無理なものは無理。 | まいけるのおうち

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なんとか続けてます。

エホバの証人信者の方に質問です。

「信仰心全く無いですしものみの塔協会という組織も全く信じられません。ですが、エホバやあなた方のことは大好きなのでエホバの証人になりたいです。宗教活動以外のことならばなんでもしますので、仲間の信者として認めてもらえますか?」

真顔でこんなこと言われたら、控えめに言って「この人、普通じゃないよなあ」有り体に言ったら「こいつ馬鹿なの?」って思いますよね?


これね、輸血が必要になった時にお医者さんが感じることそのものなんですよ。「輸血以外のことならどんな手術でもします!」って言われてもお医者さんは「そりゃー不可能な要求ですね」と思うだけです。

技術レベルが低いから無輸血で手術できないんだ!→宗教心なしでJW信者になれる方法を知らないから拒否するんだ! と言われても仕方ないですけどそれでいいの?ってことになるわけです。

絶対に無理なこと言ってるの少しはご理解されたかなと思います。



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少し真面目な話をしますと、医療現場というのは訴訟リスクを恐れています。医療は少しでも良い方法があればそれを行うという連続ですので、手を尽くしたけどダメでした。というのは当然のように起きるわけですが、中には「納得がいかない!おかしい!」と言って医療機関や医師を相手取って訴訟を起こす人がいます。手術前に説明していた家族以外の方が原告になることも多いようです。

そういう状況の中、「無輸血で手術してください。免責証書も署名して出しますから!」と言われても医師側は困るわけですよ。無輸血で手術して助かればよいですが、そうでない場合、手を尽くしたとしても前述のように他の家族が「最善を尽くす努力を怠ったから患者が亡くなったのだ!」と言われたら・・・。

なので、「輸血以外ならどんな手術でもやってください」と言う前に患者本人から見て6親等までの親族全員から訴訟を起こさない旨の書面を取り付けてそれを提出するくらいのことはした方がいいんじゃないでしょうか? 自分から助かる確率を下げる要求をしているわけですからね、お医者さんはそんなことやりたくないですよ。人の命を救うために医師になったのに、って思ってるわけですから。



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最後に。

以前にも書きましたが、どのような手術をするかは患者固有の権利です。長老や医療連絡委員があれこれ言おうとも、最終的な判断は患者であるあなたの決定次第です。輸血することにしたとしても、それを医師や看護師は他人に漏らすことはありません。医療者には守秘義務が有ります。無輸血手術にこだわることなく、全ての方法を検討していただきたい、命を大事にしていただきたい、そう願ってやみません。