どっかの本の特集かなんかでありましたね。
それのCG会社版です。今回はアニメ業界というかCG業界的な話です。
10年近くCGやらアニメやらの現場を見てきましたが
どういうわけか、素晴らしい事に、不況と叫ばれる昨今でも
CGやアニメなどは仕事が飽和状態な様子です。
とにかくどこも人が居ない(いい人材)これは、どこでも聞く話です。
ところが、現場はここ何年か、様子が様変わりしてきています。
外国人を雇用したり、海外に仕事を発注する会社が増えてきているのです。
これには大まかに2つの理由があります。
・安い人件費
・人材の確保
別に驚きもしませんね。ごく自然な流れです。
デフレと言うのはすべての値段を下げていくんですね。
それは日本全体で起っている事で、この業界に限った話ではないです。
そうなった時、日本人のCGアニメーターとしては仕事が無くなっていくのでは?
と危機感を感じますよね・・・
ただ、今はまだそうなっていません。
それは、まだまだオフショアの制作体制がうまくいっていないからです。
大手のプロダクションのプロデューサーが口を揃えて言います。
「難しい」と。あまりの煩わしさに嫌気をさして撤退する会社もあるそうです。
ただこれは時間の問題と考えるのが自然でしょう。
なぜなら、近い将来、日本の人口はこれから減少していきます。
そうなったら企業は、海外の人材に目を向けざるを得なくなります。
あと7年後の2020年に、中核を担う、30代人口は20% の減少。(※統計局HP調べ)
なんと、2030年は30% の減少。。
日本の民族としての危機感を感じますね。。
「人が減れば仕事も減るんじゃないの?」
そんな意見もあるかと思いますが、おそらくそうはならないと思います。
電気使用量や、インターネット回線は人口が減少しても減るどころが、拡大曲線を維持し続けています。
映像の媒体も増え、より多様化し、消費スピードも増えていくという流れは、そんなに変わらないのではないかと言うのが僕の予想です。
アニメ業界は現段階で作画の大部分を中国、韓国に発注していて今のコンテンツの本数が維持できている状態です。量産なんかしなくてもいいじゃないか?という意見もあると思いますが、本数が減れば減るほど、産業が衰退することを意味します。
分母の人数というのは人材育成の面からも、結構重要なのです。
ようやく、まとめに入ります。
未来のCG業界的には、外国人と働くのが当たり前になり、オフショアも盛んに行われるのが当たり前になり、外国の制作拠点を持たない会社は、制作能力のダウンは免れません。
大きな流れとしては、主にフィリピン、マレーシア、ベトナムなどのアジア圏の制作拠点を持つ会社が生き残っていき、そうでない会社は制作会社としてではなく、企画や演出、コンセプトデザインなど小数精鋭プロ ダクションにシフトしていかない限り、生き残るのは難しくなってくると思います。
ただ、例外を挙げておきます。
スタジオジブリの宮崎駿監督はポニョ制作時あるコメントをしました。
「ジブリが今まで生き延びてこられたのも時代の逆を行っていたからだ」と。
実はこれも戦略の1つです。
時代の大きな流れに逆行するのは、ものすごいエネルギーと鋼の精神が必要になります。
大きな波に飲まれなければそれは孤高の存在として輝けるのです。
大きな流れに乗るか、はたまたその逆を行くか。
それは人それぞれです。ただ流れには逆らわない方が、圧倒的に楽ということですね。
CGを継続して作っていきたいのであれば「外国の制作拠点を持っている会社が有利」というのが、これからの大きな流れになって行くということですね。