【質問】
ある芸能人が占い師の洗脳によって数億円を占い師に貢いだという話がありました。これも負のカルマの返済なのでしょうか?こういった被害者の方々はどうして被害にあうのでしょうか?因果応報なのか、ただ単に引き寄せただけなのか。
【回答】
起きた出来事を過去形で見るときに、不運、苦難は、前世あるいは今生における過去の行為の負債を返済したといえます。これから起きる出来事を考えるときには、今の自分の意識が関与しますので、未来は変化します。それゆえに今の心のあり方が大切です。未来の出来事には今の己の意識と、過去の己の意識と、過去世の己の意識が関与し、その合計あるいは修飾により、未来が変わります。その中でも今の意識がもっとも重要です。そこが自分の自由意志が関与できる場所だからです。起きた出来事を過去形でみれば、その出来事に自分の意志は関与できません。すでに起きてしまったことですから。だまされて大金を失ったとすれば、過去世で人をだまして大金を奪ったのかもしれません。
ところで、そういったカルマの問題と、犯罪者を裁く問題とを混同しないことが大切です。殺人事件が起きたら、「死者はカルマで死んだので犯人は無罪」ということには絶対になりません。カルマの法則は天の法則だとすれば、国の法律は地の法則です。仮に、刑が軽くすんでも、犯人は自分のカルマでやがて同じ苦しみを背負うことにはなるのです。「カルマの法則」と「引き寄せの法則」は同じ法則を言い方を裏表で表現しているだけで、本質的には同じものです。人の意識に浮かべたことが再現されるのが基本法則です。前世のカルマとは前世の自分が浮かべたものを生まれ変わってから引き寄せているだけです。
自分が浮かべた想念がブーメランのように自分にもどるのです。誰でも前世での引き寄せ、カルマの影響を受けています。今の自分がいくら幸せを引き寄せようとしても時間がかかる、困難が多いのであれば、それは前世からの引き寄せによる相殺作用を受けているのです。前世のカルマとはこのように現世の引き寄せを修飾します。前世でのマイナスカルマが多い場合は、今生で幸福を形にするのに障害物も多くなります。その障害物を克服することは、魂の練磨、魂を磨くということを兼ねていて、一石二鳥の形になっているのです。
過去に積んだ善行によって生まれたプラスのカルマを資源として、幸せが現実化しています。なので、何の善行の貯蓄も過去にない人が、ただ念じていたら大金を得るとか幸運をつかむなどということは、起こりえないのです。受験勉強なしに一流大学に合格できないのと同じことです。すべては原因と結果の法則なのです。引き寄せの法則イコール、カルマの法則という、シンプルな原理です。そのうえで、大事なことですが、カルマだからあきらめるというのはもっとも後ろ向きで誤った考え方です。
これからのことは、今の努力や心によるのですから、災いを未然に防いで運命を好転させる今の努力が必要です。犯罪防止、戦争防止、事故防止、安全保障すべて同じです。それがただいま、ただいまの努力です。困っている人がいたら、「本人のカルマだ」と放置するのではないのです。自分自身の愛と真心の発露として、人を救い、助ける行為を積むことが積善であり、魂を磨くことになります。徳を積むと幸せになれるということです。善因善果、悪因悪果ということです。わたしたちは、善因善果のほうに着目し、善因を積み重ね、目の前の人生に前向きな努力と、良き未来を信じる希望をもって、ただいまの目前に全力を尽くして生きるために、この世に生まれてきたのです。
あなたの目の前に現れた不運や不幸が、人間による犯罪であろうと、戦争であろうと、地震などの自然災害であろうと、そこには、偶然というものはなく、因果応報の作用がその背景に働いています。それを悟ることは、決して、あきらめるためではありません。困難や不運を雄々しく乗り越えて、積善の生き方をつらぬくことで、試練に打ち克ち、幸せになるためなのです。この本を読むとさらに理解が深まります。