master piece37 | 1年だけ先輩。(基本お山)

1年だけ先輩。(基本お山)

やま。いちご。そうぶせん。

理解した方だけしか読まないでください(笑)
ごにんに心奪われ続け、眠る身体も起き出す状態です。

脳内妄想を吐き出す場として利用しようかなと思ってます。
ご気分害されたらごめんなさい。
※主軸は21です!

※妄想のお話です。

 

あかん。誕生日間に合わん…!。゜(´∩ω∩`)゜。

忙し過ぎる~うえーーーん!!

コロナ~~~!!ヾ(╬`Д´ )ノ

そして、このお話。ほんとに。

途切れ途切れしまくりでごめんなさいでした!!!m(_ _)m




 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ザザ…

 

波の音はいつも同じように思えて毎回違う。

 

天気にも、人の心にすら左右されているようだ。

 

 

あの日から毎月、欠かさず島を訪れている。

 

おかげさまで仕事が忙しいから日はバラバラなんだけど、出来るだけ出会った日に合わせて。

 

ここへ来たのは何度目だったかな。

 

もう数えるのも忘れちゃったよ。

 

 

今日の波はどこか優しい。

 

だけどしっかりと包み込んでくれるような力強さを感じる。

 

まるで智くんみたいだ。

 

夕日に照らされた水面は青とオレンジが入り混じって独特な色で光り輝いている。

 

あなたはきっとこれを見て『綺麗だね』と優しく微笑むだろう。

 

見慣れたはずの景色さえも、あなたが隣にいたらどれだけ輝くだろう。

 

 

「♪君にはもっと この先ずっと 笑っていてほしい…」

 

 

口ずさむと、かき消されるどころか波に乗ってあなたの元へ届く気がしてしまう。

 

ねぇ、智くん。

 

きっとあなたは海の近くにいると思うから。

 

そっちの波はどう?

 

魚、釣れてる?

 

また竿を置きっぱなしにしてない?

 

…まただ。

 

気付くと頭の中で智くんに語り掛けてしまう癖がついてしまった。

 

妄想の中でも答えてくれない智くんは、どこの海にいるんだろ。

 

まずもって日本かどうかもわからないけど。

 

そうだ、瓶に手紙でも入れて海へ投げてみようかな。

 

…流石にそれはヤバイ奴か。

 

そもそも仙人って山だよな?

 

山…熊とか大丈夫なのだろうか。

 

金とかも困ってないのかな。

 

あの4万、受け取らなきゃ良かった。

 

まだ使わず持ち歩いてるなんて言ったら「もったいねぇ!」って怒られそうだね。

 

けどさ、俺はあなたがもし戻ってきてくれたら、このお金を返したいんだ。

 

だってレッスンしてくれたのには変わりなかったから。

 

とは言えきっと受け取らないから、じゃぁこの金で似顔絵描いてくれって頼もうかな、とか。

 

どう思うかな。

 

ねぇ、智くん。

 

 

…ああもう、結局いつも振り出しだ。

 

智くんはきっと、どこかで楽しく過ごしてるはず。

 

自由に生きているはず。

 

そう信じるしかないんだから。

 

しっかりしろ、櫻井翔。

 

…智くんは俺のことなんて忘れて楽しく過ごしてる。

 

そう信じることが一番いい。

 

…ちょっと寂しいけど。

 

「んーと…女々しいな俺…。」

 

苦笑して踵を返そうとすると、

 

 

「バカだろ。」

 

 

優しい罵倒に体中の動きが止まる。

 

「ダセェって笑ってたくせに何勝手につけてんだよ。

何かおいらがすべったみたいじゃん。『桜大根』。」

 

ゆっくり振り返ると、夕日に照らされたシルエット。

 

影は長く伸びているけど、猫背が丸わかりだ。

 

「それにうるせぇんだって。周りの奴らが『めちゃくちゃいい曲だ~』とか『すごい感動的な小説が~』とか、勝手に紹介してきてさぁ。」

 

視界が滲むのを必死に食い止めるけど、それももう無理そうだ。

 

「はじぃんだって。…何か、身内…褒められてる感じっちゅーか…。」

 

ぼろりと生温かい水が頬を伝っていく。

 

「まぁ…仙人になるとか言っといて人のいるとこにいるおいらが悪いんだけど。」

 

笑いながら、その距離はどんどん縮まっていく。

 

 

優しい笑顔が。

 

だんだん、クリアになる。

 

 

「…智くん…。」

 

ようやく絞り出した言葉は少し震えている。

 

「なぁ、せんせぇ。」

 

懐かしいその言葉に、鼻奥がツンとする。

 

「…まだ、先生の隣、空いてる?」

 

当たり前だ、と首を大きく縦に振る。

 

「…あなた以外、誰も、…っ」

 

言いかけて涙に言葉が詰まる。

 

もっとかっこよく出迎えたかったのに。

 

年上らしさを出したかったのに。

 

「…だいぶ待たせちゃったけど。言ってもいい?」

 

智くんの目も、潤んで赤く染まっている。

 

ブンブンと頭を上下に肯定する。


 

智くんが『自由に選ぶ』先の答え。

 

ずっと聞きたかった。


 

好きに生きてみて

 

それでも『もう一度』と思ってもらえたなら

 

それはもう、『役割』なんかじゃない。


『智くんの意思』になる。

 

 

智くんがゆっくりと近付く。

 

その距離が詰まる程、心臓は大きく高鳴っていく。

 

「……いくよ?」

 

うん…。

 

 

…ん?

 

いくよ?

 

 

その瞬間、視界が茜色になった。

 

え、空?

 

そう思った直後、ザバンッと水に身体が包まれる。

 

突き落とされたのだと気付いたのは、遅れて水面を揺らした智くんの顔が笑ってたから。

 

泡(あぶく)と共に智くんが一気に俺に迫り、ぐいっと襟を引っ張られ──

 

 

夕日の赤と、海の青の混ざる水中で

 

キスされた。

 

 

 

ぶはっと海面に出て息を整える。

 

「げほっ…ちょ、何!俺ポケットに携帯入ってんだけど!?」

 

防水だけどさ!!

 

ビビんじゃん!!!

 

何だよいきなり!!!!

 

けどそんな俺を気にもせず、マイペースに智くんが優しく笑う。

 

 

「んふふ、違うよ。」

 

「え?」

 

「他の人と、違う。先生は、違うよ。」

 

──俺も…あなたとそういうこと目的なだけだと思ってる…?他の奴らと…その親友と、同じだって…。

 

あの日

 

松本と二宮が来た日。

 

相葉くんの登場で聞けなかった続きの言葉。

 

 

「ほんとはさ、最初から好きだったみたい。会った日から。」

 

「…えっ…?」


どういうこと…?

 

「なんか、先生と話してたらすんげー楽しくて。松潤の話されてる時も、なんか…モヤモヤして。

先生が笑うと、心臓きゅーってなって。あ、もーちょい一緒にいたいなって。だから家来たいっつわれた時も船出したんだよ。」

 

そう…だったの?

 

「顔もイケメンだなぁと思ってたけど、それだけじゃなくってなんか落ち着くっちゅーか…

食の好みも結構合う感じだったし、前世兄弟かもな!?って盛り上がったんだよ。

あん時は好きとかは分かんなかったけど思い返せばそーゆーことかなって…離れてみて、だんだんそう思ってきてさ。

だから金も返さず一緒に住んでもらってたんだよなーって。

んふふ、先生なんもできねーのに置いときたかったもんな。」

 

…ウソ?

 

そんな話…初めて聞いたんだけど…。

 

「だからカズが来た時、れっすん終わったのにずっといてほしかったからなんも言わなかった。…ごめん。」

 

智くんが謝るから、大きく首を横に振る。

 

そんなの。

 

俺の方こそ。

 

あなたの優しさにつけいって、あなたの隣を離さなかったのは俺の方なのに。

 

 

「…先生、あんさ。おいらずっと言いたかったことがあるの。」

 

「…なに?」

 

何だって聞かせてよ。

 

あなたの声で。

 

あなたの言葉で。

 

智くんが俺に満面の笑みを向ける。

 

 

「…ただいま。……愛してる!」

 

 

俺は力任せに愛する人を抱きしめた。

 

逢えなかった日々の分を、思いっきり。

 

 

モノクロが色づき始める感覚。

 

あなたに言いたいことは、あの日から、ただ一つ。

 

 

「俺も、世界中で一番あなたを愛してる…!」

 

 

掠れる声でそう告げると、

 

…ばぁか。

 

と智くんが小さくつぶやく。

 

「…何回も聞こえてたよ。先生の、声。」

 

「…え…?」

 

「色んな曲。本も。全部らぶれたーみたいだった。先生、おいらのこと大好きだな?」

 

ふにゃりと笑うその皺の出来た目尻には、涙が滲んでいる。

 

 

~どこまでも深い場所まで二人堕ちてゆけるなら

 何も見えない闇さえ優しく包み込むから

 終わりなんて怖くないのさ

 

~だから…傍にいてよ

 

~迷うより悩むより

    君にとっての喜びを心から教えてあげよう

 

~これまでに経験もしたことない程

 動いてく 変わってく

   人を愛することの意味をほら、見つけられるの

 

 

ああ、届いてたんだね。

 

無駄じゃなかったんだね。

 

自分のしてることはめちゃくちゃ無駄なんじゃないかと、無意味なんじゃないかと


もう戻ってこないんじゃないかって過ぎったりして、やめたくなったり、息苦しくなることもあったけど

 

迷って、悩んで、立ちすくんで

 

だけど光を信じて過去を振り返らず自分の道を歩いてきたから、あなたに届いたんだね。

 

 

「おいらにとったら、先生の作ったやつ、ほとんど『ますたあぴいす』だよ。」

 

 

そうだね

 

愛する人に

 

あなたに届けさえすれば

 

あなたにさえわかってもらえれば

 

間違いなくそれは

 

俺の

 

master piece(最高傑作)だ。

 

 


「あのさ、俺…智くんにお願いがあるんだ。」

 

ちゃぷん、海面が揺れる。

 

俺と智くんの身体をゆっくりと揺らしながら。

 

「カレー。作ってくれない?…できれば、一生。隣で。」

 

ホタテが手に入ったら作ってくれるって言ってたけど、叶わなかったから。

 

智くんが少し驚いて、ニヤリと笑う。

 

「…一生カレーは飽きるだろ。」

 

「~~~~あ゛ーーーもうっ!だから!そういうことじゃなくて!!」

 

くそ~っ、プロポーズのつもりだったのに!!

 

智くんが笑いながら照れくさそうにうなじをさする。

 

「…約束してたもんな。…わかった。いっぱい食えよ?うめぇぞ?おいらから離れらんなくなんぞ?」

 

「手遅れだよ…。」

 

すかさず返した俺の言葉に、智くんは「あはははは!」と高い声で笑う。

 

「ほんじゃ、一生離すなっ!」

 

「…!言われなくても!!!」


 

この腕の中に閉じ込めた体温を

 

俺はもう二度と、離さない。





~また

 いつか笑ってまた再会

 そう、絶対。

 

 

別れは決して終わりではない。

 

繋いできた手は嘘じゃない。

 

これから先、どんなことがあっても乗り越えていこう。

 

俺にとってあなたという存在は、どんな場所でどう生きてたって変わらないから。

 

あなたはあなたの人生が

 

俺には俺の人生がある。

 

だけどその線と線が交差する時

 

その道は、太く、強く、確かなものになる。

 

これからの人生は

 

『俺らの人生』に変わるだろう。



そこに『意思』が交わった時


それは『永遠』に変わるだろう。


 

 

きっと あの日から 始まった未来を
いま僕らこの場所で 色付けているんだ
キミと僕の 同じ想いで描く色鮮やかな
明日を歩こう

 

そう誰より 一番近くで キミを感じるたびに
また一つ 生まれるストーリー
たった一瞬だけの 煌めきだって ずっと
胸に焼き付けたい
そんな風に 僕らの日々に 満ち溢れたキセキを
いま二人 探しに出かけよう
心のピントを すぐそばに合わせて
小さな愛の種を 育ててゆこう




END!