創作◆あなたと始める物語は。31★《ダーリンは芸能人》二次創作 | 二次元のカレに逃避中♪

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主に、SNSアプリの乙女ゲームについてのレポ、および携帯恋愛ゲーム《ダーリンは芸能人》(LoveDuetを除く)をベースとした妄想2次小説を書いてます。※PC推奨です
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注意 当、二次創作小説(シナリオ)を初めて読まれる方は先にこちらをごらんください。




 あなたと始める物語は。31

〜 new relationship ~

《ダーリンは芸能人》二次創作





逃げるように立ち去った二人組を見て呆けていたものの。


「あ、アイス溶ける」


と、キーカードと鍵を使ってエントランスを入っていく。

パネルを操作して27階に上がり、亮太くんが待つ私の部屋に入った。


「おかえりー。アイスあった?」

「……クソババァって言われた」

「―――はぁっ!?なにそれ!!
 誰が言ったの!店員?!」

「いや、下のエントランスにいた女のコ」

「は?」

「とっとと警察呼べばよかったわ。
 あ、ちょっと溶けてるかも」


彼に頼まれたカップアイスとスプーンを保冷バッグから取り出して渡す。

同じように自分のも取り出してテーブルに置き、残りのアイスは冷凍庫に仕舞った。


「あーちゃん、何が起きた?」

「んー」


ごちそうアイスを頬張りながら、さっき遭ったことを亮太くんに話す。

すると亮太くんは慌ててスマホを取り出し、こんな夜遅くだというのにグループ通話を始めた。

一番早く対応したのはチーフさんだ。


『はい、飯田橋』

「あの女、ここまて来やがった!」


来やがった、って口の悪い…と思いながら三口めを頬張る。

トッピングされたマンゴーのフルーツソースが程よい甘さで美味しい。

そんな中、翔くんと一磨くんが会話に加わったようだ。


『どういうこと??』

「エントランスの前でウロウロしてたってさ」

『マジかー』

『亮太が捕まったってわけじゃないのね?』

「それは違う。あーちゃんが遭遇したって」

『愛優香さんが?』

『…愛優香さんはそこにいるの?居たら返事して』

「はい、姫榊です」


それから亮太くんに話したのと全く同じことを伝えると。


『……分かったわ。防犯カメラに残ってるはずだからこちらで対処します』

「はい」

『てか、亮太、何でこんな時間にあゆちゃんトコにいるんだよ!』

「翔くん? ………え、そっち気にする?」

「夜食もらってたんだよ!そしたら」

『夜食?こんな時間に?』

「あ、やべ」


チーフさんの言葉に亮太くんが慌てて口を噤んだ。

カロリー的に夜食を摂らせるのはダメだったのかしらと思っていると。


『それ、時間外労働にあたるんだけど?
 まさかあなたたちみんな…』


とチーフさんが咎めるような口調で言う。

でも労働というほどでもないしな…と、口を挟むことにした。


「あの! 帰って来たときにちょうど下でバッタリ亮太くんと会っちゃって。 お腹空いたっていうから残り物ならあるよーって。
 だから何か作ったわけじゃないので時間外とかにあたらないから大丈夫です!」

『……本当に?』

「はいっ」


半信半疑のチーフさんに勢いよく返事をすると、テーブルの向こう側で亮太くんがゴメンのジェスチャーをする。

それにサムズアップして応えていると、チーフさんが再び口を開いた。


『まぁ、いいわ。
 ところでもう一度確認するけど、本当に男のほうが《さりーさん》って言ったのね?』

「あ、それは間違いないです。 なにしろぶりっ子言葉で話してた女のコからいきなり『クソババァ』なんて言われたんで印象が強すぎて」

『分かったわ、ありがとう。
 亮太も早く部屋に戻りなさいね』

「はいはーい、おやすみー」


亮太くんはそそくさと通話終了のボタンをタップしてグループ通話を終えた。

残りの溶けかかったアイスを食べながら亮太くんに尋ねる。


「あの子がさっき言ってた?」

「そ。 《方念珠サリー》っていうんだけどさー、『みんなの妹!』ってキャッチフレーズで売り出してるんだけど、思い込みが激しすぎて」

「で、暴走してここまで来た、と。
 それはともかくとして、めちゃくちゃガラが悪かったわよ?」

「そっちが素なんだろーね。
 悪いけど、またしばらくは気を付けといてー」

「それはいいんだけど」

「ん?」

「京介くんが微笑んだだけで一足飛びに熱愛騒ぎを起こすような精神的にアレなコがあそこまでガラが悪いって、何となくシックリこないのよねぇ。違和感っていうか?」

「『ボク』は完璧でしょ?」

「……そのネコ、何年飼ってるんだっけ?」

「えーっと、…10年?」


亮太くんの言葉に思わず吹き出す。


「でもマジな話、この世界で生き残るためには嘘を巧くつけるかどうか、自分をも偽れるかどうかがその鍵の一つなんだとオレは思ってるよ」


そう話す亮太くんは真剣な表情で。

これまで彼はどれくらい辛い思いをしてきたのだろうか。

事務所の力だけでは国民の誰もが知ってるようなトップアイドルにはなれないんだろうなと想像する。


「ま、それよりもこのネコたちをいつどうやってリリースするかだなー。 さすがに30超して猫かぶりするのは、ねぇ」

「…30歳までまだ5年あるじゃない。少しずつ逃がせば?」


私の言葉に笑いながら、「ごちそうさま」と言って彼は部屋に戻るのだった。


〜 to be continued 〜