創作◆あなたと始める物語は。33★《ダーリンは芸能人》二次創作 | 二次元のカレに逃避中♪

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主に、SNSアプリの乙女ゲームについてのレポ、および携帯恋愛ゲーム《ダーリンは芸能人》(LoveDuetを除く)をベースとした妄想2次小説を書いてます。※PC推奨です
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 あなたと始める物語は。33

〜 Leak out ~

《ダーリンは芸能人》二次創作





東京から離れたこの南の島に来た彼らのお仕事とは、半年後にリリースする予定のアルバムの作詞をすることだそうだ。

前回メンバー各自が作詞した時のアルバム《Wave》が大好評で、2回めを…となったものの、時間が全く取れなくて計画が立ち消えになりかけていたのだとか。

彼らの記念すべき10枚目のアルバムを半年後にリリースする予定であることから、同時にその計画を復活させるようにと上層部から指示されたのだという。

彼らをテレビで見ない日はないと言われるくらい激務なのに、アルバムを2枚同時に出す(しかも片方はすべてメンバー各自の作詞)のは無謀だとチーフさんは訴えたものの、トップアイドルとしてやるべきだと押し切られてしまったらしい。

ま、聞こえはいいけど、売れる時に扱き使って稼がせろっていうのが上層部の本音なんだろうけど。

掛かる経費には糸目は付けずとも良いとまで言われたらしく、それならと何とかメンバー全員のスケジュールを調整し、休養も兼ねてこの場所に来ることを強行したのだとか。

スケジュールがまだ完全に埋まっていなかったとはいえ、調整に調整を重ねて3週間を確保しえたのはやはりチーフさんの為せる技なのか。

……いろいろと凄すぎる。


「さて。
 曲は外部に依頼するからなにがなんでもこの3週間で完成させなきゃならないわけだけど。 インスピレーションのためにこの島を観光してもいいし、海に潜ってみるのもいい。 アクティビティは存分に使ってかまわない」


そう言いながら、彼女はこのリゾートホテルと協賛しているツアー会社のパンフレットを配る。

私にも配られたってことは、やってみたいアクティビティがあれば参加してもいいってことなのかしら。

当然、サポートスタッフなのだから会社の経費で遊ぶことは出来ないけれど、お休みの日に自費でなら…と思っていた時だった。


「あゆちゃん、シュノーケリングツアー行ってみよーよ!」

「レンタルバイクで島内一周ってのもあるね」

「サンセットクルージング、あーちゃん好きそう」

「パラセーリングしてみたい…」

「島の食べ歩きツアーなんて食いしん坊の愛優香にもってこいじゃね?」


などとワイワイと騒ぐ彼ら。

京介くんが笑いながら言ったことには同意したいようなしたくないような。

私、そんなに食い意地がはってるように見えるのかしら。

それはともかく、みんなであーだこーだ言いながら島の名産を食べ歩くなんて本当に楽しそう。

そんな中、チーフさんは溜め息をつきながら、


「仕事にも来てることを忘れないで」


と〆る。

それから、「大人であるあなたたちに言うべきことではないけれど」と続けた。


「事故は起こさない、人としてやってはいけないことには絶対に手を出さない。 つまり、Wave の名を傷付けない。 それを守ってくれれば好きにしていいわ。
 それから、愛優香さん」

「はい」

「食事の要る要らないは同じように申告制にするけど、この子たち、煮詰まってくると食事を忘れがちだから少し気に留めておいてくれるかしら。 最低でも1日に1食は摂らせるつもりで」

「分かりました」

「あとは―――」


全員でこの3週間の大まかなスケジュールの再確認をしてミーティングは終了。

その後は私とチーフさんとでキッチンへの移動し、備え付けられた調理器具や調味料、什器設備を確認する。

最低でも10畳はありそうなキッチンには大型の冷凍冷蔵庫とガスコンロ、電子レンジはもちろんのこと、ガスオーブンもあった。

それから使いやすそうなフードプロセッサーやミキサー、ミルサー付きコーヒーサーバーも。

ブランドロゴマークが付いた食器やカトラリーも一通り揃ってある。

と、電子レンジ横の壁の一箇所にある小さな扉に目がいった。


「これ、なんだろ?」


扉の横に3つのボタンがあるそれは一度見たような記憶があって、すぐに思い出した。

前に翔くんと後輩くんたちと一緒に食べに行ったレストランの個室に備わっていた配膳用エレベーターだ。

あそこにあったのはインテリアの雰囲気を壊さないように機械扉の前にもう一つ窓に擬態したステンドガラスの扉があったけれど、ここのはエレベーターが剥き出しになってる状態だ。

それをじっくりと眺めているとチーフさんが説明をしてくれた。


「この上はバーベキューが出来るルーフバルコニーになっているの。 これで食材とか飲み物とかを上げたり出来るわね」


そんなものまであるのか!

これが終わったら上も見に行かせてもらおう。

その後はキッチンの中をひと通り確認して、私の1日の大まかなスケジュールを打ち合わせ。

朝8時くらいにココに来て全員が朝食を摂ったかどうかをチェックだけして洗濯と昼食づくり、お昼くらいにみんなに声を掛ける。

ダイニングテーブルに着いた人のみ配膳し、食事の後片付けをしたらしばらくは自由時間。

夕方ごろから再び夕飯づくりを始め、適当な時間になったら昼食の時と同じようにし、さらに翌朝の朝食準備をして私は本館に戻る…というのが基本的な流れだ。

本館とヴィラとを行き来するのは面倒だけど、彼らの邪魔はしたくないし、私自身の時間にメリハリをつけられるという意味ではこの方がいいのかも。


「―――あーちゃん! 中、案内してあげるー」

「へ?」


チーフさんとの話をし終えると亮太くんがそう誘ってきた。

彼女の方を見ると「いってらっしゃい」とでも言うように頷いている。

彼女にペコリと頭を下げて、私は亮太くんと一緒に『屋内探検』に行くことにした。

ヴィラの1階には広々としたリビングダイニングルームが家屋の真ん中にあり、その右側にはキッチンとランドリールーム、それらの反対側にはインフィニティプールに面したツインベッドルームが2つ。

エントランスホール脇にあるスケルトン階段で2階に上がるとシアタールームとプレイルーム、それからダブルベッドルームとジャグジー付きのバスルームがある。

キッチンとランドリールームの真上はウッドデッキのルーフバルコニーで、チーフさんが言うようにバーベキューが出来るように専用のコンロや屋外用家具か置かれていた。

また、1階のテラスとこのルーフバルコニーを繋ぐスケルトン階段もあり、下のインフィニティプールにも直行出来るようになっている。

これまでに泊まったことがないような広さと至れり尽くせりな設備、それから周りの景観も合わせて凄いという言葉しか出ない。

これからしばらくの間はとても楽しい時間が過ごせそうだと私は思うのだった。


〜 to be continued ~