剣竿一如 -21ページ目

危篤

 愛鼬チャオがかなり危険な状態に陥っている。立つ力は失せ、自力での排泄もできなくなった。食餌はもちろん、水も自力では飲めない。肺もまともに機能していないようで、少しでも呼吸が楽なようにと、病床で身体を動かし続けている。眠っているように見えるのは意識が混濁しているようだ。鼻先が赤紫になる時もある。酸欠でチアノーゼが起きているのだ。鼻先の色を見てはスポーツ用の酸素缶を吸わせ、なんとか命を保っているが、チャオはもう、自力で生命を維持する力もなくなってしまった。

 かかりつけの動物病院は、GW中だが5月4日は診療日。もちろん朝一で連れて行くが、それまで保つかどうか。もう、チャオは充分に病魔と闘った。頑張りに頑張って今の瞬間を生きている。もう、これ以上頑張れなんて言えない……。

遊戯

 GWは仕事のかき入れ時なので、闘病中の愛鼬チャオと一緒にいてやれない。ケアは家内に任せて仕事に出掛けているのだが、チャオがかなり衰弱してきた。自力排泄はできているものの、「ンフッ、ンフッ」 と呼吸が荒い。流動食の強制給餌も嫌がり、水も自発的に飲もうとはしない。脱水症状が起きると危険なので、2時間おきにORS(ポカリスエットビーンスターク)0.5~1ccをスポイトで与える。

 そんな状態でありながら、突然に元気が噴き上がる瞬間がある。スッと起き上がり、部屋中をチョロチョロと散歩し、宝物のぬいぐるみの隠し場所を点検。それが終わると階段の下へ駆け寄って二階を見上げる。二階の部屋で遊びたいのだ。元気な頃と全く同じ遊戯をしたがる。当然、疲労する。少し動いては荒い息をついてへたり込む。呼吸が整うと活動再開。

 そっと抱き上げて二階の部屋に連れて行き、チャオの遊戯に付き合ってやった。嬉しそうに二階の部屋を探索するチャオ。歩き回る姿は元気な頃と全く変わらない。チャオの身体はすでに瀕死の状態なのだが、精神(=魂)は健康な頃と変わっていないのだろう。

 残された時間はもうあまりない。できる限りチャオの遊戯に付き合ってやろう。明日も仕事から帰ってきたら、一緒に遊んでやっからな。

一服

 愛鼬チャオを動物病院に連れて行き、経過を診てもらってきた。胸の腫瘍の進行は止まっているようだ。ステロイド剤がわずかながら効いているのかもしれない。肝機能障害で溜まっていた腹水は、利尿剤の効果できれいに消えていた。病状は一服状態。

 薬効のおかげか、今日は少し元気が出ているようだ。今朝は固形のフードを5gだけだが、ガリガリと食べてくれた。不足分は流動食で補えばよい。とにかく、自分から食べようという食欲が少しでも戻ってくれたことが嬉しい。天に帰る旅支度を中断した、ってことだから一安心。あぁ、よかった。

 一進一退のチャオの病状に一喜一憂の毎日だが、仕事や人間関係で味わう心労とは違って、ツライけどまったく負担じゃない。徹夜の介護も屁のカッパ。そもそも、肉体的な疲れを少しも感じないンだから不思議だなぁ。

 フェレット用流動食の問い合わせのメールをいただいたので、レシピを紹介しておきます。獣医師の指導・監修を受けていますが、延命ケアのためのレシピなので、栄養分の過剰摂取になる可能性があります。症状の軽いフェレットには与えないでください。

【フェレット用 流動食レシピ】 体重1.3kgに対する1食分
 ゴートミルク(粉末)=5g  フェレットフード=5g
 ウズラ卵黄=1個  水=10cc

※すり鉢でよく混ぜて、スポイト(注射器のポンプ)で少しずつ飲ませる。
 誤嚥を防ぐため、必ずうつぶせの体位で口の端から与えること。
 4~5時間おきに根気よく与える。
 体調が良ければ、指先につけて自力で舐めとるようにさせる。
 歯垢が溜まりやすい配合なので、食後に濡らした綿棒で歯の掃除をしてやる。
 体力が衰えていて食べきれない場合、半分の量にして与える回数を増やす。

支度

 小康状態を保っていた愛鼬チャオが、固形物をまったく口にしなくなった。フェレット専用フードをすり鉢で粉末にして、ゴートミルク(やぎの乳)に溶かし、卵黄を加えた流動食を作ってスポイトで強制給餌。なんとか10gほど飲み込ませたが、1回の食事量として全然足りない。

 チャオは旅支度を始めたのだろう。認めたくはないが、天に帰っていたペット達は旅立ちの3日~1週間ほど前から旅支度を始めていた。徐々に身体の機能を下げて、穏やかな最期を迎えるための準備。悲しくても、切なくても、胸が張り裂けそうでも、現実をきちんと受け止めてやらなきゃならない。それが飼い主の務めだから。

 今、自分にできることは食事の介助(強制給餌だが……)と投薬、そして苦痛や苦悶がチャオを襲わないことを祈るのみだ。

虚心

 愛鼬のチャオは今日も小康状態を保っている。チャオ自身は不治の病であることも、余命幾ばくもないことも、まったく気に掛けていない。体調の良い瞬間などはケロリとしたもんだ。痛みや不快感がなければ、動物にとって病など存在しないのかもしれない。今一瞬の生をひたぶるに生きるのみなんだろう。

 万物の霊長なんてふんぞり返っている人間様は、なまじ知恵を得たもんだから、生物の宿命としての生・老・病・死の四苦に、愛別離苦・怨憎会苦・求不得苦・五蘊盛苦を加えた八苦を背負い込んじまったわけです。さらに百八つの煩悩まで抱え込んでるってんだから、まさしく家康公の 「人生は重き荷を背負いて坂道をゆくが如し」 ですなぁ。

 でも、こんなペットとの別離の時が訪れることで悲しんでいられるのも、平和で健康な暮らしをしていられるからこそ。まぁ、稼ぎの銭高がもうチッとあれば言うことはないんだが、屋根の付いたお家の中、布団で寝起きして、季節に合わせて毎日着替えても余るほどの衣服を持って、蛇口をひねればキレイなお水が出てくる、レンジ台のコックをひねれば火が付く、毎日お風呂にも入れる、メシは腹一杯食えるんだから、政治家が愚鈍でも、強欲でも、傲岸不遜でも、とりあえず今の日本は良い国です。

 そんな良い国で一家の一員として飼われ、病気をすれば獣医さんにも診てもらえるんだから、ペット達も幸せなんだと思いたいですね。

小康

 動物病院で愛鼬チャオの検査。エコー検査では肺や肝臓の水は増えていない。しかし、肺に出来た腫瘍は小さくなっていなかった。ステロイド剤は即効性があるので、効いているならすぐに効果が見られるはずなのだが……。他に治療法がない以上、もうしばらく今のステロイド剤を投与してみるしかない。

 チャオの容態は芳しくはないものの、日の出前と日没時には元気が出て、部屋の中をチョロチョロ歩き回る。釣りで言うところの 「朝夕のマヅメ時」 に元気が出るのだ。元々は夜行性の動物なのだから、当然といえば当然か。確実に足は萎えてきているのだが、朝夕に一瞬の元気が噴き上がる瞬間がある。その瞬間は健康だった頃となんら変わらない。今日などは階段を上って、二階の部屋まで遊びに行ったほどだ。が、数分後にはアゴを床につけてグッタリとしてしまう。

 そんな状態ながらも強制給餌が功を奏して、この5日間で1.25kg→1.3kgと、50g体重が増えた。体力(≒抵抗力)を維持するためにも、体重の維持は重要。1食5gが精一杯なのだが、3~4時間おき、こまめに与え続けることで体重減少を防いでいる。

 まだ、チャオには苦痛は襲ってきていない。排泄も自力で出来ている。この小康状態をいかに保つか。連休中はどうしても仕事で出掛けなければならないが、出来る限り一緒にいてやりたいなぁ。

心痛

 チャオが徐々に弱り始めている。フェレットの1日は人間のおよそ1週間に相当する。そして体重は人間の1/60。細胞の代謝速度は人間とあまり変わらない。つまり、ガンなどの悪性新物質に冒された場合、悪性新物質が体重に占める割合は、人間のおよそ400倍強のスピードで進行してしまうと言うこと。1ヶ月前の健診で異常が無くても、半月後にはすでに危険な状態になっていても不思議はないわけだ。

 こういった視点でペットの健康を考えると、人間の感覚で 「なんで気づいてやれなかったんだ」 と嘆いても、どうにもならないって事がわかる。しかし、飼い主の心情として、ペットは人間同様、人によっては家族同様の存在。心が痛む。自分もそうだ。

 昨日からチャオが自発的に餌を食べなくなってしまった。食べなければ衰弱し、やがては死んでしまう。嫌がるチャオの口をこじ開けて強制給餌。一粒のフェレットフードを食べれば、なんとか続けて5g位は食べてくれる。健康な状態なら1回に10g、1日に4~5回で40g以上食べなくてはならないのだが、肝臓や脾臓にもダメージを負っている状態なので、一度に食べる量は半分でもやむを得ないのかもしれない。足りない分はウズラの卵黄を1日に2個与えて補っている。ウズラの卵黄は本来なら、オヤツとして1日に1個までなのだが、自発的に食べてくれるのが卵黄だけなので、体力を維持させるためには仕方ないと思っている。本当は良くないのかもしれないが……。

 不幸中の幸いと言おうか、お薬はフェレットバイトに混ぜればペロリと飲んでくれる。しかし、完全治癒は望むべくもない。従ってチャオと共に過ごせる時間はあまり長くはない。ならば好きなモノを食わせてやりたい。そして穏やかな最期を迎えさせてやりたい。チャオの時計は、別れの瞬間に向かって時を刻んでいる。この現実に向き合うのは辛い。心が痛もうが、涙が溢れようが、これも飼い主の責任。逃げられる事じゃない。

 今まで何度もペットたちが天に帰って行くのを見送り、飼い主としての覚悟は痛いほどわかっているのだが、やはり辛いなぁ……。

病魔

 愛鼬のチャオが不治の病に冒されていることがわかった……。先月の健康診断では肝臓の数値が少し高めというだけだったのだが、今日の検査では右肺に大きな腫瘍が出来ていて、心臓まで圧迫しており、さらに肝臓にも影が見つかった。腹水がたまり始めているらしい。犬や猫なら針を刺して細胞を少しとり、組織検査を行って病因を確定できるのだが、身体の小さなフェレットでは検査による生命リスクが大きい。治療も外科的アプローチは無理。効くか効かないかわからないが、ステロイド剤で腫瘍が小さくなればラッキーという、博打のような治療しか選択肢はなかった。

 チャオはあと数日で5歳。人間で言うと60歳代の黄色信号世代。毎月健康診断を受け、健康には留意していた。しかし、元気な個体だっただけに、進行が恐ろしく早かったようだ。体重も先月は1.4kgだったのが、今日は1.25kg。わずか1ヶ月で11%もの激ヤセ。たしかにここ数日、食が細ってはいたが、時々咳き込む以外はあまり変わりのない日常だった。イタズラもすれば甘噛みもする。二階まで階段を駆け上って遊んでいる。なのにあの小さな身体に、恐ろしい病魔が巣くっていた……。

 正直、チャオと一緒に過ごせる時間は、もうあまり長くはないだろう。それが1週間なのか、1ヶ月なのか、半年なのかはわからない。ただ、年単位ではなさそうだ。残された時間、チャオと共に病魔と闘い、精一杯かわいがってやろう。5年間、癒しと和みをいう忠義を尽くしてくれたチャオに報いてやるにはそれしかない。がんばろうな、チャオ!

狼狽

 愛鼬のチャオを月一の定期健康診断に連れて行った。このところ、時々むせかえるように咳をしたり、少し食が細くなって痩せてきていた。あと数日で5歳になるし、そろそろ黄色信号のお年頃なので、大人痩せする時期ではあるのだが……。

 咳き込みが心配で検査をしてもらったら、肺にもやもやとした影がある。水がたまっている疑いもあるってンで、半日の検査入院ということに。冷静を装ってはいても、心中はもう、どうしていいやら、何を考えてイイやらパニック状態です。

 診療時間終了後の夜7時にお迎えに行くんだが、気が揉めて仕方がない。ペットを飼うってのは、カワイイ、楽しいだけじゃないってのは十分に承知している自分でも、周章狼狽しちゃうんだから、ペットの存在ってのは大きいですね。結果が気になって、不安で仕方ないよ……(´・ω・`)

購入

 GWセールの始まった今買うか、冬のボーナスセールまで待つか、どうすべェかと思案していた液晶テレビとBDレコーダー。お金のあるうちに買ってしまえ! っと購入を決定。

 現金を懐に、いざ近所の家電店へ。店頭表示価格からいくら値引きしてもらえるか、お店との駆け引き開始。他店との比較、価格.comの最安値などを引き合いに出しながら、表示価格からさらに20%値引きしてもらった。さらに、古いテレビの引き取り手数料と、用品値引きとしてBDメディア(BD-RE)5枚をオマケしてもらうことに。ふぉっふぉっふぉ、セール値引きと価格交渉、用品値引きで、当初予算よりも25%くらい下がったわい。

 交渉成立で支払いカウンターへ。家電量販店のマニュアルの弊害なんだろうが、会員カードと現金をカルトン(トレイ)に置いているのに、「お支払いは現金でよろしいですか?」。そりゃ現金でイイに決まってるじゃん。思わず 「ある時払いの催促なしでツケ払いにしてくれる?」 と、意地悪を言ってしまった(笑)。

 あとはアンテナ工事を待つのみ。工事の前に電波状況を調べて、アンテナ・ブースター・屋内配線工事の要否を判断せにゃならん。地デジ普及が遅れているのは、このアンテナ工事の厄介さだな。それに工事費用はMAXで7万円弱らしい。高いよなぁ。

 っとまぁ、不景気の最中にン十万円単位の買い物をするにゃ、貧乏性の自分には勇気が要りましたよ、ってお話でした。