「金の角持つ子どもたち」 | シンプルライフ@Tokyo

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こどもとの日々。おうち遊びのキロク。

ブロ友さんの記事で拝見して、すぐに購入して読みました。

 

 

サッカー少年だった男の子がサッカーをやめて6年生からの受験勉強スタートで、筑駒(と思われる最難関国立中)を目指す日々が描かれた小説です。

 

この前ふりだと単なる中学受験本に思えますが、読み終えた私の感想は全く違うところに。各章でフューチャーされている人物が違うのですが、主人公の少年だけでなく、それぞれの人物の人生が垣間見えるとてもよい本でした。

 

一番グッときたのは、塾講師が校舎トップの女の子に言葉をかけるシーン。

 

「その恵まれた能力を、自分だけのものにせず、多くの人にわけてあげてほしいと思ってる」。そしてそれに続く講師の思い。「自分の声は切実だった。誰もが強く生きたいと願っているのだ。自ら弱者になる者など、どこにもいない。だから弱い人を見捨てないでほしい」

 

そうなんですよね。この本には人の弱い部分だったり、様々な弱者が描かれていて、中学受験というと、そもそも受験できるという時点で社会的な弱者ではないことがほとんどなので、だから読み進むうちにそのギャップというか、想定外の展開にどんどん引き込まれていきました。正直、後半は主人公の受験の合否ではなく、違うところにこの本のテーマがあるように感じました(個人的には塾の講師が主人公なのではと思ったりも)。

 

この著者の本を読むのは初めてでした。賛否両論あるようですが、私は読んでよかったです。ブロ友さん、素敵な本をご紹介してくださり、ありがとうございます。

 

最後に、上記とは別で、娘の中学受験視点で、グッときたところをメモ。

 

「努力することの確実さを、小学生の頃に肌で覚えてほしいとおれは思っている。勉強は努力を学ぶのに一番適した分野だ。学力は人生を裏切らない。到達点はもちろん人それぞれ違うものだが、勉強に関していえば、努力をすれば必ず結果がついてくる」

 

努力。

今の娘には、一番遠い言葉です照れ