※妄想のお話です。
はーーーーーきわのきわまで!!!
嵐は!!!
ファンといることを選択してくれたのね!!!
昨日はお風呂上がりに大泣きしたよ!!w
いや~年末はめちゃくちゃ忙しいね!!
大掃除頑張って前日までに済まそ!w
近付くにつれ感情がジェットコースターになると思いきや、
なかなか落ちないっていう。
天井知らずです。
本当に優しい5人だなぁ…。(;A;)✨
「翔くん、ちょっといい?」
松本が智くんの家を訪ねたのは次の日だった。
東京に帰る前に寄ったのだと言う。
動揺することもない。
こいつが俺に話すことなんて一つしかない。
「智のことなんだけど。」
移動した何でもない石垣にもたれ、松本がたばこを取り出した。
前からコイツが吸ってた銘柄は久しぶりに受動喫煙するといやに鼻につく。
田舎暮らしではたばことは無縁だったから。
…そういや別れる直前は禁煙してたはずだけど。
ま、こんな状況だし吸いたくもなるか。
「…俺さ。智と付き合ってた。……と、思ってた。」
松本が語尾に小さく付け足す。
「でも、この前『何で松潤が心配するの』って聞かれて…すげぇビビッた。俺の気持ちって何も届いてなかったんだ、って。
智にとっては、俺が智をただ自分のモノにしようと、都合のいい存在にしようとしてただけで。一緒にいたいって気持ちが届いてなかったんだなって。」
苦笑いする松本にかける言葉が見つからない。
『変な奴なんだよ』
智くんが笑いながら言っていた。
松本の気持ちなんて知る由もない顔で。
「で、同時にすげぇ怖くなった。智にとってはそんな状態だったのに俺ンとこ来たこと。
…アイツは自分が愛されてることに気付かない。気付きたくないのか知らないけど、そのまま受け入れてるってことでしょ。
それが『自分の役割』だと思い込んで。自分を…殺 して。
…多分、今回も。『相手が望むから一旦受け入れる』ってことなんじゃねぇの?」
二宮の元へ行くことになったといった智くんの顔が浮かぶ。
笑ってたけど──寂しそうだった。
「智が幸せになれるんならいい。俺は幸せに出来なかった。正直智のことは忘れられてなかったけど、もうこの前でおもっきし玉砕したから俺はいいんだわ。
…けど…。これが本当に、智にとっていい選択になるのかな…って。翔くんは…どう思う?」
松本がふーっと煙を吐き出す。
形なく消えて空へと色なく流れてゆくそれは儚さを携える。
「…俺は…。」
言いかけた言葉が続かない。
智くんにとって。
最善は。
一体何なんだろうか。
二宮が望むから自分は行きたくないけど受け入れる。
もしそういうことだったら、俺は全力で止める。
だけど二宮が言った「俺ならわかってあげられる」という言葉がどうしても俺の足を引き留める。
俺にはわからない。
わかってあげられない。
それに絵の才能だって。
ここにいたって埋もれてしまうだけだ。
引き止めたとして、智くんが『役割』に縛られて生きている生活も、多分、変わらない。
俺の力じゃ、どうにもならない。
だけど…
それは本当に智くんが望む未来なのだろうか。
俺のエゴが混ざらずに
誰の都合も考えずに
智くんが智くんとして歩むべき道はどこにあるんだろうか。
松本は小さく苦笑して、「俺らが決めることじゃねーか」と呟いた。
その声は諦めとも自嘲ともとれる声で…
だけど確かにその通りで。
これは俺らが決めるべきことじゃなくて
智くんが決めることがすべてなわけで……。
狭い島での噂はどこから流れるかわからない。
『約一ヶ月後に智くんは引っ越しする』
噂…いや、事実は急速に広まった。
一ヶ月というのは智くんが残った仕事や身の回りの整理をする時間。
言ってしまえば、猶予だ。
俺は智くんがそれを望んでいるとは思えなかったけど
二宮の提案に頷いた智くんを知って、やっぱり口を挟めないでいた。
…相葉くんはしっかり言えてたけど。
「ねぇおーちゃん!やだ!!俺もっと一緒にいたいもん!!行かないで!!」
「…相葉ちゃん…。」
「あのねぇ高校生。大野さんは才能ある人なんだよ。島に閉じこもってちゃそれは花開かないでしょ?それともアンタ東京で養っていけんの?」
「…トーキョーは…まだ俺高校生だし…」
「でしょ?俺なら智を自由にしてやれる。それだけの金を稼いだ。画家へのパイプだって用意した。そのために必死こいて何年も頑張ってきたんだよ。」
相葉くんがぎゅっと拳を握る。
わかってんだ。
皆。
智くんには才能があって。
二宮が痛みをわかってあげられて。
『役割』にしたって、二宮から生まれた誤解なんだからそれを解けるのは二宮しかいないわけで。
これがきっと、智くんにとって最善の方法なんだって。
「…ねぇ翔ちゃん!翔ちゃんだって俺と一緒でしょ?!どうしてなんにも言わないのっ!!」
一緒。
恐らく、智くんに抱く感情のこと。
半泣きの相葉くんが俺の襟元を掴む。
状況が分かってるのに、そんな風に噛みつけるなんて。
若いってすごいよ。
大人になればわかることがたくさんある。
相手のことを考えれば考える程、何も言えることがなくなってしまうんだ。
ちらりと智くんを見る。
何か言いたげな、だけど何も言いたくなさそうな。
悲しそうな…。
「智くんは…いいの?それは…あなたの望む『自由』なの…?」
智くんは誰とも目を合わさず、こくりと頷く。
「おいらはどこ行ったって自由に生きるよ。だって『おいら』が自由だもん(笑)」
笑ってるのに、どうして泣きそうだと思ってしまうんだろう。
だけど
当の本人にこう言われてしまえば、俺はもう何も言えないよ。
「…智くんが望むなら…俺は…。」
「~~~~~っ!翔ちゃんにはガッカリだよっ!!!」
相葉くんは怒って俺を突き飛ばした。
そのまま走っていく相葉くんは、多分、正しい。
けど…多分、『正解』ではない。
「…いいんだよな、これで。」
自分に言い聞かせるように呟いた。
だって、俺は智くんと同じ景色を見ることができないから。
智くんの痛みなんて、絶対わかってやれないから…。