5日の夜は父、私含めた三姉妹、そして敦が付き添った
一晩中苦しそうに聞こえる呼吸
ずっと声をかけ、頭や手足を撫でた
父は一度自宅に戻っていた
父は元気そうに見えても86才…
身体を休ませないと倒れてしまう
しかし
父が居ないとわかるのか、呼吸が止まったり
誰かを探すような仕草をする
「呼んだ方が良いか?」と上に問い、22時に敦に連絡を取り、連れてきてもらう。
父は「最後に会えなくてももう十分」と言ったが
敦が「じいちゃんが良くてもばあちゃんは側に来て欲しいと思ってる」と言って説得した。
陽の射してきた朝7時15分、最後力いっぱい踏ん張って乗り越えるように旅立って行った
本当に穏やかな表情になった。
6日はひまの誕生日
「なんでひまの誕生日にばあちゃんが亡くなるの?」
「ばあちゃんからの命、生きる事を教える大きな大きなプレゼントだよ」
「そんなプレゼントいらない。9歳になったひまを見て欲しかった」
吐き気がして苦しくなった
「大きく息を吸おう。ひまはまだ身体も心も小さいから、この大きな大きなプレゼントはすぐに受け取れない。少しずつ大きくなって、少しずつ受け取って行こう。だから見守っていてねって伝えよう。」
「うん」
言葉に出して伝え始める
「まだ残ってる」
「何が残ってるの?自分に聞いてみよう」
聞きながら言葉を出す
「ひままだ小さいから怖かった。」
「怖くて当たり前だよ。ババも怖かったよ。小さいってわかった事、言えるようになった事が少し大きくなってお姉ちゃんになった事だね」
「怖くて、小さくて良いの?」
「うん。それがわかれば大きくなろうと出来る」
だんだん楽になってくる
そして
大きく温かいものを胸に感じる
「あっ、ばあちゃん笑ってる。
早く寝なさいって言われた…ばあちゃんの声が聞こえるようになった」
8日から学校が始まった
「行ってくるね、ばあちゃん」
と綺麗なお顔で寝ている母に声をかけて出かけて行った。
沢山の大きな大きなプレゼントをみんなに残して旅立って行った