このままもっと《番外編》まーくんの改造計画 vol.1 | sakurabaでいっぱい 〜SA妄想小説〜

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赤さんと緑くんによるソフトな萌キュンイチャコラですが、激しめなものも書いておりますので未成年の方、男性の方はご遠慮下さい。

コメントは基本的に未承認にしております。

おはようございます。

他の連載を放置してるくせに申し訳ないですが•••

ひっさしぶりの「このままもっと」の番外編です。

一年以上前に出だしだけ書いてて放置してたのを急に思い立って書いちゃいました。

おもしろいかどうかは別にして、少しでも楽しんで頂けると幸いです。


↓このおはなしの始まりは•••


。。。。。

A-side



「いらっしゃいませー・・・」


「・・・まーくん?」



おおちゃんのパン屋さんにお客さんが来て声をかけると、背後からおおちゃんの声がした。


パンを焼き終わって厨房から出てきたみたいだ。



「・・・え?」


「まーくんしんどいんか?なんか声のトーンが低いけど」


「あ、」



いけない。


態度に出しちゃダメって思ってたのに知らず知らずの内に出ちゃってた?



「ご、ごめん、おおちゃん。

ダメだよね、こんな接客じゃ」



慌てて取り繕うも、おおちゃんはまだ不信そうにオレを見ている。



「・・・熱は、ないか」


おおちゃんがオレの額に手を当ててつぶやいた。



「だっ、だいじょーぶだよ!別に体調悪いわけじゃないから!」


「んじゃどうしたんだ?

翔くんとケンカでもしたのか?」


「イヤッ、別にケンカなんかしてないし!」


「でも、なんかあったんだろ?」


「えっ、イヤ・・・あの、」


「ケンカじゃなかったらなんなの?

なんかイヤなことでも言われた?」


「そっ、そんなことないよ!

翔ちゃんはオレにイヤなことなんか言わないし!

オレが素直じゃないだけで・・・!」


「やっぱりなんか言われたんじゃねーか」


「あっ、イヤッ・・・えっ、と・・・」



ちょうどそこでお客さんが会計をしにレジに来たので話は中断してしまった。


オレはホッとしたような、モヤモヤが残ったような複雑な気持ちのままお客さんの会計を済ませる。



「ありがとうございましたー!」


殊更大きな声を張り上げてお客さんを見送る。



「今度はわざとらしくそんな元気よく声出しちゃって」


「そっ、そんなこと、ないもん・・・」



口では否定をしながらも、核心を付かれて声が小さくなる。



「ちょうど客もいねーし。おおちゃんに話してみな?」


「•••なんにもないし••••••」


「ウソつけ。思いっきり顔に出てるぞ」


「えっ、うっ、うそっ」


「まーくんはウソつけないんだから、ほれ、言ってみろ」


慌ててペタペタと顔を触るオレを優しく笑いながらそう言ってくれるおおちゃん。

観念して小さくため息をついた。


「ん・・・あの、ね・・・」


オレはボソボソとおおちゃんに話し出した。



。。。。。


「雅紀、こっちおいで?」


「ん。でも、まだ後片付けが・・・」


食べ終わった食器を洗おうとシンクに立ったオレを、翔ちゃんが追いかけて来て腰を抱かれる。


「んー、でも今は雅紀とイチャイチャしたいなー」


翔ちゃんはこうしてたまーにワガママになって甘えてくる。


こうやって甘えてくるのは嬉しいからオレも拒否はあんまりしないんだけど。



「んっ、翔ちゃん・・・そんな触り方したらグラス落としちゃう・・・」


翔ちゃんが腰を掴んだままうなじに唇を滑らせてくるのを、捩りながら少し体を離す。


「ふふ。雅紀、カワイイ」


「んもー、かわいくないって・・・」


オレがそう言ってグラスを落とさないように耐えてるのに、翔ちゃんは調子に乗って体をまさぐってくる。



「あ、や・・・翔ちゃん、ダメだから・・・」


翔ちゃんに与えられる快感に耐えながらも、グラスを落とさないように集中する。



「そうやってダメとか言いながらも感じてる雅紀がカワイイ・・・」


「ん•••や、しょーちゃ•••そこ、や•••」


「雅紀•••カワイイカワイイ俺の雅紀•••」



。。。。。



「で?」


話し終えたオレをキョトンとした顔で見つめるおおちゃん。


「で?って・・・?」


「え?どういうこと?」


「えぇ?今のオレのはなしでわかんなかった?」


「イヤ、翔くんが変態でスケベってのと、まーくんが感じやすいってのと、毎日のようにそんな風にイチャついてんだなーってことはわかったけど」


「そっ、そーじゃなくて!」


「えぇ?ただのノロケ話じゃなかったの?」


「違うから!オレは悩んでんの!」


オレの話を聞いてもポカンとしてあんまり理解してなさそうなおおちゃん。


「え?今の話でどこがどう悩んでたって話になるんだ?」


「だからー!翔ちゃんがオレにカワイイカワイイってそればっかり言ってくることだよ!」


「え?でも、まーくんはカワイイじゃねーか」


「もぉっ!おおちゃんまでっ!」


「ほら、そんな風に怒っててもカワイイ」


「もー!そうやってカワイイカワイイばっかり言われるのがイヤなの!

オレだってオトコなんだからね!」


そうやってプンスカ怒ってるのがカワイイんだけど・・・


「え!?おおちゃんなんて?」


「イヤ、なんでも」


オレが睨むとおおちゃんはスっと顔を逸らした。


「だから、もっとオトコらしくなりたいの!オレは!」


「えー、まーくんはそのままでもじゅうぶんステキだけど」


「えっ、あっ、ありがと••••••じゃなくて!!

カワイイカワイイ言われないようにもっとオトコらしくなるの!」


ムリだと思うけど•••


「え!?おおちゃんなんて?」


「イヤ、なんでも」


おおちゃんがまた慌てて顔を逸らす。



「だから•••どうしたらオトコらしくなれるか、悩んでんの•••。

ねぇ!おおちゃん!どうしたらいいと思う!?」


「えっ!?イヤ、俺に聞かれても•••」


おおちゃんに詰め寄るも、おおちゃんは困った顔をしてどもるばかり。



「そんなことは俺に聞きなさいよ」


急に背後から声がして、振り向くといつの間にかカズが立っていた。


「カズ!いつ来たの?」


「今ですよ。まーくん、智に噛み付いてたから気づかなかったでしょ」


「カズ。帰ってくんのはえーな。またお得意の直帰かよ」


「うるさいな。もう俺の仕事は終わったからいいでしょ。それより、まーくん、男らしくなりたいの?」


「うっ、うんっ!カズ、どうしたらなれるか知ってんの!?」


「俺を誰だと思ってんの。まーくんのお悩みはこのカズ様におまかせあれ」


「カズ様ーー!!」


そうだよね!!


頭のいいカズならそんなことくらい簡単にわかるよね!


やっぱりカズって頼りになるぅー!!


「どうしたらいいの?ねぇねぇ!」


「まぁそう急かしなさんな。ゆっくりと教えてあげるから」


「うんっ、ありがとー!」


「ふふっ、どういたしまして」


「まーくん•••」



イヤーな笑みを浮かべてるカズと、心配そうに見ているおおちゃんに気づかないまま、オレは有頂天に飛び跳ねていた。



つづく…