農業を営む上での作目別での経営収支の性質を分析してみる | 無農薬•無肥料•自然栽培 めぐみ農場

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農場の気まぐれなブログです。

何か小難しい言葉が並んでいます。

要は

農業といっても何を作るかにより、
その仕事の内容にかなり幅がありますよ。

ということです。


公に言われているのが
2種類あります。



粗放農業と集約農業


粗放農業は面積を増やし機械化し少人数で行う農業
→米、大豆、麦等

集約農業は面積を最小限に抑え、そこに時間と人手を費やす農業
→ハウス栽培全般、ハウスでの周年栽培によるトマト、きゅうり、ナス等

面積10アール(約300坪、約1000平米)にかける労働時間と収益(粗利益)

米     約25時間~  約3万~

黒大豆   約5時間~   約9万~

施設トマト 約1200時間 約120万~

施設バラ  約1800時間 約150万~


数字の通り粗放農業は面積で成り立つ経営です。
集約農業はその言葉通りにシステムで成り立つ経営ともいえそうです。


農業といっても作目によって全くその性質が異なるものなのです。

多分この数字、統計は市場出荷、JA出荷、部会を通してのまとまった既存の流通ルートの話だと思います。

当農場では6次産業化として営んでいます。

6次産業とかなんか専門的な用語で調子にのっているようなワードですが
なんてことはない、自分で作って自分で売る、ということです。

助成事業の6次産業セミナーにも参加しましたが
なんらすでにやっていたことでした。

たしかに栽培、作るのは超大変だけどそれくらいの努力はしよう!
と当初からそのようにやってはいたのですが、
既存の農業の常識ではそうではなかったようです。

既存の方法が危うい今、今後の農業にこの考えは必須かもしれません。

6次産業を形にする点で大事なポイントがあります。

それは作物の保存です。

作物は栽培して収穫するまでに、その時期と期間が決まっています。
機械や物を作るのは工場があれば朝でも夜でも冬でも夏でもそれは可能です。

地と結びついている作物はそれが出来ません。
工場での栽培があるようですが作目が限られると思います。

農産物はそれが収穫時期になりましたら、ぼやついてはいられないのです。
一斉に収穫してその先に売り先がなければそれらは劣化するばかりなのです。

だから市場があり、それらをさばく団体があるのでしょう。
賢い方々のおかげでなんとかうまく出来ていました。

でもこれも工夫次第です。

米やリンゴはその代表的なものです。
一斉に収穫して冷蔵庫に入れてあげないといけません。

保存庫があれば少しづつ出荷してさばけるかもしれません。
しかし個人経営では中々その保管庫が用意できません。
りんごなどは組合倉庫を使うことになります。


トマトやきゅうり、葉物はそうはいきません。
収穫とその後の旬な時期が大変限られているのです。
きゅうりはピーク時は毎日収穫、レタスなどは収穫したらすぐに出荷しないと
ご存知の通りすぐにへなってしまいます。

この辺りは買い手が先に決まっていないとタイミングようくさばくのは
難しいかもしれません。

まさに作ったものの‥‥
となってしまいます。

逆に常温で保存がある程度効くものがあります。

イモ類、タマネギ、ニンニク、カボチャ等

これらはとりあえず収穫して置いておけば
それなりに保存が効きます。

そして成熟してもある程度畑の中に置いておけるものもあります。
小売りにはこれがある意味最強かもしれません。

ニンジン、タマネギは収穫初期から収穫後期までの
その猶予の時期、インターバルが長いのです。

といっても約1ヶ月~2ヶ月位ですが。

この1、2ヶ月もつ物がが小売りをする点において大変有利なのです。

まず出荷直前まで畑に置いておけるので
採れたてのものをお届け出来ます。

収穫するまでは生きている状態なので劣化はしません。


時期的に作目や量を計算し組み合せにより
うまくやっていくことが可能なのです。

こればかりは実際にやってみないと本当実感できません。
3~5シーズン畑と顧客とのやりとりを繰り返し
その農場のやり方が出来上がってくるのかもしれません。



以上新米農家のここだけの話、でした。