ドキュメンタリー映画『立候補』 | おもしろくまとまらない

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すごーーく面白かった!

先週観たときに冒頭の数分を観れていなくて、今日でまた印象が変わった。
1度目は最前列で、2度目は中央列の真ん中で観た。その影響もあるかもしれない。

今日の上映後、一緒に観ていた友人に「編集うまいよね~!」と言ったら「飽きさせない構成だよね!」と言っていた。(そう、それが言いたかった。)と思った。
どんどん進む展開で、あっという間に終わる100分間。笑うポイントも考えさせられるポイントもあって、1度目も2度目も人と居たからしないけれど、そのまま残って次の回も観たくなってしまった。

映画の中で、今回の立候補者ではない外山恒一さん、羽柴秀吉さん。
外山さんはカリスマ的に、羽柴さんは志を。どちらも、凄くかっこよく描かれているように見えた。かっこよかった。

メインのマック赤坂さんは、“やばい”けど憎めない人に見えた。
他の候補者もそうかもしれない。


私がマックさんの政権放送を初めて見たのは2012年の都知事選。

その日、候補者の誰かの放送を見ながら「なんかコントみたいだなぁ」と思っていた。
カメラが固定で手話の通訳さんとの距離感が変で不思議で独特な違和感があって、それをわざと作っているように見えた。ただ「なんかコントみたいだなぁ」は日々様々な瞬間に思うことで政権放送に限らない。緊張感があるからそういう風に見えたのかもしれない。

テレビから目を離して、しばらくしてまた観たらスーパーマンの格好をして急に立ち上がって首から下が映っている人がいた。「え、政権放送だよね?」と驚いた。すぐに名前を検索した。
当日か翌日かは忘れたけれど、ランチに向かう道でyoutubeを見た。twitterで「マック赤坂」と検索したら誰かがそのURLをツイートしていた。イヤフォンはなかったので最初は無音で、あとから音を出して耳元で聞いた。
衝撃的だった。家のPCで過去の動画も見た。確かその時に外山さんの動画も見た。

周囲の大人に「マック赤坂って知っていますか?」と聞くと、東京の人はほぼ知っていた。
ただ何者なのかを事細かに知っている人はいなかった。「スマイルなんとかの宣伝で出ているんでしょ」「政権放送の枠を金で買っている」「お金持ちだから」そんなような説明を受けて疑問を持たなかった。
ちなみに選挙に関心のないダメな若者の私が存在を知らなかったのはマックさんだけでない。いわゆる有力候補者のことも同じくらい知らなかった。(あと私は都民ではない)


そのまま、あまり知識も増えずに先週初めて『立候補』を観た。

Facebookページを“いいね!”して、Twitterアカウントをフォローしていた。気になっていたけどなかなか観に行っていなかった。
共通の友人に紹介されてずっとメールをしていた人との2回目のデートプランを私が考えると言って『立候補』を観ることにした。それでやっと観れた。めちゃくちゃ面白かった。

以下、うっとしい感じの感想

・京大の学祭入り口で演説を止める1人の学生への『就職できなくなるぞ』
・車通りの多い夜の道路で、車道の中央に行ってパフォーマンスをする姿

それはやっちゃダメなことだと思ったし、私には注目を集めようと意地になっているように見えてしまって、カメラがついている影響にも思えた。京大前「永遠にやるよ」は笑った。

最後のマックさんの息子さんが叫ぶシーンもカメラがついている影響あるんだろうなぁとちょっと思ってしまった。泣かせにかかる演出にはついつい反発したくなるから泣いちゃう精神のコンディションで見ても泣きはしないと思う。いや、泣いちゃうかも。

あと映画の頭の方の、選挙を管理する人達へマックさんが同じ300万円の供託金を支払いながらメディアが有力候補とそれ以外を分けることは選挙違反…と言っているシーン。
カメラの揺れが『マックさんは急に行動する』という演出に思えてしまった。それくらい他のシーンがきちんと映っていたから。あとその前のシーンで新聞を見ているところがばっちり映っていたから。膨大な素材から安定した映像を選んでいて、あのシーンは絶対に入れたいから…という理由だったりするかもしれないけど、会見での「1番嫌だったことは…」からの流れがすごーく印象に残るから、勘ぐりたくなる人多いんじゃないかな。

映画だけを見ると橋下さん達のイメージが悪い。大きい組織のイメージが悪い。だけどワゴン車から出てきた身体のでっかいSPもきっと嬉しそうにチャーハンとか食べるだろうし、喜んでチューペット食べていた過去があると思う。ドキュメンタリーは客観じゃないしその方が面白い。

最後の方のあの旗は怖かったなぁ。