こんばんは。神谷です。
スゴイ記事タイトルにしてしまいましたが、石田梅岩の「石門心学」というものがあったからこそ、日本には、アジアに先駆けて資本手記が根付いたという事を語っている本です。
とはいえ、そんなに堅苦しい本ではなく、石田梅岩と、石門心学の発展を小説風にして書いてある本です。
この『本心 小説「石門心学」』 は、東京のはずれ、江戸川区篠崎にある”読書のすすめ”の清水店長のおススメの本として、数年前に購入しました。
当時は、『本心 小説「石門心学」』 を題材にして読書会なんかも開かれていました。
『本心 小説「石門心学」』
は石門心学の始祖、石田梅岩の子供の頃から、丁稚時代を経て、石門心学の開塾、塾の発展、石田梅岩の死、弟子たちが石門心学を日本中に発展させていく話がわかりやすく載っています。
清水店長から聞くまでは、「石門心学」なんて全然知りませんでしたが、本を読むと、成る程、日本の資本主義の基になっている教えなのだなという事が分かります。
「石門心学」についての本は、探すと意外と多くて、どのような学問かという事を知ることができます。
実は他の本をチョイ見してみたのですが、これがけっこう難解で。
『本心 小説「石門心学」』 が一番わかりやすいのではないかと思います。
石門心学の考えは、カンタンに言うと、
人間には「本心」というものがあって、本心に正直に生きること。
「本心」とは、勤労の心である。
勤労によって人々の心は安楽になる。
この、「勤労」が人間の本質であるというところが、資本主義の考えにマッチしたというのです。
カソリックの考え方だと、勤労は神から与えられた罰であるのです。
日本では勤労が人間の本質という考えがあるので、働くことの喜びを持ちやすく、それが経済を発展させたと考えるのですね。
そして、「欲」が行動を誤らせるので、質素倹約に努めるべきである。
というのです。
質素倹約に努めるというと、ちょいとつまらない感じがしますが、人間の欲というのは際限なく、知らず知らずのうちに欲は拡大していくので、質素倹約気味に暮らすのがいいというのは納得できることです。
さらに、「本心」とは、「絶体の善」であるという事です。
電車が時間通り来る、
郵便が早く確実に届く、
と言ったような、約束を守るというのは、この「絶体の善」からきている。
約束を破ると心にある「善」が痛むというのですね。
西洋では、「契約」によって約束が守られますが、日本では「善」が約束を守らせるというのです。
『本心 小説「石門心学」』を読むと、今の日本人の良いところは、この石門心学からきているのか・・・・という事が分かります。
教科書には載っていませんが、石門心学はかなり日本人の心に影響を与えたようです。
日本人の心のルーツ(?)を知りたい方はこの本をどうぞ。
『本心 小説「石門心学」』 は絶版ではないようなんですが、新刊は手に入らないようです。
Amazonで中古本が手に入るようですが、とんでもない金額がついています。
新刊の値段のはるか上をいっています。
それでも、・・・・・という方は、以下からどうぞ。