らいだーじゃんぷ
家では仮面ライダーを見たことがなかった。
私は、ライダージャンプと聞いても、ぴんとこなかった。
仮面ライダーをテレビで見たことがなかったからである。ライダースナックなるものも売り出されていたが、食べたことがなくもちろんカードの存在も知らなかった。
そんな私に、その頃親しかった友人が「俺、ライダージャンプできるんだぜ、近くの○○公園で何度もした」
と自慢した。
私は、どんなものか知らなかったので、
「ホーそうか、なら、一回見せてくれ」となにげに答えた。ジャンプと言うから、飛び上がるんだろうぐらいにしかおもわなかった。
すると、すこし、間をおいてから、
「よし、見せてやる」
といった。
友人はそのころ、補助輪付きの自転車に乗っていたが、それに意気揚々とのり、
公園に着くと、そこに工事のためだろうか、積み上げてあった土砂に向かって自転車を走らせた。
「おっ」
私は期待した。
彼は、その山をどーんと乗り越えるのだろう。どうするかわからないが。。。
彼はどんどん、山を登っていく。補助輪をきしませながら。
「あー、山から飛び上がるんだ」
そして、彼はそのまま、てっぺんに来た。そして…そして、彼はそのまま下りた…
おーい。どこにジャンプがあるんだ…
「みたか。俺のジャンプ。すこしとんだだろう?」
私の意識が飛んだ。。。
ライダージャンプを後日再放送で見た私は、「子供では無理だ。言ってみれば、ライダーに自分を重ねることで同一化、ヒーローになりたかったのだ」と納得した。
橘です。おーいかんけいあるのかよ。
関係はとくにないっす。
ぺこり。