クラシック & モダニズム -5ページ目

冬の夕


     とっぷりと暮れたる冬の夕べかな


     外に出で背筋伸ばした冬の夕


     冷え込みにふるえる身体すまし顔


     野良猫に寒いでしょうと声かけり


     クリスマスいつもと同じ住宅地


     冬の月我が思いをば映しけり


     星見えず月は陰りぬ冬の空


     冬の夕野良猫たちや丸くなり


     公園で遊ぶ子帰る冬の夕


     レジ並ぶ買い物籠は冬野菜




冬の夜・・・


     温かな胸に抱かれ目覚めれば
             電気毛布の心地好さかな



     寝床からゆるり起きたる午後七時
             夢の旅路の終りもどかし


     星空は群青色と深緑
             しんしん広き我がファンタジー


柊の花


     柊や仄かに香る白き花


     柊の小花こぼれる地に立ちて


     柊の花はあまりに慎ましや


     柊の花は我が家の垣根かな


     柊や嵐が丘に咲きにけり


     柊の花はちらほら緑の葉


     葉は光り柊の花照らしをり


     ぎざぎざの葉に護られし冬の花


     柊の花に浪漫の香りあり


     柊の花に触れるや零れたり



ムーア・・・

荒涼と風吹きすさぶ丘に立ち
肌打つ風さえ気付かずにいた

冷たい寒いとふるえを感じつ
次第に惹き込まれていく吾身

次第に何も感じなくなった時
雲はムーアを覆い私を覆った

荒涼と風吹きすさぶ丘の上で
その時全てを受け止めたのだ

今日も行こう明日も行かねば
ムーアの風が呼んでいるから




画像ウィキペディアより

時の音(ね)・・・


    刻々と満ちる時の音我が鼓動
            座禅かヨガか呼吸整え


    我が庵見渡し探す忘れもの
            書棚の中の小さな扉


    はらからと女流作家の歩み視て
            我はわれなり貴方はあなた


    年の瀬に決め事ひとつ閃いて
            心静かに胸に秘めをり