Q&A52 ロング法の前 | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

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生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

Q 次周期に採卵(Long法)を予定し、生理を待っている状況なのですが、前の排卵後に体温が全然上がりません。このような場合、このまま採卵周期に入っていいものなのでしょうか。

A 黄体期(高温期)が来た後でしか刺激しない医師が多いかと思います。このような場合には、生理調整のホルモン剤を使うと思います。ピルのような薬剤の短期使用です。一方で、黄体期の有無にかかわらず、生理が来たら刺激を始める医師もいます。あるいは、前周期は全てピルを使う医師もいます。

本来、毎日卵子は供給され、育とうとしていますから、いつからでもどんな状態からでも刺激が可能です。また、卵子はランダムに選択されると考えられますので、生理の時に育つ卵子が良い卵子とは限りません。
2013.6.17「☆卵巣刺激開始はいつがよい?」を参考にしてください。

生理が来てから開始するのは、妊娠していないことの確認と、通常の生理周期の卵子の発育の時期だからです。全胚凍結の場合には、前周期に黄体期を作る明確な理由はないと思いますが、新鮮胚移植をする予定なら、きちんと内膜が剥がれた後が良いので、前周期に黄体期があるのが望ましいと思います。医師の考え方によりますので、どれが正解ということはありません。