減税か給付か | フラクタルの森 玄明 陰陽学  

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減税か給付か 

国会の議論を聞いていると、この議論がされていた
給付を積極的に推す意見もある。
考えてみると、この議論は常に付きまとうことでもあるだろう。
給付は、原則、税収から行われることなので、収入と支出の問題が常に付きまとう

今、MMTの考えの延長で積極的な財政出動の考え方が強い
そのせいなのか、減税という即効性の乏しいことよりも給付という即効性のあることを推す意見が多いようだ


政治家たちの心の中を覗いてみると、どうも、お役に立ちたいという思いからでは有るのだろうが、これ見よがしな意見になっているようにも見える
私たちは仕事を国民の為に立派にやってるということをアピールしたい気持ちが有るのだろう
しかし、「なぜ」役に立とうとしているのか聞くと、帰って来る本心の言葉が見えてくる
役に立つ自分をアピールして選挙の時に票を入れて欲しいという思いだ

今、選挙制度、政治の在り方がポピュリズムになっている
要するに即効性とも言えるのかもしれないが、表面的にすぐ見えるような対応をとろうとする傾向がある
陰陽でいえば、陽の表面的なことで仕事が成される
遠回しなことはないがしろにされる傾向性だ

それが、この陰陽学で一番に問題にしているところだ

この遠回りな事、言い換えれば落語話にある「風が吹いたら桶屋が儲かる」である
この落語話でもわかるように、原因と結果の連鎖で物事は流れていくのだが、途中に何かが入ると非常に分かりにくくなる
頭のいい人ほど途中に何かを入れて自分の都合に合わせようとする
MMTの理屈を入れる人たち、または、自国通貨建てでの借金で財政破綻することは無いと思い込んでいる人たちは、政府の赤字は問題ないように思ってしまうようだ

だが、シンプルに考えるなら、どんなに繁栄発展した国家や文化文明でも、自堕落な施策をとっていると必ず破綻している
なにが自堕落な事なのか、何が悪なのか、よくわからずに積み重ねたことが、その集団の没落の原因になっている
この因果の法則は決定的だということを肝に銘じなければダメだ

減税か給付か、収入か支出か、物事には二つのベクトルが働く
原因と結果、他者と自己という陰陽の関係と同時に
それぞれにアクセルとブレーキの陰陽の要素が働く
税金にも給付金にも同じ事が言える

アクセルとブレーキをかけようとするなら、前提としてエンジンが回り進んでいる状況がある
そしてハンドル操作で状況を見極め方向を修正し、状況によってアクセルやブレーキのオンオフや加減が必要になる
どのような事でも車などの運転と同じ要素があることを考えに入れておく必要が有る

この国会での議論もそうだけれど、国家の運営でもそうだけれど
前提として国家という車は動いている
エンジンが回っているのだ
エンジンが動いているということは、エネルギーが常に供給されている
その動力があればこそエアコンに使ったり車輪を回したりいろんなことに使える
要するに、乗り物を動かすにはガソリンに頼るなり、もしくは、人力に頼るなり、何らかのエネルギーに頼る必要が有り、それらエネルギーの源泉を見るならば、わらしべ長者の話にも通じる価値の変換が行われている
結局、何も無い所からエネルギーは生まれてこない
究極の分かるところでの最初のエネルギーはどこから来るかというと、「思い」だけだ
これは、創造主の思いに起源を見るしかないことでもある

話が大きくなりすぎたが、できるだけ深く考える必要があるということ

今、世界中が国家体制で運営されている背景には、人力とは言えないかもしれないが、人々の思いを起源にして、その思いが産み出したエネルギーで運転されている
そのエネルギーを信用価値という風に翻訳するならば、その価値からエネルギーを取り分けて国家運営というハンドルを握り操縦しているのだ

誰が、どんな人がハンドルを握っているかでその車の未来は決まってくる
そして、その車が現在持っているエネルギーがある
そのエネルギーを使うしか方法は無い
そのエネルギーである信用価値(あらゆるものが含まれる)にも限度がある

今、そのエネルギーを政府がとり過ぎているから、景気、要するに進むスピードが落ちている
そうであるなら、単純にそのエネルギーを吸い上げているのをやめるべきなのだ
政府の規模が大きくなりすぎている、世界中がそうだろう
それが、良い仕事をしているならいいけれど、サイドブレーキをかけながらアクセルを踏んでいるような状況が世界中に有るのかもしれない

良かれと思いやっている仕事で、本当はそれが良くない仕事なら始末に悪い
政府組織が大きくなり、そのような仕事が多くなれば、あちらこちらでエンジンのパワーロスが起きて思ったように進まないだけでなく、あちらこちらで摩擦を起こして火種にもなるだろう

色んな理屈はあるが、結局はシンプルさが不足している
原理原則、因果応報を捕らえ、自己中や結果主義にならず
要するに利己主義に陥らないことが大切なのだろう

小さな政府を目指し、国全体が持っているエネルギーを適切に有効的に使えるかどうかだ