2017年5月読書メモ | あざみの効用

あざみの効用

或いは共生新党残党が棲まう地

 

 

 

 

 

 

 

分析中身ではなく、文体や若手官僚が国を憂えているというだけで好意的な反応が目立つことに萎える。それこそ「会議でスマートに見せる100の方法」の一つとして使えるかなという次元、普通にリベラルアーツを高めるべきだと思うのだが産業振興政策の先行きは暗いね。

この手の皮肉大好き!ただし冷笑的態度ではなく「本気」でこの本に書かれているような事例の実践をする人間の方が評価される現実があることを踏まえると喜劇なのか悲劇なのか演者(サラリーマン)にとっては分からないけどね。一番のお気に入りは「ホワイトボード戦術 描くだけでスマートに見える21個の無意味な図形」。

 

「ひとの小さなアイデアにケチをつける方法」⇔「ひとの大きなアイデアにケチをつける方法」
―革新的じゃなくない?                 ―革新的過ぎない?
―飛躍的な成長をもたらす?                        ―これをどうやってロードマップに落とし込むの?
―みんなが望む未来がこれ?                       ―方向転換にならない?
―それ、もうとっくに消えたと思ってた。            ―机上の空論じゃない?
―これのどこがすごいの?                            ―ピントがずれてない?
―でも、アップルがもうやってるんじゃない?     ―でも、どうやってテストするの?
 

 

西欧の著名女王・王妃列伝。全盛期や生涯ではなく、最期に絞って照射するのがまさに棺覆いて―を地で行く構成。ブルグント女王やセルビア王妃などこの書で初めて知った人間も多数。一番面白かったのは、ナポレオン皇妃(初代・3代)いずれも旦那が失脚してからの人生がむしろ輝いています。

今年の1冊確定。エッセー的に様々な毒々生物を取り上げながら、毒々生物という具体的観点から人類への影響・未来へとさまざまな観点から知的刺激を与えられた。ヒトの免疫機構を考えたときに細菌やウイルスだけでなく、「毒」も範疇に含まれるというのは盲点。それこそアナフィラキシーショックなど考えれば自然と腑に落ちる―そして、そこから山田風太郎ばりに自家免疫実践者(毒に対する耐性を強める試練)の跋扈に至り笑うしかなくなる。「進化」という観点だけでなく、抗毒素科学という「医療」面で既にその有用性が実証・先行き明るい一面にも触れられた。―「毒」が古来より人気ジャンルであり続けていることに根拠あり。

経済・社会学に続き政治学として三部作たる一冊ということだが、読後感は著者の政治学観として実学として経済学に溶けたという解釈かな。ただ政治がメディア消費材(闘争・選挙勝敗・失言)に堕ちた中で、源流に遡り、民主主義と自由主義を分離し決してお互いが必要十分条件ではないことを理解することや、家政を元祖として経済学と政治学は生まれは同じと知ることの重要性など基礎部分をなぞるだけでも十分楽しい。