
ただ、かなり精神的にキてる感じがするのは否めない。
それから沈黙が続く。
亮太くんに被せられたバスタオルもそのままにして私はカーシートの背もたれに身を預け、目を閉じた。
しばらくして、京介くんと亮太くん、そして二人のマネージャーがやってきた。
「あーちゃん、大丈夫?」
「まぁ、うん。
バスタオル、ありがと」
「あなたたちは早く行きなさい。 次があるでしょ」
「でも、愛優香は?」
「彼女は私が送っていくわ」
何度も振り返りながら渋々といった体で京介くんと亮太くんは隣のワンボックスカーに乗り、そしてこの場を離れていく。
それを見届けてからチーフさんの運転で私はマンションに戻った。
「ただいま…」
誰かが居るわけでもないけどそう言って、手を洗ってからプライベートルームへと入っていく。
ノロノロと室内着に着替え、メイク落とし用シートで簡単にメイクを落とした後、ばふっとベッドの上に倒れ込んだ。
大きく溜め息をつき、目の上で腕をクロスして目を閉じて…。
「あ。 お昼ご飯、食べ損なった」
呟いたのはそんな言葉だった。
確かに精神的に疲れはしたけど、だからといって空腹が無くなるわけではなくて。
再び身体を起こしてキッチンに向かう。
「何かあったかな…」
冷蔵庫を開けるも、今日は彼らの夕食作りがなかったから目ぼしいものは入ってない。
かと言って、何かを買いに行こうにも室内着をまた着替えて外に出るのも面倒くさい。
有り合わせのものでいいかと思いながら今度は冷凍室を開けると、食べてみたいと思って買ってあった冷凍オムライスが目に入り、それを食べることにした。
袋の一部を開けて電子レンジで温めるとすぐに食べられるスグレモノだ。
温め終わるまでの数分間、前に作ってあったベジブロスのアイスキューブと乾燥野菜、コンソメキューブを小鍋に入れ、火に掛けて簡単なスープを用意する。
オムライスと併せてたんぱく質は少ないものの、軽い昼食としては立派なものだ。
……と思いたい。
その簡単な昼食を終えて片付けをし、それが終わったら今度はリビングのソファで次の1週間の献立を考えるべくタブレット端末でレシピサイトを開く。
多少冷めても美味しいもの…と考えながら閲覧しているうちに私はいつの間にか眠ってしまったのだった。
〜 to be continued 〜