お風呂に入ってて、急に思い出したことがあって。忘れないように書いておこう。
ドイツで一人で電車に乗っていた時。
隣にスペイン語を話すお父さんと、小さい男の子(推定4歳か5歳)が乗ってきた。
男の子は、ドイツ語の絵本を取り出し、読み始めた。
私は横からその絵本を覗いていた。
すると、覗かれていることに気がついた男の子は、少し私の方に絵本を寄せてきた。
で、ページを捲る前に私を見てくる。
私が、頷くと(読み終えた合図)男の子はページをめくる。
なんて可愛いの!!
お父さんがスペイン語で話かけていたけど、絵本はドイツ語だったから、ドイツ語も話せたのかもしれない。
(移民で、バイリンガルなのかな?)
だけどね、言語を超えたコミュニケーションだよね。
優しすぎるやん。
可愛いすぎるやん。
最初、「うわ、めっちゃ可愛い子乗ってきた。」と思ったから、見た目も天使。
わけわからん小さいアジア人のお姉さんの横に、嫌がりもせず座って、絵本一緒に読んでくれるなんて!
ドイツの幼稚園を見学に行ったこともあったのだけど、やっぱり子供によっては、
「何それ〜、変なの〜。」とか(持ち物とか、話し方とかかな)言ってくる子もいて、(私は日本でもそう言われているから、全く気にならないのだけど。)自分と違う奇異な者に対して、子供ならではの無邪気な悪意を向けてくる。
結局、外国人かどうか、人と違うかどうかじゃないんだよね。
差別、区別の気持ちが元々ある人は、同じ民族でも差別するし、クラスメイトにも意地悪するし、嫌なやつなんだよ。
優しい人は、誰にでも優しいんだよ。
私はドイツで本当に優しい人にたくさん出会って、幸せな時を過ごせたのだけど、確かに嫌なやつはいたと思う。
ちゃんと給料払わないイタリア人オーナーとか、(その時も代わりに怒ってくれたドイツ人がいた)ドイツ語も話せないくせに!と順番を抜かしてきたおじさんとか、(もう話せるようになっていたから、話せるわ!順番抜かすんじゃねー!と喧嘩した)払った電車代を、払ってないと言ってもう一度払わせようとした駅員とか、(もう払ったのに、絶対払わない!あなたじゃ話にならないから、別の人を呼んできてくれ、と喧嘩した)。
こうして書いていると、私も舐められたらあかん、という気持ちでいたのが良くわかるな。オラオラしとる笑
でもやっぱり優しい人の方が多かった。
電車でヘッドホンの音漏れが大きくて迷惑かけていた時も、赤ちゃんを連れたお母さんが、肩をトントンって叩いて、
「音が漏れているから、もう少し小さい音で聴いてくれない?」
って優しく言ってくれたり、
電車が急に止まって、アナウンスが聞き取れないって言ったら、同じところに行くから、一緒に乗り換えようって言ってくれて、重たいトランクを代わりに持ってくれたイケメン大学生もいたし、(一回叫んどくわ。「惚れてまうやろー!」)
ウイルス性の風邪をひいてしまい、声が出なくなった時行ったお医者さんも、筆談してくれて、私でも分かるように一生懸命説明してくれたし、ほとんどの人が、知らない国から来た小さい女の子に優しく優しくしてくれた。
何の気なしに道を聞いた人が、目がいっちゃってるホームレスだった時は、「ヤベー、逃げようかな?」と思ったけど、ホームレス仲間を集めて、真剣に博物館への道を話し合ってくれた。
「いや、もう本当大丈夫です。」って言ったけど、謎の使命感に満ち溢れるホームレスたち。
ドイツで暮らしたあの時は、人の優しさが滲みたな〜、と思う。
やっぱり心細かったんだよね。
でも精一杯、平気な顔して生活していたから。
だからファンタスティックビースト2を見ていたら毎回、クイニーがフランスで不安でひとりぼっちに思えているシーンで、クイニーを抱きしめてあげたくなる。
こういうドイツでの話を、なんどもしちゃう。
でも許して欲しい。
思い出すたび、口に出したり、書いたりして、ずっと忘れないでいたいのです。